『稲垣メンバー』について思うこと

 ええっと、この話題については我らがMadokaたんも取り上げてましたけど、ここではもっと深く掘り下げたいと思います。
 
SMAPのメンバーである稲垣吾郎が道路交通法違反と傷害、および公務執行妨害の容疑で逮捕されたことについてはみなさん御存知ですよね? したがって、この事件そのものについてはここでは取り上げません。私も小心モノですから、突然婦警サンに廻りを取り囲まれたら、パニックになるかもしれません。だから、彼のとった行動についてはバカだなあ...などとは思ったりしませんよ。取り上げないつもりが、これだけ文章書いちゃった...(苦笑)。
 で、ここからが本題ですけど、稲垣吾郎が逮捕されてから取り調べ段階までは「稲垣容疑者」というふうに『容疑者』づけで呼んでたマスコミ各社が、釈放された途端に『容疑者』呼ばわりをやめ、「稲垣メンバー」というふうに呼称を改めてたというのです。私自身はTVのニュース番組などでそういう場面を目撃してませんが、8月29日付『中京スポーツ』によると、こういうことのようです。

容疑者と呼ばず、なぜ「稲垣メンバー」と呼ぶのか

 公務執行妨害などで逮捕されたSMAPの稲垣吾郎の事件を報じる際、テレビ各局は「稲垣メンバーは」と報じ、NHKは同容疑者の謝罪会見ではあえて「稲垣さん」と「さん」付けで報道した。このことでNHKは「処分保留で釈放された時点で、容疑者ではない」と判断したとの見解を示した。また、TBSでは「略式起訴の可能性が高い」と判断。その場合には。肩書、呼称を付けるのが原則のため、メンバーの一員ということで「稲垣メンバー」と呼称を変えた。フジテレビも稲垣容疑者は釈放されたものの、「さん」付けは不適当と判断。「メンバー」としたとの立場をとった。

 ふ〜ん、もし私が略式起訴相当の軽微な犯罪で捕まって、釈放された場合にはTBS系の報道番組では「『ヒロくん社員』が謝罪会見をおこなった」...といった呼称使って報道してくれるワケね(笑)。
 で、「どいつもこいつもきれいごと並べやがって! 結局はジャニーズ事務所の機嫌を損ねないように配慮してるだけじゃねえかッ!!!」って、みなさん思いません? 私はばんばんそーゆー配慮を感じます。釈放されたからには、もう容疑者呼ばわりはしたくない...ジャニーズ事務所の機嫌を損ねたくないから。だけど、いきなり「さん」付けすると、軽微とはいえ犯罪者なのだから視聴者からの反発が怖い...。そういったTV各局の葛藤がよーく現れた呼称だと思いますよ、「稲垣メンバー」っていうのは(笑)。
 今回の不自然な「稲垣メンバー」という呼称を見て、これと同じような葛藤がよーく読み取れた呼称を思い浮かべました。6年前に世間を震撼させたオウム真理教の一連の事件の騒動の最中に刺殺された「村井秀夫・元幹部」のことをです。この「村井秀夫・元幹部」っていう呼称は、もうこの世のひとではないから逮捕もされなければ起訴もされない...したがって、「容疑者」呼ばわりは出来ないけど、悪い奴だから「さん」付けもしたくない...という葛藤の現れでした。そういえば今のオウム真理教(現在は、『アレフ』に改称...笑)の上祐史浩も、TVなどのマスコミで報道される際には、「上祐幹部」って呼ばれてるね(笑)。今の上祐の場合は(罪はムショのなかでつぐなったから)何にも悪いことしてないんだけど、「さん」付けすると視聴者からの反発が強いからって理由で「上祐幹部」って呼称が用いられるワケね?(笑)
 で、結局何が言いたいかというと、みんなから人気があるゆえに強大な力を持つようになったジャニーズ事務所と、みんなから蛇蝎の如く忌み嫌われてるオウム真理教は、けったいな呼称をTVなどのマスコミに使わせてるという点では一緒です。「極端な支持」と「極端な不支持」の行き着く先が一緒...。結局、何事も極端になり過ぎると同じようなものに...なるんです...ね...。

('01.8.30)

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