弥生人の脳味噌、観たいですか?

『弥生人の脳、どう運ぶ?』
−鳥取で出土、都内で公開案−

 鳥取県青谷町の青谷上寺地遺跡で出土、学会に衝撃を与えた弥生人の脳を、江戸東京博物館(東京都墨田区)で六月に開く展覧会で公開する計画が浮上、関係者は衝撃や振動に弱い脳をどう運ぶかに頭を悩ませている。
 脳は現在、鳥取大医学部(鳥取県米子市)の井上貴央教授(解剖学)が、脳が凍る寸前の温度に保った同大医学部の氷温庫で厳重に保管、研究が進められている。
 県教委から助言を求められた同教授は「脳は飛行機の離着陸の衝撃には耐えられない。輸送車に免震設備と電源を付けて、氷温庫ごと陸送しては」と提案、県教委は美術品輸送の専門会社を検討しているが、安全な輸送には相当の経費が見込まれ、最終判断には至っていない。距離は片道約八百キロにも及び、同県教委は輸送費や輸送方法を今月末までに詰めたい考えだ。

(日本経済新聞3月3日付朝刊・13版34面より)

 ...という記事が新聞に載ってました。このハナシ、大阪の立ち食いソバ屋でかかってたラジオのニュースで私は3月2日に知りました。これ聞いて、なんちゅうアホなニュースかと思った。遺跡から弥生人の人骨が脳味噌が一部残った状態で発掘された話は私も知ってました。確かに衝撃的で、学術的にも価値あるものでしょう、この脳味噌は。だけど、そんな衝撃や振動に弱いものを、リスク背負ってまでわざわざ東京に運んで一般公開して見てもらうようなモンでもないでしょ?(笑) この問題の一番の解決方法は、これです。発掘された弥生人の脳味噌を見たい!...というひとが、鳥取県米子市にある鳥取大医学部にまで足を運んで、氷温庫に保存されている脳味噌を見に来ればいいわけでしょう? どうしてこんな簡単なことが、鳥取県教育委員会のみなさんは解らないんでしょうか? 弥生人の脳味噌を鳥取県の米子から東京まで搬送したら多大な経費がかかるそうですけど、その経費はみんな税金で賄われるワケでしょう? こんなくだらないことに税金使うんじゃない!
 鳥取県といえば、石原東京都知事のホテル税構想に異を唱えた片山知事の居る地。「東京なんかに脳を運ぶんじゃない! 弥生人の脳味噌見たいんだったらそっちこそ、鳥取来いよ!」くらいのことを言わないと(笑)。
 それにしても、東京の、地方の珍しいものは全部東京に持ってきて東京人に見てもらわないといけない...とする『大英博物館』的主義はなんとかならないですかね。フジ・ロックの苗場ですら遠い...っつう人間が東京人に多いのには呆れます。見たいものがあっても長距離移動してまで見たいとは思わない。あちらがやってくるまで待っている...っつう態度、どうにかならない?
 ちなみに、弥生人の脳味噌ですが、私は...そんなモン見たいとは思いません。ホルマリンに漬かった現代人の脳味噌ですらキモくて見るの嫌なのに(笑)。

('02.3.4/3.5)

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