松山千春の鈴木宗男擁護発言に対する抗議について

松山千春、宗男「信じている」と大擁護
「これからもアドバイスしていく」

 今や野党だけでなく、自民党内からも三くだり半を突きつけられ、四面楚歌状態の鈴木宗男衆院議員。その鈴木氏と同じ北海道足寄町出身で、20年来の交流があるという、歌手の松山千春(46)が27日、テレビ番組の生放送に出演。「あくまでも疑惑の段階で、(突き放したような発言をする)自民党も政治家として情けない」などとし、鈴木氏を必死に擁護した。
 出演したのは、テレビ朝日の「ワイド!スクランブル」。「反発は覚悟」として出演した松山は、「宗男さん1人が悪者になっている」として、「宗男さんには、弱い者、貧しい者に対して、政治の力が平等に行かないものか、という志があり、その人間性を信じている」と説明した。
 鈴木氏がムネオハウスやムネオ桟橋の受注業者から多額の政治献金を受け取っていることについては、「金が絡んだら、ろくな政治にならない。宗男さんにも『やめようよ』といつも言っている」と話した。
 ただ、ムネオハウスなど、一連の受注関与疑惑では、「要請や要望、陳情を関与というのか、圧力というのか、という問題がある」と話し、「ルールをゆがめたのは宗男さん自身ではないか」と司会者らに指摘されると「おれはルールをゆがめたと思ってませんから」と、あくまで鈴木氏を擁護する姿勢に終始した。

(中略)

 また、鈴木氏を擁護していることで、自身のファンが激減したと一部で報道された件で、「政治や宗教は本来、歌手にはタブーの部分。そうしたものを越えた歌を作っていかなくてはならない」と話した。

(後略)

(『ZAKZAK』2002/02/27
http://www.zakzak.co.jp/top/t-2002_02/3t2002022701.htmlより)

 ...という記事が『ZAKZAK』に載ってました。この記事の末尾のハナシ、「鈴木氏を擁護していることで、自身のファンが激減したと一部で報道された」っつうくだりは『中京スポーツ』(『東スポ』中京ヴァージョン)あたりに載った記事を指したものと思われます。「あんなヤツ(鈴木宗男氏のこと)を擁護するなんて、もう千春のファンやめる」っていう声が松山千春のファンサイトの掲示板にカキコされたとかで、『千春ショック!! ファン激減』などと、『中京スポーツ』らしい見出しが打たれてました(笑)。
 で、この手の話題を聞くたびに思うのですが、「自分の気にくわないヤツ(この場合は、鈴木宗男氏)を擁護してるから」という理由でファンをやめるひとは、ホントに松山千春のファンなのでしょうか? 少なくとも松山千春の音楽のファンではないような気がします。というのは、松山千春が鈴木宗男氏を擁護することによって、彼の作品の価値が変わるはずは全くないから。松山千春が鈴木宗男氏を擁護する前とした後で、“長い夜”や“恋”、“季節の中で”などの名曲群の曲の価値が変わったんでしょうか? 意味合いが変わったんでしょうか? 全く変わっていないハズです。
 たぶん、「あんなヤツ(鈴木宗男氏のこと)を擁護するなんて、もう千春のファンやめる」などと発言したひとは、自分の応援してるアーティストが、自分の思う通りの行動/発言してくれないので、プッツンしてるのでしょう。自分が嫌いな鈴木宗男を一緒になってバッシングしてくてると思ってたら、逆に擁護に廻ってる。オレ/あたしの思ったとおりに動いてくれないから、もうアイツのファンはやめる。要するに、思いどおりにならないオモチャを放り出す子供と一緒。これって、ファンの姿勢としてはとても幼い愛し方だと思います。...っつうか、もうファンじゃないのか...(笑)。
 だいたい、顰蹙行動/発言の度にみんながファンを辞めてたら、ジョンの「イエス・キリストより有名」発言でビートルズ・ファンが、ノエルの「ブラーのデーモンはAIDSで死ね!」発言の時にはオアシス・ファンが絶滅してなきゃおかしいのにそうはなってない(笑)。
 少なくとも、私には音楽聴くうえでの基準は、演ってる音楽の内容がすべて。いくら人格者が作った音楽でも、内容がつまらなかったら聴かないし買わない。いくらイヤな奴が作った音楽でも、内容が良かったら聴きます。極悪非道な犯罪者が作った音楽に関して言えば...CD買うと印税(利益)を与えることになるので、いくら音楽の内容が良くても購入は考えるかもしれませんが...。仮に私が松山千春のファンだとしても、鈴木宗男擁護発言のせいでファンをやめることはありません。もう一度言いますが、アーティストが自分の意に反する行動/発言したからファンをやめる...そういう姿勢は音楽ファンとしては幼すぎると思います。

 関係ないけど、上で紹介した松山千春の発言に気になる箇所があります。「政治や宗教は本来、歌手にはタブーの部分」という部分。今の日本のミュージック・シーンで、政治や宗教ってホントにタブーなの? あ、「芸能界」だったらタブーかもね(笑)。...ってことで、これ見て、松山千春は「芸能界」のひとなんだなあ...と思いました(笑)。
 私が新聞記事をみる際、けっこう違和感感じる表現があります。「ロック歌手の××××」という新聞特有の表記。何故、「ロックシンガー」って書かない!? ...っていつも憤ってますけど(苦笑)、この「ロック歌手」という表記が付いても違和感無いのが「芸能界」のひと、やっぱ「ロックシンガー」って書いて欲しい!ってバンバンに違和感感じるのが、日本の悪しきしがらみ「芸能界」から脱出してるアーティスト....と私は区別しとります(笑)。

('02.3.5)

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