しらじらしく虚しい
「働く者の仲間」の「一致団結」
富山の回覧板『北日本新聞』にこんな記事が載ってました。この記事を見ると分かるとおり、いくら労働団体のトップが「働く者の仲間」の「一致団結」を呼び掛けようとも、末端の組合員にとってみればそんなものよりも「自分の生活」のほうが大事ってことがよ〜く分かります。「働く者の仲間」の「一致団結」に背を向けたひと(すなわち、訴訟を取り下げたひと)が半数近くも居るんだからさ。労働組合が「働く者の仲間」の「一致団結」を呼び掛けたうえで、配転撤回や解雇取り消しを求めて会社相手に裁判起こすのは勝手ですけど、会社側が徹底抗戦し時間引き伸ばし作戦(「兵糧攻め」ともいう)に出たら真っ先に干上がるのは、末端の組合員。裁判で闘争中、会社からは賃金は一切出ないワケだし、かといって、労働組合が賃金保障をしてくれるワケでもない。生活のためには稼がにゃいけないワケで、生活見込みの無さそうな配転撤回や解雇取り消しを求める裁判に時間かけるよりも、次の仕事を捜すほうが大事と考えるのは至極当然。...ってことで、「働く者の仲間」の「一致団結」はいとも簡単に空中分解します。「働く者の仲間」の「一致団結」という言葉ほど聞いててしらじらしく虚しいモノはちょっと思い当たらないなぁ...(笑)。
そういえば、某雑誌のカリスマ的人気を誇った名物編集長だったM氏が、突然編集長を解任され、さらに会社からも追放されたことがありました。この時M氏は「不当解雇だ!」と会社相手に裁判起こしましたけど、結局費用がかさんだため裁判を続けられなくなり会社側に有利な条件で「和解」に追い込まれました。勿論、編集長の座に返り咲くどころか、会社に戻れることすら叶いませんでした。組合が対会社に対して配転撤回や解雇取り消しを求めるのも難しいくらいだから、個人が対会社に対して裁判起こすのが如何に大変かがよく分かります(特に金銭面で)。
ところで、M氏は和解成立後、細々と他社からの雑誌のゲスト編集者やってましたけど、その雑誌も潰れ、今では完全に名前を見なくなりましたね...。ギョーカイから干されてしまったようです。M氏は今、どこで何をしてるんでしょーか?
(2002.11.6)