どうしようもなくウザい(自称)フリーライター

 『富山の回覧板』こと富山の地元紙・北日本新聞の読者投書欄『読者コーナー』(そのまんまやん!)に載ってる読者投稿に目を通すのが、私の朝の娯楽になっております。投書欄に採用されてるかたがたの職業は、会社員だったり学生だったり農業だったり主婦だったり、そして無職だったり。そういう市井の人びとが自分の意見を持ち寄る場所なんだけど、私は「今日はどんな電波な投稿が載ってるのかなぁ〜?」って感じで(笑)毎朝楽しみにしています。ほとんどのかたが単発採用で、何回も何回も原稿採用になるひとは多くはないようです。ところが、この『読者コーナー』には、ほぼ週に1回、必ずといっていいほど原稿が採用されているひとが1人居るんですよ。具体的に言うと、魚津市のN崎H(笑)。この70歳の御老人、職業...というか肩書きは「フリーライター」で在らせられます。「無職」でも「年金生活者」でもなく...。
 いちお、『富山の回覧板』こと北日本新聞の『読者コーナー』はまじめな投書欄なので、職業とは自分が生計たてるために従事してる仕事を書くべきであるハズなんだけど、もし、このN崎Hが文章書くことによって食っていけてるなら話は別ですが、そうじゃないなら「フリーライター」を名乗るべきじゃないと思います。「無職」なり「年金生活者」なり、実態に即した肩書きを名乗るべきでしょう。
 この『SPILL THE BEANS!』くらいの規模と内容のサイトを運営してると、例えば「音楽ライター」を名乗りたい誘惑に駆られるひとが、もしかしたら居るかもしれません。残念ながら私はそこまで恥知らずではないので(苦笑)、「音楽ライター」を名乗りません。っつうか、「音楽ライター」を名乗ろうとする発想すら出て来ませんね。実際問題、音楽評論でメシ喰ってるワケではないので、あくまでも私の職業・肩書きは「会社員」です。ただ、このサイト上では「音楽ライターごっこ」をやってるケドさ(苦笑)。
 そもそも彼らが「フリーライター」を名乗りたがる精神構造が全然理解出来ませんが...。確かに「無職」からの投書よりも「フリーライター」からの投書のほうがカッコイイし...。「無職」や「農業」、「会社員」や「主婦」からの投書というと、市井に生きる下々のひとの意見という感じがしますね。ところが、「フリーライター」を名乗るひとたちが書く文章をみると「オレはこれだけの知識があるんだ。オレはこれだけ立派な意見を持ってるんだ。国も県も、オレの言うとおりにすればいいんだ」といった上から見下すような匂いがプンプンします。せっかくの高尚な意見が、「無職」や「農業」、「会社員」というありふれた肩書きによって、他の意見と同列に扱われるのが我慢ならない!...といったような理由で、差別化するために「フリーライター」を名乗ってるのでしょうか?
 私が間違っても「音楽ライター」を名乗らないのは、「オレの薦めるモノは傑作だ! だからみんなコレを聴け!」といったことはやりたくないからかもしれません(笑)。そのような傲慢な行為はプロの音楽ライター(もしくは、自称・音楽ライター)に任せます(笑)。私は、いち音楽ファンとして自分の気に入ったモノをこのサイト上で紹介するだけで満足で、それ以上の展開は期待していませんから(笑)。もしも、自分の職業(会社員)以外の肩書きを名乗ってもいいということになっても、私は「音楽ライター」とは絶対名乗りません!(きっぱり)
 このN崎Hに影響されてか、最近『富山の回覧板』の『読者コーナー』に、「フリーライター」を名乗るひとが多くなってきました。が、この「フリーライター」たち全部が全部、文筆業でメシ喰っていけてるとは思えません。『富山の回覧板』もこんなライター志願者の自己満足に付き合ったりせず、彼らからの投書を扱う時には(たとえ彼らが自分の職業を「フリーライター」と言い張ろうとも)是非とも肩書きを「自称フリーライター」にして欲しいものです(笑)。

 ところで、先ほどから「N崎Hはもの書きでメシ喰えてない」と、私は決めつけておりますが、もしかしたらそれは私の勉強不足で、N崎Hはフリーライターとして生活が成り立ってるかもしれません。その場合なら、なおさら『読者コーナー』への毎週の投稿はおかど違いだと指摘しておきましょう。
 昔、雑誌『噂の眞相』の読者投稿欄に毎月、ライターの松沢呉一が投稿してきたことがありました。が、他の投稿者から「プロのライターが、シロウトの発言の場を奪うんじゃねぇ!」と袋叩きに遭ってしまい、松沢呉一は読者投稿欄から閉め出されてしまいました。『富山の回覧板』の『読書コーナー』にもこれと同じことが言えるわけです。もし、N崎Hがプロのライターなら、シロウトの投書が集まる場を占拠しちゃいけない。『富山の回覧板』に別枠設けてもらって、そこで高尚な御持論を展開なさればよろしゅうかと(笑)。

 で、今回私が何を言いたかったかというと、
1. 文章を書くことによって生計を立てていってるひと以外は、「フリーライター」を名乗るんじゃねぇ!
2. もし、プロのライターなら、シロウトの投稿欄に投書しまくるんじゃねぇ!

(2003.5.17)

INDEX