私が「ハンミちゃん一家」を
許せないワケ
この文章を書こうと思ってたキッカケは、SMAPがやったという瀋陽・日本領事館の亡命者駆け込み事件のパロディーに視聴者からの抗議が殺到した件ですが、前々からず〜〜〜っと「気に入らない!」と思ってました。何がって? 去年の春に、日本の外務省のマヌケぶりを世界じゅうに知らしめた「瀋陽・日本領事館の亡命者駆け込み事件」の当事者の北朝鮮からの亡命家族のことを「ハンミちゃん一家」と呼ぶのを!
この亡命一家は、キム・グァンチョルさんとリ・ソンヒさん、その娘のキム・ハンミちゃん、そしてチョン・ギョンスクさん、キム・ソングクさん...の合計5人。そもそも「北朝鮮から亡命したい」と思ったのも、そして実際に亡命する決断をしたのも、中国へ越境行動起こしたのも、脱北者支援NGOやら亡命ブローカーと接触したのも、み〜〜〜んなキム・グァンチョルさんたち4人の大人であって、ハンミちゃんではありません。亡命を企画・立案・実行したのは、大人たちでだって、ハンミちゃんではない! ハンミちゃんは単なる大人たちのオマケに過ぎません。親たちが亡命しなければ、自分自身で「亡命したい」とも思わなかったでしょ? そもそも「亡命」の意味すら知らないんじゃないかな?
亡命って、凄いことですよ。国を出る前に見つかったら、監獄送り。中国に逃れても、中国の憲兵に見つかったら北朝鮮に強制送還。そーなったら、これまた監獄送り。または処刑。これだけのリスクを顧みずに、亡命をしようと決断した彼らは勇気があるし、自分が同じ境遇に在った場合、いくら生活が苦しかろうとも、そこまで踏ん切りがつけられるかを考えると(おそらく、出来ないだろうね)、亡命を企画・立案・実行した彼らにはもっと敬意を払ってもいいと思うのです。
ところが、日本のバカ・マスコミは、大それた行為である亡命を企画・立案・実行した大人4人ではなく、亡命の意味すら分っていないオマケのほうに着目しちゃったんだよなぁ...。カワイイからって...。私は、彼らのことは「キム・グァンチョルさん一族」と呼ぶべきだと思います。「ハンミちゃん一家」...って、(何度も言うけど)ハンミちゃんひとりだけで亡命出来たのかよ! 真の勝利者たちを蔑ろにしてはイケナイ! とにかく「主役」を無視した扱いは許せませんね。
そんなにカワイイ子供を主役にしたいのなら、木村拓哉・工藤静香一家のこともこれからは「ココミちゃん一家」って呼んで下さい(笑)。
(2003.6.22)