ヒロくんのLIVE REPORT '97 PART 22 CAKE

 10月9日に名古屋クラブ・クアトロでキャストを観た後東京へ移動し、10月10日に渋谷クラブ・クアトロでダイナソーJR.を観た私はその足で大阪へ移動、翌10月11日には心斎橋クラブ・クアトロに来ていた...(←もう殆どびょ〜き)。この日はケークのライヴ〜!
 '96年10月リリースのケークの2ndアルバム『ファッション・ナゲット』は本国アメリカでは100万枚のセールスを記録する大ヒット・アルバムとなったが、ここ日本ではアメリカでの大ヒットを受ける形で今年2月、慌ててリリースされた。これから判るとおり、ケークの人気は日本ではまだまだこれからなので、寂しい客の入りだろうと思ってたら、意外に客が入ってる。といっても6割の入りだが...。7時10分、ケークのメンバーが登場。ステージ上に並んだ5人を見て、私の隣にいた客が関西弁で一言ポツリ...「なんや、オッサンやないか」。ギターのグレッグ・ブラウンだけは小柄で童顔のため20代でも通用するが、ロス・デル・リオのメンバーにすぐにでもなれそうなベースのヴィクター・ダミアーニを始めとして、残り4人は30代か40代のオッサン。だけど敢えて私はこう言いたい! ケークはオッサンだからいいんだよ!!! 私にとってケークの音楽の魅力とは『歳を取ることの寂しさがにじみ出て、哀愁が漂うけどもそれでいてコミカルな音造り』なのだから。
 1曲目は今年ようやく日本でもリリースされた1stアルバム『モーターケイド・オブ・ジェネロシティ』からの“Is This Love?”。2曲目は2ndアルバム『ファッション・ナゲット』から“Friend Is A Four Letter Word”。1stからの“Ruby Sees All”(邦題は“ルビーが見ていた”)の後、ヴォーカル兼アコースティック・ギターのジョン・マックレアが奏で始めたフレーズ...ヒットした2ndアルバムのオープニング曲、その名も“Frank Sinatra”のイントロに観客は大いに沸き、私の後ろにいた客などはジョン・マックレアの歌に合わせて一緒に歌っていた。ヴィンセント・ディフィオーレがトランペット・ソロをキメるとまた観客から歓声が沸いた。続く“Stickshifts And Safetybelts”には♪Well, a lot of good car is Japanese ~ (良い車といえば日本車)という歌詞があり、その部分が歌われると観客からウォ〜ッと歓声が上がった。次の曲は山高帽とヒゲがトレード・マークのジョン・マックレアの次のMCで始まった。「この会場にいるみんなが生まれる前にヒットした曲だ」ナット・キング・コールが歌ったスタンダード・ナンバー“Perhaps Perhaps Perhaps”(邦題は“キサス・キサス・キサス”)。ここでもヴィンスのトランペットがいい味出していた。ケークの音楽のユニークさ...哀愁が漂うけれどもコミカル...のかなりの部分はヴィンスのトランペットが負っている。あと、ベースのヴィクター以外の3人...ギターのグレッグ、トランペットのヴィンス、そしてドラムのトッド・ローパー...が付けるバック・コーラスもいい味出していた。
 “Mr. Mastodon Farm”ではジョン・マックレアから観客にバック・コーラスを取るように要求があり、2分ぐらいはかかっただろうか、ようやく望み通りの声量になるとジョン・マックレアは御礼を言った。「thank you for beautiful background chorus!」 このように、ジョン・マックレアは殆ど曲ごとに英語でMCして観客とコミュニケイションを取っていて、毎回ハナシは1分以上に及んでた。だけど日本での人気よりアメリカでの人気が先行しているバンドのライヴには多くのアメリカ人が押し寄せるものだから、どうしても日本人の観客とよりもアメリカ人との会話が先に立ってしまい、9割の日本人を蚊帳の外に置き、1割のアメリカ人の客とのみ会話をしがちになった。例えば、“Daria”の後、ジョン・マックレアが観客に英語でクイズを出したのだが、「日本に来る前、僕たちはどこで演奏していたでしょうか?」というクイズに対し、答えの『Miami』を当てたのはアメリカのかた。これじゃ日本のファンが可愛想と思ったのだろう、ジョン・マックレアは「for Japanese~!」と言って日本のファン向けのクイズを出した。それは「Osaka Tower が建った年は?」というものだった。「Osaka Towerって通天閣のことか?」と思ったが、トランペッターのヴィンスに注意され「Osaka Castle が建った年は?」と言い直したジョン・マックレア。富山県人の私には大阪城の築城年は判らないが、会場の関西の人たちは判るだろう...と思っていたら、誰も答えない...。結局答えを当て、御褒美にステージに上げて貰えたのはアメリカ人女性2人だった。日本の人たちに当てさせたければOsaka Castle と言わずにOsaka Domeと言えば良かったのに(笑)。この後、グロリア・ゲイナーの'79年のヒット曲のカヴァー“I Will Survive”(邦題は“恋のサヴァイヴァル”)と“The Distance”を披露し、ケークの5人はステージを去った。が、「もう、終わりかいな? ちょっと早過ぎやで!!!」と周りの客が騒ぐ。それも道理、1時間しか演ってない!!! 不満が残った観客はアンコール要求の手拍子でケークのオッサンたち5人を呼び戻した。
 ステージに戻ったジョン・マックレアにアメリカ人女性が「sad songs, please ~ !」と声をかけたのに、ジョン・マックレアが紹介した曲は“Jolene”。件の女性が「この曲のどこが悲しい曲なのよ!!!」と噛みつくと、ジョン・マックレアが「この曲は既に終わった悲しい恋の歌なのさ」と答えたので、アメリカ人たちは「きゃはははは〜」と笑っていた。 曲が終わりケークの5人がステージを去ると、場内にはショウの終了を告げる『客出し』の音楽が鳴った。だけど関西の客のパワーはモノ凄く、『客出し』の音楽が鳴ったにもかかわらずケークの5人を再び呼び戻すのに成功!!! 2度目のアンコールでは、まず“Haze Of Love”をプレイ。続いてジョン・マックレアが「1stアルバムと2ndアルバム、どちらの曲を聴きたい?」と観客に多数決を採った結果選ばれた2ndアルバムから“It's Coming Down”を演って、今度こそホントにライヴは終わった。
 雰囲気的にはいいライヴだったが、こちらの英語の理解力が低いためせっかくのジョン・マックレアのトークが楽しめなかったのは残念だった。もっと英語を勉強せねば...。そして、大阪城の築城年ぐらいは覚えとかなければと思いました。

【SET LIST】...'97.10.11 心斎橋クラブ・クアトロ
1. Is This Love?
2. Friend Is A Four Letter Word
3. Ruby Sees All
4. Frank Sinatra
5. Stickshifts And Safetybelts
6. Perhaps, Perhaps, Perhaps
7. Nugget
8. ( ? )
9. Mr. Mastodon Farm
10. Daria
11. I Will Survive
12. The Distance

(encore 1)
1. Jolene

(encore 2)
1. Haze Of Love
2. It's Coming Down

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