『歴史的イヴェント』との呼び声が高かった今回のオアシスの武道館
3 days
。私が観たのは最終日の2月20日。勿論S席を狙ってチケットを取りにいったんだが、A席しか取れなかったんだなァ、これが
! 正八角形の形した武道館はいつも北側にステージがあり、今回の私の席の北東側の2階席からだと(極端な言い方すれば)真上から見下ろすような角度になる。あと、私の場所からはドラムの位置が殆ど見えなかった。トホホホ...。
6時30分から、前座のオーストラリアのバンド、ユー・アム・アイが登場し、9曲ほど演奏。「オマエら、オーストラリアじゃなくて、オーストリアのバンドじゃねーの?」と思うほど「danke
!」とか「eins, zwei, drei
!」とかドイツ語のMCが多かった(笑)。30分ほどのセット・チェンジを挟んだ後の7時28分、灯りが消え、場内にシン・リジーの“The
Boys Are Back In
Town”(邦題は“ヤツらは街へ”)が流れた。曲が終わり、ステージの灯りが点くと、ステージ上には...いるいるギグジーに、ハゲ頭のボーンヘッド、ウグイス色のシャツに白のズボン姿のリアム、そして白のTシャツを着たノエル兄貴。私の席からは見えないところに居たドラムのホワイティーを含めたオアシスのメンバー5人に、サポート・メンバー2人を含めた総勢7名の布陣。オープニング曲は新作のタイトル・チューン“Be
Here
Now”。いきなり観客大合唱。リアムは歌う時は例によって、両手を腰の後ろに回しマイク・スタンドに向かって直立不動の『応援団ポーズ』。歌わない時はタンバリンを振りながらステージをプラプラ歩き廻ってた。曲が終わるとノエル兄貴が曲紹介した。「“Stand
By
Me”!!!」 大歓声に沸く会場はまたまたリアムの歌に合わせ大合唱。次は「俺は俺自身でいなきゃならない 他の誰かにはなれやしないんだから」というあまりに有名な歌い出しで始まるデビュー曲“Supersonic”、その次は“Roll
With
It”...というふうにヒット曲の連発。場内歌いまくり。会場で拾った噂によると、1日目と2日目は観客の反応が鈍く、リアムは鬼のような形相になり「もう日本には来ねェ!」とか「オマエら、頭からコカイン振りかけてやろうか?
え?」とブチ切れてたそうだが(笑)、この日の観客の反応には満足いったようで機嫌がよく、ヴィデオ・シューティングしてるカメラに暇を見てはチョッカイ出していた。“Roll
With It”の後、ノエルの奏で始めたフレーズは“Wonderwall”と“D'You
Know What I
Mean?”のどちらとも取れるようなモノで、リアムが歌を乗せた途端、曲は“D'You
Know What I
Mean?”になった(笑)。次の曲でノエルが刻み始めたギター・リフは、Tレックスの“Get
It On”...じゃなくて、“Cigarettes &
Alcohol”(笑)。曲のエンディングでZEPの“Whole Lotta
Love”(邦題は“胸いっぱいの愛”)のギター・リフをお遊び的にプレイし、観客から声援を引き出したノエル。こういうお遊びもライヴならでは。
ステージから一度メンバーが姿を消し、ステージ中央には椅子とアコースティック・ギターが用意された。ノエル兄貴によるアコースティック・セットの始まりだ。まず新作から“Don't
Go
Away”を椅子に座って弾き語りしたノエル。CDではリアムがヴォーカルを取ってるが、ノエルによるヴォーカルもいい。次はビートルズの“Help
!”。この後サポート・メンバーの2人がキーボードとパーカッションで加わり“Fade
In-Out”を演奏し出したが、ノエルが歌い始めたのは“Fade
In-Out”ではなく“Setting
Sun”!!! ノエル兄貴が作詞・作曲とリード・ヴォーカルでゲスト参加しているケミカル・ブラザーズのこの曲をまさか演ってくれるとは...。原曲はケミ・ブラの2人による過激なエレクトロニクス導入によっていじられているが、こうしてアコースティック・セットで改めて聴くと、また違った魅力があることに気付く。この後そのまま“Fade
In-Out”になだれ込み、ノエル兄貴のアコースティック・セットは4曲披露して幕を閉じた。
ボーンヘッド、ギグジー、ホワイティーがステージに戻って来て、ノエルもギターをエレキに持ち替えて披露したのが“Don't
Look Back In
Anger”。この曲もノエル兄貴がリード・ヴォーカルを取る曲。次にリアムが久々にステージに戻って来て“Wonderwall”、そして“Live
Forever”とヒット曲を連発。勿論、観客は大合唱になった。が、“Roll
With It”のCDシングルで聴けるグラストンベリー・フェスでの“Live
Forever”観客大合唱の再現を期待してたのに、みんなキーが低過ぎ!!! これにはちょっと不満が残った。この後“Champagne
Supernova”を披露。曲のエンディングで長々とギター・ソロをプレイしたノエルの姿を見て、私はジョン・スクワイア(ザ・シーホーセズ)を思い出した(笑)。ノエル兄貴のジョン・スクワイアばりのギタープレイでもってライヴは一度幕を閉じた。
観客のアンコール要求の手拍子に応え、ステージに戻って来た5人、アンコールの定番“Acquiesce”をプレイ。この曲はリアムとノエルがヴォーカルを分け合うのだが、ノエルのほうが声量があって目立ってた。曲が終わると、5人はステージを去り、再度のアンコールを求める観客の必死の手拍子も虚し...ライヴ終了を示す客電が灯いてしまった...。
全部で15曲演ったうち、カヴァー曲などが2曲あるためオアシスのオリジナル曲はたった13曲!!! あまりの呆気ない幕切れに“Digsy's
Diner”に“Morning Glory”、そして“All Around The
World”を何で演らないんだよ!?と、終演直後には怒りを覚えた(笑)。
ライヴの感想を言うと「ノエル兄貴、カッコよ過ぎ」...自らのアコースティック・タイムを持ったりと異様に目立ってたが、極めつけは“Don't
Look Back In Anger”のラスト♪but don't look back in anger, don't
look back in anger, I heard you say...it's not
today...を唄い終わった時のノエルはシビれるくらいにカッコよかった。オアシスというとリアムの声が看板...と一般に認知されているのに、ライヴでは完全に兄貴に喰われてしまい、可愛想なくらい影が薄かったリアム。前回の来日の際、某雑誌にファンから「能ある鷹(兄貴)は爪を隠せよ!!!」なるライヴの感想が寄せられてたが、今の私も同じ気持ちです(笑)。
【SET LIST】...'98.2.20 日本武道館
1. Be Here Now
2. Stand By Me
3. Supersonic
4. Roll With It
5. D'You Know What I Mean ?
6. Cigarettes & Alcohol
7. Don't Go Away
8. Help ! (ビートルズのカヴァー)
9. Setting Sun (ノエルがケミカル・ブラザーズに提供した曲)
10. Fade In-Out
11. Don't Look Back In Anger
12. Wonderwall
13. Live Forever
14. Champagne Supernova
(encore)
1. Acquiesce