カーディガンズのアルバムを手掛けてることで有名なトーレ・ヨハンソンがプロデュースした2ndアルバム『Heaven's
Kitchen』と新作『evil and
flowers』...これら2枚のアルバムで一部洋楽ファンをも巻き込んで人気が盛り上がりつつある『ピンクの髪をした歌姫』Bonnie
Pink(以下“ボニピン”)が、その人気の盛り上がりを裏付けるかが如く、初のホール規模のツアーに出るというので、7月26日、渋谷公会堂でのコンサートを観て来た。
『tour
goldfish』と銘打たれた今回のツアーはボニピンのエレピ弾き語りの“ Evil
And Flowers”で始まり、新作『evil and
flowers』からの曲を中心に、時たま2nd『Heaven's
Kitchen』からの曲を織り混ぜながら進んでいった。
トーレ・ヨハンソンのオタッキーなプロデュースを再現するため、(曲に応じて出入りはあったものの)バック・メンバーが9人も居た。同じトーレ・ヨハンソン門下生ということでどうしてもボニピンとニーナ(カーディガンズ)を比較してしまうが、ボニピンはニーナと違い、声量は多過ぎるくらい。ただしこれは地声で歌う場合で、ファルセットになると声量が極端に落ちた。地声を10とすると、ファルセットは3か4といった感じ。“Masquerade”のような表と裏をいったりきたりする曲ではそれが異様に目立ってた。ここらに改善の余地がありそうだ。
エレピの弾き語りを聴かせた“Quiet
Life”、ギター1本バックに披露したビートルズのカヴァー“Blackbird
”、「ギター歴1年」と自ら言うアコギで弾き語りをした“Fallen
Sun”、朝鮮の民族衣装みたいな白い装束を着て唄った“金魚”、場内「oh,
yeah!」と盛り上がった“Forget Me
Not”...と見せ場が多かったものの、“Surprise!”のようなストレートなロック・ナンバーのほうが彼女の上手な歌を堪能できた気がした。もっともこれは今のボニピン人気を築いたトーレ・ヨハンソン・プロデュース路線、ひいてはボニピンの魅力じたいを否定することにもつながりかねないので危険な意見ではあるけどネ...。
【SET LIST】...'98.7.26 渋谷公会堂
1. Evil And Flowers (piano version)
2. Your Butterfly
3. Hickey Hickey
4. It's gonna rain!
5. Silence
6. Masquerade
7. Quiet Life
8. Eve's Apple
9. He
10. Blackbird (ビートルズのカヴァー)
11. Fallen Sun
12. 金魚
13. Lie Lie Lie
14. Surprise!
15. Only For Him
16. Forget Me Not
(encore 1)
1. Heaven's Kitchen
2. 犬と月 (新曲)
(encore 2)
1. Do you crash?