黄金期のメンバーであるブルース・ディッキンソンとエイドリアン・スミスの2人が復帰し、ギタリストが3人居る6人編成になった新生アイアン・メイデンの日本での御披露目となるジャパン・ツアーの最終日、10月29日のZEPP
TOKYO での再追加公演を見て来た。
私がアイアン・メイデンの音を実際に聴いたのは遅くて、'88年のアルバム『第7の予言』から。大学生になって欲しいCDが買える金銭的余裕が出来て初めて、彼らの音に接することが出来たワケ。高校時代まではメタルのアルバムまでにはお金が廻らなかったから、ブルース・ディッキンソンのことを「サルだ! ゴリラだ! 類人猿だ!」とギャグの対象にしたりしてるだけで(笑)、メイデンは『近くて遠い存在』だった(笑)。ブルース・ディッキンソンがバンドを辞めた後、後任ヴォーカルとして入ったブレイズ・ベイリーはメタル界じゃ、著しくバンドの格を下げた『A級戦犯』扱いされてたけど、私はアレはあれで面白かったと思ってるんだけど(笑)。何はともあれ、ブレイズ・ベイリーは切られ、バンドにブルース・ディッキンソンが復帰。メタル界は「再び天下を獲った」ような騒ぎ(笑)。私もこの騒ぎにつられてライヴに足運んだんだけど、メタル界の盛り上がりぶりはホント異様で、チケット確保するのにひと苦労。10/28の名古屋公演のチケットも、10/21の東京追加公演のチケットも取れず、ようやくの思いで確保したのがこの10/29の東京再追加公演のチケット。それも、2階の立見席...という末席だったんだから(笑)、如何に今回のメイデンのジャパン・ツアーが事前から盛り上がってたか良く解る(笑)。
会場には熱心なメイデン・ファンが多数つめかけていて、開演前からバレーボールやサッカーの日本代表の応援の時の「ニッポン!
チャチャチャ」じゃなくて「メイデン!
チャチャチャ」が起こるなど、一種異様な雰囲気。5時の開演時間を廻ってしばらくすると荘厳なSEが流れ、それまでステージのセットを覆い隠してた黒幕が取り払われた。メイデンの6人がステージに登場。演奏されたギター・リフは新作『ブレイヴ・ニュー・ワールド』のアタマを飾る“The
Wicker Man”だ。サビの♪your time will
come〜の部分で観客が大合唱になるなど、ファンは最初から盛り上がる。ステージ向かって左側にデイヴ・マーレイとエイドリアン・スミスの2名のギタリストが居て、向かって右側にギターのヤニック・ガーズと、サッカーのユニフォームの上下姿のスティーヴ・ハリスがベースを弾いてた。勿論、演奏中かなりみんなあちこち動き廻っていたが、これが基本的位置取りだ。
2曲目も新作からの“Ghost Of The
Navigator”。ステージには新作ジャケットの絵柄の『雲エディー』のバック・ドロップが架かけられ、同じ『雲エディー』が描かれた大きな台が、ニコ・マクブレインのドラムセットを挟むように2つ用意されている。その台の上を登ったり降りたりしながらブルースは熱唱。さらに新作のタイトル曲“Brave
New
World”を披露すると一旦、新作からの曲は『お休み』。新作のバック・ドロップも外され、メイデン・クラッシックの登場。まずは“Wrathchild”。ブルースと観客の掛け合いがライヴ盤『モンスターズ・オブ・ロック1992』そのまんま(笑)。次に“2
Minutes To
Midnight”(邦題は“悪魔の最終兵器(絶滅2分前)”)をプレイすると、しばらく間があいた。ここでファンは「オレ〜オレオレオレ〜メイデン〜メイデン〜」とサッカー・スタジアムの声援状態(笑)。このファンの声援に対しブルースは多分、こう言った。「次の曲は君たちファンと俺たちとの絆についての曲だ。“Blood
Brothers”」。こうして披露された“Blood
Brothers”が終わると、場内にSEが流れ、十字架の絵のバック・ドロップが架けられた。“Sign
Of The Cross”だ。曲が終わるとバック・ドロップは外れ、新作からの“The
Mercenary”がプレイされた。ユニオン・ジャックを手に戦うエディーの絵のバック・ドロップが架けられて披露された“The
Trooper”(邦題は“明日なき戦い”)では、台に登ったブルースがユニオン・ジャックを実際手にし、はためかせて見せた。『戦場エディー』のバック・ドロップも1曲限りで退き、新作から“Dream
Of Mirrors”が登場。
観客の反応も熱かったが、会場の気温も暑かった...(笑)。「ブルース・ディッキンソンは自分のノドを乾燥から守るため会場の空調を切らせる」と話に聞いてたけど、ホントだったみたいね(苦笑)。みんな汗ダラダラ流しながらライヴを観てた。私は『非メタル』のアーティストのTシャツ着てたもんだから、いくら暑くても上着脱げなかった(苦笑)。メイデン・ファンに「メタル・ファンじゃない奴が居る」って、廻りをとり囲まれたくなかったからね(笑)。でも、“The
Clansman”あたりから空調がかかり始め、幾分涼しさも感じられるようになった。ちゃんとブルースの許可取って冷房入れたんだろうか?(笑)
“The Evil That Men
Do”は私がメイデン聴き始めた『第7の予言』からの曲で思い入れもあり、プレイされてとても感激〜!!! さらに今やメイデン・クラシックの風格漂う“Fear
Of The Dark”に続いて、ブルースが「“Iron Maiden”〜!」と叫ぶ。“Iron
Maiden”(邦題は“鋼鉄の処女”)が披露されると、メイデンの6人はファンに手を振り、ニコはドラム・スティックとドラム・ヘッドを客席に投げ入れ、ステージを去った。
勿論、ファンがこのままでライヴ終了を許すワケなく、熱心なメイデン・コールを続けると、場内に“The
Number Of The
Beast”(邦題は“魔力の刻印”)のイントロが流れる。ステージに6人が姿を現し、演奏を始める。♪666〜the
number of the
beast〜のサビの部分では場内大合唱〜! さらに厳かなイントロで始まる“Hallowed
By Thy
Name”(邦題は“審判の日”)を披露すると、ブルースが叫ぶ「“Sanctuary”〜!!!」。“Sanctuary”(邦題は“聖地へ”)で最後に大いに盛り上がると、ブルースは着ていたチョッキとTシャツを脱ぎ捨て、胸毛と腹毛を誇示(というワケじゃないけど...笑)。ニコはまたしてもドラム・スティックとドラム・ヘッド、さらにはリスト・バンドも外して観客に投げ入れていた。こうして、最初から最後までメイデン・ファンが盛り上がり続けたライヴは終了〜!!! いやはや、「メイデンも聴く」人間には『濃すぎ』た世界でした(笑)。
【SET LIST】...'00.10.29 ZEPP
TOKYO
1. The Wicker Man
2. Ghost Of The Navigator
3. Brave New World
4. Wrathchild
5. 2 Minutes To Midnight
6. Blood Brothers
7. Sign Of The Cross
8. The Mercenary
9. The Trooper
10. Dream Of Mirrors
11. The Clansman
12. The Evil That Men Do
13. Fear Of The Dark
14. Iron Maiden
(encore)
1. The Number Of The Beast
2. Hallowed By Thy Name
3. Sanctuary