ヒロくんのLIVE REPORT '00 PART 21 LOVE PSYCHEDELICO

 英語で歌ってんのか、日本語で歌ってんのか、パッと聴いたところじゃ解らない女性ヴォーカルで話題になり始め、リリースしたばかりの3枚目のマキシ・シングル“Last Smile”がオリコンの11位にランクされるなど、今ではすっかりJポップ・シーンで話題沸騰の男女2人組・LOVE PSYCHEDELICO(以下、L.P.)が、初めてツアーに出るというので、11月15日、名古屋クラブ・クアトロへ足を運んだ。
 今や人気爆発秒読み段階のL.P.なだけに、会場はほぼフルハウス状態。20代中心で男女比は1:1の客層。何故か場違いな40〜50代のひとの姿も見受けられた(ギョーカイ人?)。
 ライヴが始まる前に私が予想したことがあって、「オープニング曲は“ LADY MADONNA〜憂鬱なるスパイダー”で、本編最後に“Your Song”だろう」っていうもの。ライヴの構成を考えるとこれが妥当と考えたんだけど、実際はというと...(苦笑)。
 開演時間を10分くらい廻ったころ、客電が落ちて、ステージにL.P.のKUMIさんと佐藤直樹さん、そして、サポート・メンバー3人...ベースとドラムとキーボード...が登場。KUMIさんは紫色のタンクトップにジーンズ姿で、登場するなりすぐにギターを構えた!!! エェ〜ッ!!! KUMIさんもギター弾くの?  ちょっと意外な感じであっけにとられてるうちに(笑)、トレード・マークのサングラスかけた直樹さんもギターを構え、他の3人も所定の位置について演奏始まったオープニング・ナンバーは、2ndシングル曲の“Your Song”!!! いきなり“Your Song”演っちゃうの? 個人的にはちょっと勿体無い気がしたけど、ライヴのつかみとしては最適で、観客は盛り上がってた。曲が終わると、KUMIさん、「thank you〜、thank you〜」と達者な発音(笑)でお礼を言うと「次の曲はね、よくみんなでsessionで演ってる曲。Bob Dylan の “Like A Rolling Stone”」と曲紹介してボブ・ディランのカヴァー曲を演った。続いて1stマキシ収録の“FLY”をプレイすると、KUMIさん、「thank you〜、thank you〜(←これが口癖...笑) 今日はね、アルバムに入る曲もね、入らない曲もね、出来たばかりの新曲もね、たくさん演るから。(ここで観客、歓声) じゃあ、そのなかから2曲!」とMC。2曲新曲を演ると、KUMIさん、「みんなも気楽に踊っててね〜」とか何とか言って、“2人だけのGroove”をプレイ。KUMIさんのヴォーカルはCDそのまんま(笑)。英語っぽい発音の日本語で歌う。さらにMCも英語っぽい発音の日本語(笑)。声量も充分だ。
 “2人だけのGroove”が終わると、KUMIさんがぶっきらぼうに「“裸の王様”!」と曲の紹介して、次の曲の演奏が始まった。この曲を歌い終わるとKUMIさん、直樹さんのほうを見ながら「この“裸の王様”って曲はね、Naokiが大学時代に作った曲なの」とMC。これにちょっと照れたような素振りをみせた直樹さんにファンが沸いたところで、KUMIさん、「新しいmaxi-singleの曲、“Last Smile”」と曲紹介。只今大ヒット中の“Last Smile” が終わると、新曲を挟んで最新マキシ・シングル収録の“Moonly”。ここでKUMIさんがアコースティック・ギターを構えたので、「おっ、“Wasting”か???」と思ったら、“Wasting”ふうのイントロで始まる新曲だった(笑)。この新曲の演奏が終わると、ギターを脇に置いたKUMIさんが両手を掲げて、観客に手拍子をうながす。“LOW”だ。みんなKUMIさんにうながされるままに、手拍子してた。
 「あと2曲です」というKUMIさんのMCに観客が「エェ〜ッ!!!」って半ばお約束の反応をみせた後、まずはZEPを思わせる新曲がプレイされ、そのままなだれ込んだのがL.P.のデビュー曲になる“LADY MADONNA〜憂鬱なスパイダー”。この曲、ライヴではエッヂの効いたハード・ドライヴィンな演奏で披露された。CDじゃあ想像もつかないほどロックしてた(笑)。曲の終わりのほうでは、簡単にバンド・メンバーの紹介をしたKUMIさん、最後には、ギター構えたまま大きく2回ジャンプ! 「thank you〜、thank you〜」とKUMIさんがファンにお礼を言い、一度5人はステージを去った。「オープニング曲は“ LADY MADONNA〜憂鬱なスパイダー”で、本編最後に“Your Song”」っていう私の予想に反し、実際はオープニングが“Your Song”で、本編ラストが“ LADY MADONNA〜憂鬱なスパイダー”だったワケだけど、イイ線突いてたじゃない?(笑)
 観客のアンコール要求の手拍子に応えて、L.P.の2人+サポート・メンバー3人がステージに戻って来た。L.P.の2人はライヴ会場前で売られてたTシャツに着替えてきて、さりげなくマーチャンダイズをアピール。ただし、「会場前で売ってるから、みんな買ってェ」とは言わなかったケド(笑)。サポートの3人はそのまんまのカッコウだった。KUMIさんが改めてメンバーをひとりひとり紹介してから始まったアンコール1曲目は、直樹さんのギター1本の演奏にKUMIさんが歌を乗せる『往年の4畳半フォーク調』の曲“Wasting”。本編最後のほうに演奏されたZEP調の新曲といい、この4畳半フォークといい、デビュー当時は'60年代にコダワリあるかのように捉えられていたL.P.だけど、どうもここ最近は'70年代にコダワリがあるみたい(笑)。他のメンバーはほとんど演奏に関与しなかった(笑)“Wasting”が終わると、KUMIさんが次の曲紹介した。「“Nostalgic Rock”〜!!!」 “ノスタルジック '69”が最後の最後まで残してあったワケだ(笑)。L.P.の曲のなかでもノリの良い曲“ノスタルジック '69”の演奏が終わりにかかるころ、KUMIさん、直樹さんと肩を組んで、2人揃って左足あげて、右足あげて...と、じゃれ合っていた(笑)。曲が終わるとKUMIさん、例によって「thank you〜、thank you〜」とファンにお礼を言って、5人横一列に並んで肩組んでファンにペコリとおじぎしていった。こうして、この日のライヴは終わったんだけど、意外なほどロックしてたライヴ。L.P.が今まで出した音源はキーボード以外はすべてKUMIさんと直樹さんの2人での演奏...とクレジットされてるから、CDではリズム・ボックスでも使ってるんだろうけど、ライヴでは生ドラムが入った影響からか、見違えるほどロックしてた。特に“LADY MADONNA〜憂鬱なるスパイダー”の化けかたは凄かった!!! この日のライヴでもプレイされた新曲もZEP風だったし...。年明け早々にリリースされる1stアルバム、その名も『THE GREATEST HITS』(!...笑)は、ガチガチのロック・アルバム??? そんな期待を抱かせるナマナマしいライヴでした。

【SET LIST】...'00.11.15 名古屋クラブ・クアトロ
1. Your Song
2. Like A Rolling Stone (ボブ・ディランのカヴァー)
3. FLY
4. Free World (新曲)
5. (?...新曲)
6. 2人だけのGroove
7. 裸の王様 (?...未発表曲)
8. Last Smile
9. I mean love me (新曲)
10. Moonly
11. (?...新曲)
12. LOW
13. "O" (?...新曲)
14. LADY MADONNA〜憂鬱なるスパイダー

(encore)
1. Wasting
2. ノスタルジック '69

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