ヒロくんのLIVE REPORT '01 PART 23BELLE AND SEBASTIAN

. 待望の初来日公演! 今回のベル・アンド・セバスチャン(以下、ベルセバ)の来日公演ほど多くのファンから待たれた外タレのコンサートは無いんじゃないだろうか? ということで、その『待望の初来日公演!』を11月12日、ZEPP OSAKAで観て来ました〜♪
 ZEPP OSAKAの2階指定席の最前列A-2が私の席。1階フロアを見下ろすと多くのファンで埋まっており、ステージにはたくさんの楽器や機材が所狭しと並べられている。19:12、会場の客電が消え、ステージに現れたベルセバは13名の大所帯。白いシャツ着たスチュワート・マードックが「コンバンワ!」と日本語で挨拶しギターを構える。1曲目は“Le Pastie De La Bourgeoisie”(邦題は“蒼ざめたブルジョワジー”。以下、(“”)内は邦題)。ベルセバのメンバー8人の他、ヴァイオリストが4人、フルートやピアノを担当する女性1人居て、計13名。BECKの『大名行列』やブライアン・アダムスの『ファッション・ショウ』など、これまで意味無くステージに人間が居るライヴみたことあるけど、ロック・コンサートの演奏要員でこれだけ大所帯なのは初めてだ(笑)。曲が終わるとギターを手放し、次の“There's Too Much Love”(“トゥー・マッチ・ラヴ”)では歌と踊りに専念してたスチュワート、よほどゴキゲンなのかコード持ってマイクをブンブン振り廻す(笑)。古代ギリシアの哲人みたいな風貌だから勝手に気難しそうな人物を想像してたけど「スミマセン!」など、時折日本語を交えながらお喋りするスチュワート、意外に剽軽なひとのようです(笑)。この大所帯でCDで聴ける音楽を完璧に再現。スチュワートのギター弾き語りで始まった“I Fought In A War”(“兵士からの手紙”)ではライヴならではの良い意味でのルーズさもあって良かった。1st『タイガーミルク』から“My Wandering Day Are Over”(“彷徨える日々の終焉”)という選曲は意外に感じたけど、歌詞に♪Japanese restaurant〜ってあるから、日本のファンへのサーヴィスかな?(笑)。スチュワートが散々スティーヴィー・ジャクソンをからかった?後、そのスティーヴィーがリード・ヴォーカルをとる“Jonathan David”。曲と曲の間に挟むMC...というか在日外国人たちとの英語でのやりとりが主なんだけど、すべて英語で、フツウの日本人には聴き取り不能ッス。大勢を占める日本人を置き去りにして、少数の外国人だけを相手にしたやりとりが続いてくという点において、アーニー・ディフランコのライヴと同じような雰囲気。地元・英国のパブでは彼らは酔っぱらい相手に毎回こんなような会話だらけのライヴやってるんだろうな...と再認識(笑)。耳馴染みな“The Model”(“THE MODEL─僕たちの後悔─”)や“Don't Leave The Light On Baby”、耳馴染みでない(笑)インストゥルメンタル曲などを披露しながら、ライヴは進んでいく。ロック・コンサートなのに此処2階席では立ち上がる者は居ない。こんなのも初めてだ(笑)。会場につめかける外国人たち、スチュワートがいちいち相手にしてあげるものだからどんどん図に乗って「“Get Me Away From Here, I'm Dying”演れ!!!」というふうに曲名挙げて要求し出す。だけど、スチュワートはそんな要求を取り合わず、“Simple Things”(“簡単な事柄”)を演ってたケド(笑)。
 スチュワートがピアノに就いたところで“The Boy With The Arab Strap”。会場のファンからは自発的に手拍子が起こる。この日一番美しかった光景。間奏ではちゃんと女性フルート/ピアノ奏者がたて笛吹いてCDどおりに再現してくれたし(笑)。次もスチュワートのピアノで“The Fox In The Snow”。続いては...待ってました! チェリストのイザベルがリード・ヴォーカル取る“Family Tree”(“ファミリー・トゥリー(家族という名の檻)”)。私の大好きな曲だけど、イザベルのヴォーカルは...(笑)。おまけに♪パッパラ〜パッパラ〜と歌うところで咳き込んで歌に詰まるし(笑)。コーラス付けたサラ・マーティンのほうが歌上手いッスよ(笑)。完全主義で貫かれたこの日の演奏で空気が緩んだひととき(笑)。ちなみに水色のワンピース姿のイザベルは意外に立派な体格(笑)。太〜(笑)。
 “The State I Am In”(“僕はこんなさ”)が終わると、スチュワートはファンに向けて「アリガト!」と日本語で御礼を言う。次に披露された“Me And The Major”(“僕と少佐の関係”)ではギターを手放して、ハーモニカを吹きまくり観客の歓声を集めてたスティーヴィー。彼がハーモニカを吹く姿を見て「ベルセバのメンバーになるためには2パートこなせることが最低条件なんだな」と思った(笑)。あ、でも、リチャード・コルバーンはドラムだけか(笑)。ハーモニカで観客の歓声を集めたスティーヴィー、次の“The Wrong Girl”(“あやまちの彼女”)ではヴォーカルで魅せる(笑)。横でスチュワートがハーモニーを加えていった。私が大好き☆な“Dirty Dream Number Two”が出たところで、スティーヴィーがサポート・メンバー5人の紹介をする。そして、先ほどからの日本人無視の「英国パブ酔っぱらい相手状態」を気に病んでたんだろう、「sorry, I can't speak Japanese...」というセリフが出た。だけど、私はこのセリフ、スティーヴィーの口からじゃなく、スチュワートの口から聞きたかったゾ!(笑) サポート・メンバーの紹介も終わり、演奏メンバーが意味ありげに横一列に並んだところで始まったのが“Legal Man”!!! インド的音階使ったこの曲、もしかしたら誰かシタール弾くんじゃあないかと思ってたけど、流石に完璧主義者のベルセバもシタールは用意してなかった(笑)。ベルセバのレパートリィで一番の『奇曲』“Legal Man”が終わると、ベルセバの面々は観客に御礼をいって、スチュワートはステージ前に居たファンから花束を受け取ってステージを去った。で、即、ローディーが出て来てセットの解体が始まった。ファンは熱心にアンコール求めて手拍子してたけど、アンコールは無し。“Legal Man”演る前に「今日最後の曲だ」って英語で言うと、会場から返ってきた「エエ〜ッ!!!」っていう反応に、「またすぐ会えるからさ」って英語で言ってたから、私はアンコールですぐ出てくるっていう意味に取ってたんだけど(苦笑)。じゃあ、言葉どおり、来年くらいまたすぐに来日してください(笑)。
 音楽的には、CDで聴けるベルセバの音楽を完璧に再現した『ベルセバ度100%』なライヴ(笑)。陽気なスチュワートなど、生のメンバーのふるまいも印象深かった(笑)。

【SET LIST】...'01.11.12 ZEPP OSAKA
1. Le Pastie De La Bourgeoisie
2. There's Too Much Love
3. The Magic Kind Of Word
4. I Fought In A War
5. My Wandering Day Are Over
6. Jonathan David
7. Black & White Unite
8. The Model
9. Don't Leave The Light On Baby
10. Leave Me In Osaka
11. Goin' Back
12. Simple Things
13. The Boy With The Arab Strap
14. The Fox In The Snow
15. Family Tree
16. The State I Am In
17. Me And The Major
18. The Wrong Girl
19. Dirty Dream Number Two
20. Legal Man

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