ヒロくんのLIVE REPORT '03 PART 20 LINKIN PARK

 デビュー・アルバム『ハイブリッド・セオリー』の大ヒットで一躍モダン・ヘヴィー・ロック界の大人気バンドになったリンキン・パーク(以下、リンキン)の、2ndアルバム『メテオラ』に伴うジャパン・ツアーを10月25日、日本武道館で観て来た。
 この日の私の席は、八角形の武道館の南東側の1階。4時開場で5時開演...という異様に早い開演時間。この日の公演では(他の日にも)日本のバンドのFugerがオープニング・アクトとして演奏。MCが居る今ふうのラップ・メタルを演ってる彼らは熱い演奏を聴かせてくれていたが、一部を除き観客の反応は冷たい...。「リンキンと同じステージに立てて光栄です」などとメンバーはMC入れてたけど、彼らの演奏聴いて、金沢のソレ系バンド、ナダレを思い出してしまった私(苦笑)。Fugerは30分ほど演奏してからステージを降りた。
 セット・チェンジが終わり、場内に流れていたBGMが変わったのは6時頃だろうか。ナイン・インチ・ネイルズの“Something I Can Never Have”(1st『プリティー・ヘイト・マシーン』収録)の(おそらく)リミックス・ヴァージョンが流れる。この無気味なサウンドに「オオーッ!!!」と観客が歓声上げて総立ち状態になるものの、ステージ上にはドライアイスによる冷気が漂ってモヤモヤしてるだけで、まだ誰も姿も見えない。ナイン・インチ・ネイルズの曲が流れ終わったところで、ステージ上のターンテーブルのところにジョナサン・ハーンが姿を現す。ハーンの姿を見つけたファンが歓声を上げる。ハーンがサンプラー(?)をいじると『メテオラ』のイントロの“Foreword”が始まる。いつの間にか、ステージ上には残りの5人も姿を見せ、それぞれの持ち場に就いてる。そのままアルバムどおりの流れで“Don't Stay”へ。“Don't Stay”のイントロ聴いただけで観客が大歓声上げる。何も無かったステージ奥の壁に、リンキン仕様のバックドロップがスルスル降りて来た。ステージ上では、ベースボールキャップ被ってジャージー姿のストリート・ファッションしたMCのマイク・シノダと、ヴォーカルのチェスター・ベニントンがステージ上に設置された4ヶ所のお立ち台上などあちこち動き廻りながら歌ってる。“Don't Stay”が終わると、マイク・シノダはギターを構え、“Somewhere I Belong”。熱心なファンたちの大合唱を呼んだこの曲が終わるとマイク・シノダはギターを下ろし、アルバムどおりの流れで“Lying From You”。ここまで『メテオラ』からアルバム曲順どおり3曲演ったところで、マイク・シノダが「どうもありがと」と日本語で挨拶。チェスターは英語で「thank you very much!」と御礼を言う。そこでマイク・シノダがまた日本語でひとこと。「たのしんでる?」(笑)。ここでファンに耳馴染みなイントロが流れる。誰もが何の曲か分かって歓声上げる。大ヒット・アルバム『ハイブリッド・セオリー』のアタマを飾る“Papercut”だ。ファンが大合唱で応えたこの曲の後も、“Points Of Authority”、“Runaway”と1stからの曲が続く。ステージ上では、マイク・シノダとチェスターばかりでなく、ギターのブラッド・デルソンとベースのフェニックスもあちこち動き廻ってファンを煽る。もっとも、マイク・シノダとチェスターはステージをハミ出し、スタンド席に居るファンにもっと近付けるようにステージ両端に設置される黒色の特設台に移動し、ファンを煽ってた(笑)。
 マイク・シノダがギターを構え、「アルバム『メテオラ』からの“Faint”」と曲紹介があって演奏始まった“Faint”は私の好きな曲。必ず演ると分かってても実際演奏されると嬉しいもの。続いて、“From The Inside”へ。この曲が終わると、ギターが御役御免になったマイク・シノダ、続く“Figure.09”が終わると、熱狂的な反応を続けるファンたちに「beautiful people!」と声をかけてペットボトルの水を観客に振り掛けた。1stからの“With You”では、曲中「この方がハーン先生だ」ってな感じでハーンを紹介。マイク・シノダから紹介受けたハーン先生、観客に向けて(何故か)ペットボトルを投げ入れた(笑)。“By Myself”を演ると、「リミックス・アルバムの『リアニメーション』を知ってるか?」ってな感じでファンに訊く。ここで披露されたのはリミックス・ヴァージョンの“Pushing Me Away”。この曲でもマイク・シノダはギターを演奏。この曲1曲でギターを下ろしたマイク・シノダの前にキーボードが持ち込まれる。「いっしょにうたおう!」と、マイク・シノダが日本語で観客に呼び掛け、キーボードで弾き始めたのは(このひと、なんでも弾けるのか!?...笑)“Numb”のイントロ。“Numb”だけでキーボードは引っ込み、ギターを構えるマイク・シノダ。このひと、ホントに忙しい(笑)。1stからの“Crawling”が終わると、ギターを下ろしてフリーになったマイク・シノダ、「last song」と言うと、ファンの間から「エ"エ"〜〜〜ッ!!!」とブーイング。ここで披露された本編最後の曲は“In The End”。この曲が終わると、リンキンの6人はステージ中央のドラム台の下あたりの出入口(こんなところから出入りしてたんです!)からステージを去った。
 ファンの熱心なアンコール要求の手拍子に応えてステージに戻って来たリンキン、アコースティック・セットで1曲演奏。ベースのフェニックスが手持ち無沙汰そうにしてた(苦笑)。ここで元のバンドセットに戻り、“A Place For My Head”。この曲が始まると、ステージ奥のバックドロップが切り替わる。曲中、マイク・シノダ&チェスターとファンの間で「go away!」と掛け合いしてた。この曲が終わると、堂々とカンニング・ペイパーを拡げたマイク・シノダ、日本語でこう言った(爆笑〜!!!)。「みにきてくれてどうもありがとう。またらいねんやってきます。つぎのきょくがさいごです。いっしょにうたおう!」 最後の曲は“One Step Closer”。マイク・シノダの呼び掛けに応じ、多くのファンが「いっしょにうた」う。この曲で最後に大いに盛り上がったところで、この日のライヴは終わったんだけど、リンキンの6人はしばらくステージに残り、「ペットボトル授与式」やったりして、ファンと触れ合う時間をもってから例のステージ中央の出入口へと姿を消した。
 リンキンが人気爆発したのもうなずける貫禄のライヴ・パフォーマンス。一番印象深かったのは...マイク・シノダがあのラッパーのトーンそのまんまに喋る日本語。しかも、大胆にカンニング・ペイパー拡げる大胆さです(笑)。

【SET LIST】...'03.10.25 日本武道館
. Foreword
1. Don't Stay
2. Somewhere I Belong
3. Lying From You
4. Papercut
5. Points Of Authority
6. Runaway
7. Faint
8. From The Inside
9. Figure.09
10. With You
11. By Myself
12. Pushing Me Away
13. Numb
14. Crawling
15. In The End

(encoore)
1. ?
2. A Place For My Head
3. One Step Closer

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