ヒロくんのLIVE REPORT '04 PART 2 一青 窈

 “もらい泣き”の大ブレイクで一躍人気アーティストの仲間入りを果たした一青 窈のLIVE TOUR 2004〜てとしゃん〜を、私の地元・富山のオーバードホールで観て来た。
 開演予定時間の7時を10分ほど過ぎたところで客電が落ち、ステージ上に人影が蠢く。ステージに灯りが点いて演奏が始まる。オープニング曲は、シングル“金魚すくい”収録の“今日わずらい”。ステージ中央に置かれた腰掛けに座りながら歌う一青 窈は、黄色のワンピース姿。足は、裸足。バック・バンドはステージ向かって左から、キーボード(男)、キーボード(女)、ベース、ドラム、ギター、パーカッション...の総勢6名。曲が終わると、立ち上がった一青 窈、ステージ上をひらひら動き廻りながら(おそらく新曲を)歌ってた。
 デビュー・アルバム『月心天』から“心変わり”を演ると、MCタイムへ。富山の観客に挨拶した後、「昨日から富山に来ていた」などと言い、中央通りの『Free Pocket』っていいよ...と紹介されて行ってみたら、休みだった...という話をし、富山の観客の笑いを誘った後、「せっかくだから富山についてイロイロ調べてきましたよ〜。(他の街についても調べたけど)一番ヒットしたんじゃないかな〜」と、足許に置いてあった紙を拾い上げ、「黒部ダム」や「日本一の暴れ川の常願寺川」など、『調べた成果』を披露する一青 窈。そして、富山で「無花粉スギ」の研究をしてることを、「素晴らしい〜! 私は花粉症なんで。是非とも無花粉スギを世に広めるお手伝いをしたいです」などと誉め称えていた(笑)。ちょっと長めのおしゃべりが終わったところで、新曲についての話題へ。次に演る曲は「“いろはもみじ”」、2〜3曲後に演る曲は「井上陽水さんに書いてもらった曲」で「(電車に例えると)山手線と京浜東北線は並んで走ってて、いっしょになりそうなのにいっしょにならないまま別の場所へと走ってく...そんな心境を歌った」とのこと。曲の紹介の後、まずは“いろはもみじ”。ステージ上にセットされた噴水付きの池(何でそんな物があるんだ?...笑)の縁をひらりと歩き廻りながら歌った“夢なかば”の次に披露された曲が、例の「陽水・作」の曲のようで、言われてみれば確かに、陽水らしい臭みにあふれた曲だ。
 ここで、一青 窈、観客に“金魚すくい”のフリ付き練習を観客にさせる。「みんなも一緒にフリ付きで踊って」ってことのようだけど、あのフリは一度や二度の練習で身に付くほど易しいものではないので(苦笑)、殆どの客は“金魚すくい”のフリ付けにつき合ってなかった(苦笑)。バンドのギタリストがギター手放して、バック・コーラス付けながらフリ付きで踊ってたのがとても印象に残ってる。それまでこのロッカー然としたギタリストを「男」だと思ってたけど、バック・コーラス付けんの見て、初めて女性だと気がついた。
 “江戸ポルカ”の後、バンド・メンバーの紹介へ。ドラマーとキーボードの男性が紫色の服を着ているのをみて「紫って、欲求不満の色だってよ」とからかう一青 窈。バンド・メンバーがそれぞれの持ち場を離れ、一青 窈を取り囲みながらステージ前方に座り込み、アコースティックな楽器を手にし、“音木箱”、“年年歳歳”、そして“あこるでぃおん”を演奏。ここで一青 窈、富山の有名なラーメン店『大喜』へ食べに行った話をする。「大好きなひとか、大嫌いなひとに分かれる...って聞いたけど...。『大喜』の『だいき』って『大嫌い』の『だいき』ですか?」などと言ってたから、気に入らなかったのかと思ったら、そうでもなかったよう(苦笑)。「一人暮らしを始めたとき、両親も姉も同じ月を見てるんだ...と励まされた」という思いを歌った“月心天”から元のフル・ バンドに戻っての演奏。ここまではマッタリと進んでたけど、ここから先が急にショウの流れが早くなった印象。“月心天”からそのままリズミカルな“イマドコ”へなだれ込むと、多くのファンが立ち上がる。さらにロック色が濃い“犬”へ。ギターのちえさん(という名前です...笑)が奏でるフレーズはヘヴィーで、床に寝そべりながらギターをかき毟ったりして暴れる。ロック姉ちゃんや〜(笑)。ここで出ました。大ヒット曲の“もらい泣き”! “もらい泣き”で盛り上がったところで、総立ちの観客に「立ってくれてありがとう。どうぞお座り下さい」と言い、この日会場に足を運んでくれたひとに対して膝をステージの床に付いて深々とお辞儀(土下座!)をした一青 窈。ここで“アリガ十々”を歌い、一旦ステージを去った。
 ファンのアンコール要求の手拍子に応え、ステージに戻って来た一青 窈と仲間たち。一青 窈は、紫色のドレスに「お色直し」しての登場。先ほど「紫は欲求不満の色」ってバカにしてたのに〜〜〜!(笑)。まず1曲歌った後、最新シングルの“ハナミズキ”を演ったんだけど、曲の前に「明治45年の東京市長だった尾崎行雄がアメリカに桜を贈った返礼に贈られたのがハナミズキ〜」などと熱心に観客に曲の意味を語りかけてた。曲の終盤からは、おびただしい量のハナフブキが舞い降り始め、曲が終わると一青 窈とバンド・メンバーは横一列に並んで観客に挨拶。一青 窈とパーカッショニストは、ステージの床に積もった花吹雪を手ですくい上げて、客席へ投げ入れた。ここで御一行はステージを去った。
 ファンの再度のアンコールを求める手拍子に応え、今度は黒色のTシャツとマフラーしてステージに戻って来た一青 窈。「今日は富山なんで気合い入れてきました」などと言って、同じく黒色のTシャツ着てたキーボードのコと一緒に半回転。観客に向けて背中を見せる。そこには「富山ブラック」の文字が...(苦笑)。『大喜』の店員が店の中で着てるTシャツで、従業員しか着られないところを頼み込んで分けてもらったそうだ。ギターのちえさんは『大喜』の「富山ブラック」の文字入りのバンダナ(スカーフ)を首に巻いている。クールだ! せっかく「富山ブラック」の文字入りTシャツ着てたのに、マーチャンダイズの宣伝の都合上、それを脱ぎ捨て、下に着てたツアーTシャツを見せて宣伝する一青 窈。首に巻いてるマフラーも売れ残ってるそうです(苦笑)。マーチャンダイズの宣伝が終わったところで、女性陣3人だけで“望春風”を演り、この日のライヴは終わった。
 いろいろネタを仕込んで、富山へのファン・サーヴィスしてくれてありがとう!(笑)

【SET LIST】...'04.2.26 富山・オーバードホール
1. 今日わずらい
2. ?
3. 心変わり
4. いろはもみじ (新曲)
5. 夢なかば
6. 面影モダン (新曲)
7. 金魚すくい
8. 江戸ポルカ
9. 音木箱
10. 年年歳歳
11. あこるでぃおん
12. 月心天
13. イマドコ
14. 犬
15. もらい泣き
16. アリガ十々

(encore 1)
1. 一思案 (新曲)
2. ハナミズキ

(encore 2)
1. 望春風

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