ヒロくんのLIVE REPORT '07 PART 2 安藤裕子

 安藤裕子の新作『shabon songs』リリースに伴う全国ツアー「再生」2007..recall me..を観に、大阪2公演のうち2日目の5月19日に、大阪・なんばHatchに行って来た。
 開演時間の午後6時の10分前に会場入り。フロアにはぎっしり客が入ってる。女性客が多いためか、フロア中央からでもステージ上がよく見える(苦笑)。開演時間の6時ちょうどに客電が消え、音楽に合わせ、ステージ中央にある巨大な白い風船を球体スクリーンにして安藤裕子画伯の描いた絵画や写真などさまざまな映像が映し出された後、バック・バンドの面々に続いて、最後に、安藤裕子が登場。オープニング曲は“"I" novel.”。歌い出しにちょっと音程が不安定な箇所があり「アレッ?」と思わせられたが、その後は歌唱に関して気になったところはなかった。衣装は、赤いワンピース(?)にベージュのマントをかぶったような感じで、後の本人のM.C.によると、既製品ではなく作った衣装(勿論、本人が作ったワケではなく、「こんな感じの」って言ったらちゃんと作ってくれるお姉さんが居る)とのこと。この日は赤だったけど、前日の衣装は水色だったそうだ。バック・バンドは、ステージ向かって右からキーボード、ギター、女声コーラス、ベース、ドラムの順に並んでいて、安藤を含め6人編成。続いて“雨唄”を歌うと、安藤裕子のM.C.。 M.C.は苦手なようで、ひとことふたこと喋っただけで「じゃ、次、歌いまぁ〜す」と、次の曲へ。ここからはミニ・アルバム『and do, record.』収録のコケテッシュな“happy go lucky”、1stフル・アルバムのタイトル曲“slow tempo magic”、そしてシングル“あなたと私にできる事”のカップリング曲のファンキーな“lovely second way”...と初期の曲が続く。歌い終わると安藤からM.C.があり、「日替わりで曲を入れ替えてて、今日の気分で久しぶりに演奏する曲、昔の曲を選んでみました」などと説明。「今の曲、知ってるひと、手を挙げて」と、観客に挙手させたら、挙がった手は、まばら(.私も挙手出来ず...苦笑)。最近のファンが知らない昔の曲を続けた後は、最近のファンに馴染みの(?)新作からの“シャボン ボウル”。この曲&アルバム・タイトルに合わせてか、ステージ上には巨大な風船があり、ステージ上にいくつも置かれた電灯も球形。巨大な風船は半分は白色、残り半分は黒色に塗られ、時折回転しては月の満ち欠けを思わせる動きをしていた。新作のエンディングを締める“唄い前夜”、“TEXAS”...と新作の曲を続けた後、前作『Merry Andrew』からの“み空”。『Merry〜』が気に入ってる私は、ようやく目当てのモノが聴けたという感じで盛り上がった(苦笑)。ここで安藤からのM.C.「毎回(演奏)曲を入れ替えてるんだけど、この曲を外したらスタッフたちから『どうしてこの曲演らないの?』と言われた曲を演ります」 ここで披露したのは“のうぜんかつら”。アルバム収録のrepriseヴァージョンに近い、キーボードの伴奏だけでこの曲を歌い終えた安藤。他のメンバーは一旦ステージから消えてたけど、それぞれシンプルな楽器(キーボード奏者は鍵盤ハーモニカ、ベーシストは打楽器...といった具合)を持ちステージに登場。安藤が「新曲演ります」などと言うと、どっと沸く場内。アコースティック・セットで“祭りの唄”(?)という新曲をプレイ。
 アコースティック・セットが終わると、「『もっと長めにM.C.やれ』と言われたので...」と、安藤がM.C.開始。天気の話、衣装の話など他愛のない話をする。大阪に来て食べた物について観客に訊かれ、「お好み焼き」と答えたはいいが「それは(ツアー初日の)広島!」とバック・バンドのメンバーに指摘され、「あっ、ゴメ〜〜〜ン!」と大阪のファンに平謝りの安藤。安藤はお腹を壊してあまりモノを食べていないようで、バック・バンドのメンバー数名もお腹の調子が悪いとのこと。どうやら一緒に食べたものが悪かったようだ。『再生』と銘打ってるように今回のツアーは安藤本人は心機一転のつもりらしく、バック・バンドの編成が変わり、照明さんも新しいひとにお願いしたことなど、その「意気込み」を語ってた。「これ(M.C.タイム)が終わると、最後まで行っちゃう」のでたくさん喋りたいけど「いざ、M.C.しようとしても喋ることって無いものですねぇ」とボヤキつつM.C.してた安藤、M.C.タイムを切り上げ、新作のアタマを飾る“手玉休めてガラス玉”を披露。その後も“SUCRE HECACHA”、“Little Babe”、“ 安全地帯”...と、新作の曲が続いた。最後にシングル曲の“The Still Steal Down”を歌い終えると、安藤は観客に手を振り、ステージを去った。バック・バンドの面々も演奏を終えると、ステージを去った。
 観客がアンコール要求の手拍子を始め5分もしないうちに、髪をポニーテイルに束ね、ジーンズとツアーグッズのTシャツに着替えた安藤が登場。「ステージ降りるなり、そこ(ステージ袖)で着替えさせられたんですよ〜〜〜」とボヤく安藤。ここでメンバー紹介代わりに(安藤同様にツアーTシャツに着替えた)バック・バンドのメンバーを1人ずつ名前を呼んでステージに招き入れ、ひとりずつひとことコメントを喋らせた。キーボードでバンド・マスターの山本隆二さん、ギタリストの山本タカシさん、女声コーラスの新居昭乃さん、ベースのかた、最後にドラムの野澤 尚さんを招き入れた。コメントを求められた野澤さんは、「(こちらが)安藤裕子さんです」と、安藤を『逆紹介』(笑)。こうしてメンバーが揃い1曲披露した後、「今のは、“サリー”というシングル(ミニ・アルバム)に入ってる“リズム”という曲です」と、最近になってから安藤のファンになったひとのために曲紹介(苦笑)。私もこの曲、知りませんでした(苦笑)。最後に、恩人である映画監督の堤 幸彦に頼まれ、映画『自虐の詩』のために書いたという“海原の月”を披露。曲の中盤になると、天井からシャボン玉をイメージする白い風船(安藤の手による(?)ミツバチの絵が印刷)が次々に降ってくる。観客が風船をステージに送り出そうとするので、ステージ上はあっという間に風船だらけ。曲が終わると安藤は観客に「風船、持って帰って下さ〜い」と声をかけ、風船を前に蹴り出そうとするけど、なかなか思うように行かず苦労してた。2度目のアンコールが不可能なくらいステージ上が風船まみれになり、この日のライヴは終了。
 彼女の音楽性どおり、観客が騒いだり大声張り上げたり手拍子したりピョンピョン跳ねたりするような汗臭さとは全く無縁のライヴ。涼し気な感触の音世界を楽しめました。

【SET LIST】...'07.5.19 なんばHatch
1."I" novel.
2. 雨唄
3. happy go lucky
4. slow tempo magic
5. lovely second way
6. シャボン ボウル
7. 唄い前夜
8. TEXAS
9. み空
10. のうぜんかつら
11. 祭りの唄(?...新曲)
12. 手玉休めてガラス玉
13. SUCRE HECACHA
14. Little Babe
15. 安全地帯
16. The Still Steal Down

(encore)
1. リズム
2. 海原の月(新曲)

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