ヒロくんのLIVE REPORT '07 PART 5 桜ヶ池ウィークエンダー

 2000年から富山県城端町(現・南砺市)の桜ヶ池の『自遊の森』で毎年開催され、バーベキューを食べながら音楽が楽しめるイヴェントとして「夏の終わりの風物詩」となっていた『Bubble Whistle Weekender』、昨年は何故か開催が見送られたが、今年は『桜が池ウィークエンダー』と名称変更し、9月9日の日曜日にいつもと同じ場所で開催された。
 『自遊の森』のバーベキュー施設『自由自遊家』に午前11時半前に到着。今回は弟子とポッポも一緒。11時半になり、司会の川西さん、そして『自遊の森』の館長さんの挨拶があり、さっそく最初のバンド、バラカンズ&ボヘミアンズの演奏が始まった。

<バラカンズ&ボヘミアンズ>
 vo.兼g.、b.、ds.の男3人組で、R. E. M.の“Losing My Religion”やレディオヘッドの“Street Spirit (Fade Out)”のカヴァーなど3曲を披露。彼らの演奏中、犬の着ぐるみの『バブルくん』がステージ上を右往左往してた。バラカンズ&ボヘミアンズの演奏終了後、『バブルくん』がこっちにやって来て、ポッポの頭を撫でたりしてポッポの相手をしてくれた。『バブルくん』が去りぎわ、私に「(この日のトリのSau'beachのvo.の)ほうのきです」と挨拶してくれたので、ビックリ!

<JET SNIPER>
 女性vo.と男3人(g.、b.、ds.)による4人組で、パット・ベネターや浜田麻里を思い起こすような女性ヴォーカルもののハードロックを聴かせてくれた。シンディ・ローパーの“True Colors”をヘヴィーにアレンジしたカヴァーも披露した。全部で5曲演奏。

<J・OASIS>
 前回(2005年)の『Bubble Whistle Weekender』には何故か不参加だった『ウィークエンダー』の常連が、3年ぶりの登場。地元・城端で50年前(?)からベンチャーズの曲を鳴らし続けるオジサンたち。今回はg.、ds.、key.の3人編成。ベース・パートをキーボードで補っており、前回観た時とは編成が異なっていた。メンバー・チェンジでもあったのだろうか? さらに今までのJ・OASISでは女性vo.のアディショナル・メンバーが居て、ショッキング・ブルーの“Venus”やクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイバルの“Have You Ever Seen The Rain”のカヴァーが聴けたんだけど、今回は彼女の登場も無く、ベンチャーズ・ナンバーを中心とするインスト・カヴァーしか演らなかった。50年(?)もこういう音を鳴らし続けるメンバーたちには敬意を表したいが、正直、しょぼ〜〜〜ん...。

<ティラミス>
 vo.兼g.とb.とds.が女性で、g.が男性の4人。彼女たちの音を聴いてゼルダとかGO-BANG'Sとかを思い出したが、そのカワユいポップさでみんなの耳を幻惑しつくした後ドサクサに粉れてフランク・シナトラの“My Way”のカヴァー(おそらく)をプレイ(笑)。

<おらっちゃ人生桜歌隊>
 10人以上のメンバーによる老若男女入り乱れてのチンドン一座。『南京玉すだれ』や『マジックショー』も披露。彼らの芸に感銘を受けた観客が居たようで、千円札のおひねりも出た(苦笑)。もらったのは若いネェチャン(笑)。そろそろポッポの集中力も途切れ、家に帰りたがるようになってきたので、ここで弟子とポッポはひと足先に帰宅。

<Shimochan>
 大道芸のShimochanのパフォーマンスの途中から、『ウィークエンダー』名物の雨が降り出す。JET SNIPERン時には過去に例が無いくらい陽射しが強かったのに...(苦笑)。

<システム3>
 インディー・レーベル『Bubble Whistle』のイヴェントで過去に何回か観たことのあるバンド。久しぶりのライヴということで、メンバーも入れ替わってるらしい。今回の編成は、vo.、g.×2、b.、ds.の5人。「“お金”という曲を演ります」と曲紹介し“Money (That's What I Want)”の日本語カヴァーでスタート。ヴォーカリストは相当なビートルズ・ファンらしい。次に“Wakling The Dog”を演った。ベーシストとギタリストに1曲ずつリード・ヴォーカルを譲った後(この時は、ヴォーカリストはタンバリンに専念)、最後はザ・ラーズの“I Can't Sleep”で締めた(個人的には、この曲のカヴァーは嬉しかった)。

<ウボボマン>
 石川県から来たウボボマンはg.、b.、ds. perc.×2(男女1名ずつ)、key.兼fluteの6人編成のインスト・バンド。2004年の『ウィークエンダー』まで毎年のように来てたリーゼント・スリムのことを思い出した。インスト・バンドもこのイヴェントに欠けてはならない一要素。途中、ギターの弦が切れる災難があり、代わりのギターを借りて演奏を続けた。

<ありがたや>
 地元のコミュニティーFMのDJも務める魚津の音楽界の顔役・五十井雄一さんを中心にしたブルースを演るオジサン5人組。vo.、g.、b、ds.、key.の編成。ベーシストのフクロヤ楽器館の店長さんの姿を観る度に、「あ、OTOさんだ!」と思ってしまうのは私だけでしょーか?(苦笑...そういや、OTOさん、『ウィークエンダー』の常連だったけど、今年はOTOさん、出演なしだったね) フクロヤ楽器館のCMソングでスタートした後、RCサクセションの“よォーこそ”の替え歌でメンバー紹介。その後、ジョン・レノン“Jealous Guy”、“空が泣いている”、“おかま”と披露していき、最後は「ムリヤリ・アンコール」で、フクロヤ楽器館のCMソングを演っていった(苦笑)。

<バブルくん>
 犬の着ぐるみの『バブルくん』のパフォーマンスが予定されてたけど、バラカンズ&ボヘミアンズの時に頑張り過ぎ、披露(?)のせいで『バブルくん』のコーナーは中止(苦笑)。

<MIKADO BAND>
 カテゴリィ的にはワールド・ミュージックの範疇に入る音楽(?)を演るvo.&sax.、g.、b.、ds.、key兼perc.(女性)の5人組。1曲あたりの時間が長いので、3曲だけで終わり。

<ハニービィ>
 金沢からやってきた3人組。key.兼vo.、b.兼vo.の女性2人に男性ds.で、キーボードの女のコはキーボード2台を駆使し、ベーシストの女のコはシーケンサー(っていうの?)を使っていろんな効果音を出す(その間、ドラマーの男がベース弾いてた...苦笑)。1曲演ってから、観客に「『ハニービィ』です」と挨拶した後に放ったM.C.は「あと5曲演ったら帰ります」(苦笑)。女性ツイン・ヴォーカルで、「バッファロー・ドーター meets シューゲイザー」といった摩訶不思議なサウンドを聴かせてくれました。今回の『ウィークエンダー』のメンツで、私が音的に一番気に入ったのは、このバンドです。

<中山孝志&安藤有希子>
 ここ最近の『Bubble Whistle』のイヴェントでは常連となっている津軽三味線の2人組。JR高岡駅前の地下街でストリート・パフォーマンスをやってるうちに、あれよあれよのうちにいろんなイヴェントに声がかかるようになった2人。今年の小杉の『下条川まつり』では(元・ぴんから兄弟の)宮 史郎センセイとの共演(爆笑〜!!!)を果たすまでになった。イヴェントに招かれることが多くなった今でも、JR高岡駅前の地下街で毎日演ってるそうだ。こういうイヴェントで何度も演奏して場数を踏んでるせいか、中山さんのトークは滑らかで、「(いろんなイヴェントに呼ばれたりして)三味線でオマンマは喰えるけど、オカズまでちゃ喰えんがね。だからこれ(演奏)終わったらそこでバーベキュー食うちゃ」などとスルスルと言葉が出てくる。中山さんは以前からこうだったけど、相方の安藤さんが2年前に観た時から比べると、トークがもの凄く上達しててビックリ。以前はもっとシロウト臭かったが、今ではバスガイドふうの話術をすっかり身に付けてる。そういや外見も2年に比べると随分垢抜けている。この2年間多くのイヴェントに呼ばれ演奏を披露してるんだろう、よく、「人前に立つとひとの視線に磨かれる」と言うけど、2年間でかなり磨かれちゃったみたい(苦笑)。その安藤さんの口から、彼女らが『Bubble Whistle』のイヴェントに関わり始める経緯が語られた。Sau'beachのほうのきクンの妹さんの結婚式で津軽三味線を弾く余興をやったところ、ほうのきクンの目に留まり、『Bubble Whistle』のイヴェントに関るようになったとのことだ。その縁を結んだほうのきクンの妹さんが会場に居て、彼女が只今妊娠中というおめでたいニュースについても語られた。悪ノリした中山さんが「赤ちゃんちゃどうやったら出来るがけ?」と安藤さんに訊くなど、セクハラまがいの発言も飛び出した。最後は彼らのオリジナル楽曲を披露してくれた。

<ギ・オルガンズ>
 『Bubble Whisitle』のバンドで、何度も観たことのあるバンド。司会の川西さんが「今、富山の女子高生の間で一番人気のあるバンド」と紹介してた(苦笑)。前に観た時と同じく、ティーンエイジ・ファンクラブやマシュー・スウィートのような王道ギター・ポップ。湿り気が無く、乾いた爽やかなサウンドはレーベル主催者のSau'beachと同じだけど、最後に演った“落雷”という曲は、bpmを増やして、ヴォーカルがもっとシャウトしたらアジアン・カンフー・ジェネレーションそっくりじゃない?...と思ってしまった(苦笑)。

<interior palette toeshoes>
 g.×2、b.、ds.、女性key.の5人組。フュージョンとモグワイを想起させるようなサウンドを披露。彼らはヴォーカル用のマイク・スタンドを持ち込まなかったので、M.C.すら無し。完全にインストだけで持ち時間を通しました。メンバーは20代後半〜30代と思ったけど、キーボードの女性だけ極端に年齢が低く、もしかしたら10代かもしれません。

<Sau'beach>
 この日のトリで、『Bubble Whistle』の看板バンドであるSau'beachはドラマー以外は全員浴衣姿でステージに登場。ヴォーカルの ほうのきクンが言うには、「イギリスの音楽やアメリカの音楽、アイルランドの音楽を聴くのも好きだけど、日本の音楽も大切にしたい」とのことで、格好だけでなく、vo.、g.、b.、ds.、key.(女性)に和太鼓も加えた6人編成での演奏。2曲目に代表曲の“moodhit landscape”を演るとギターの浜下クンが「浴衣で演奏すると、弦が袖に絡まってやりにくいです」などとM.C.。「メンバー全員太陽を見るのが好きなので、“Sundown”と言う曲を作りました」と、ほうのきクンの曲紹介で“Sundown”を演ると、土曜の夜をイメージしたという“Ring a Bell”へ。そのまま“Sun Comes Up”を披露。浜下クンからメンバー紹介があった後、ほうのきクンから次の曲で終わりとのM.C.があり、観客からのブーイングのなか、アフリカンを取り入れたという曲をプレイ。せっかくの大舞台なのに7曲で終わるのは勿体無かった。
 最後に、館長さんがイヴェントを締める挨拶をして、この日のイヴェントは終了。
 ...ということで、今回もいろんなバンドを観られて楽しかった。欲を言えば、1バンド当たりの持ち時間がもっとあれば...。来年もこのイヴェントがあることを期待してます。

BUBBLE WHISTLE NIGHT@Takaoka Mominoki House '05.11.27

BUBBLE WHISTLE NIGHT@Takaoka Mominoki House '02.01.19

INDEX