ヒロくんのLIVE REPORT '10 PART 1 MUSE

 5thアルバム『ザ・レジスタンス』リリースに伴うミューズのワールド・ツアーの一環として行われる今回のジャパン・ツアー初日の大阪でのライヴを観て来た。今回、私はスタンド席で観た。自分の席に座り開演を待つものの、開演予定時間の6時を過ぎて6時半になってもミューズの3人はステージ上に現れない。ここで場内アナウンスがあり、3人は現在会場に向かい移動中で、交通事情により到着が遅れてて、開演は7時になるとのこと(苦笑)。
 開演時間(苦笑)の7時を3分ほど廻った頃、客電が落ちる。ステージには3枚の板状のスクリーンが並べられており、そのスクリーンには夜のビル街のような映像が映し出されている。最初はまばらだったビルの窓の灯は、場内に流れる音楽とともに数が増えていき、ビルの全ての窓に灯が点いた。ビルの窓の灯は次第に変型してゆき、階段を登る人型の行列に変わる。光の人型の行列が順繰りに階段を上っていく映像が流れるなか、ミューズの3人がステージに登場。観客の大歓声を浴びるなか、所定の位置に就いた3人。演奏始めたオープニング曲は、新作のアタマを飾る“Uprising”。ステージ向かって左にヴォーカル兼ギター兼ピアノのマシュー、向って右にベースのクリス、その背後にサポート・メンバーのキーボード。ステージ中央奥にドラムのドミニクが居て、総勢4名による演奏。黒革の上下に身を包んだマシューは、サングラスをかけていた。もしかしたら、ちょうど私の位置とマシューの背後のライトを結ぶ線上にマシューが居るものだから、逆光になってた影響でサングラスをかけているようにみえていただけなのかもしれない。というのは、曲の中盤に「hey! hey!」と観客に腕を振り上げさせてからは、サングラスが無くなっていたから(苦笑)。曲が終わると、マシューが「ドモ、アリガト」と日本語で御礼を言うと、ドミニクもドラムキットから身を乗り出し、「オクレテゴメンネ」と日本語で謝罪(笑)。次の曲は前作からの“Map Of The Problematique”で、イントロが流れただけで、ファンから歓声が上がる。この曲の特徴的なサウンドは、マシューがエフェクタ類を駆使してギターで出してるようだ。曲が終わると、マシューが「アリガト、オオサカ」と日本語で御礼を言い、“Supermassive Black Hole”へ。この曲の中盤ではマシューが歯ギターを披露(したように見えた)ため、観客が沸いた。場内にオルゴールのようなイントロが流れるとファンが歓声を上げる。2ndからの“New Born”だ。ステージから緑色のレーザーライトが会場の天井に向けて放射され、天井をスクリーンにして緑色の線描による動画を映し出す。その幻想的な雰囲気のなかでの熱演の後、ドミニクがまたもドラムキットから身を乗り上げ、「日本に戻って来れてホントに嬉しい。特にここ、大阪にね」などと今度は英語でM.C.。ドミニクのM.C.の間に革ジャンを脱ぎ、薄いグレーの半袖Tシャツ姿になったマシューがギターを構えて弾き始めたノイズにファンから歓声が上がる。“Interlude”だ。そのままアルバムの流れどおりに“Hysteria”へ。この曲で盛り上がった後は、新作からの『なごみ系』の曲“Guiling Light”。ドミニクのリズムに合わせて観客が手拍子したこの曲の次に披露されたのは、ファンには馴染みのイントロの曲“Bliss”だ。ファンからは悲鳴に近い歓声が上がり、曲も大いに盛り上がった。曲の後、マシューが「ドモ、アリガトウ」ではなく「どうもありがとう」と正確な発音の日本語で御礼を言った。
 場内にE.P.“Uninteded”に収録されてた“Nishe”が流れ、マシューが予め用意されていた白いピアノに就く。マシューがピアノで演奏したのは“United States Of Eurasia”。曲の内容に合わせ、スクリーンには世界地図の映像が流れた。この曲のスタジオ版ではクィーンばりのヴォーカル・ハーモニーが聴けるが、ライヴではクリスが再現に頑張る。イントロが流れたたけでファンから歓声が上がった“Feeling Good”でも、マシューはピアノに就いたまま。スクリーンには何故かミツバチのアニメーションが流れてた(苦笑)。
 “Feeling Good”が終わるとマシューは一旦ステージを離れ、ステージに残ったクリスとドミニクによるジャム・セッションが3〜4分あり、熱演で観客の歓声を誘う。マシューがステージに戻り、ギターを構えて演った曲は、新作からの“Undisclosed Desires”。“New Born”の時のように、緑色のレーザーライトが天井をスクリーンにしたアニメーションを映し出す。マシューの熱唱を堪能出来た“Resistance”を挟んで、“Starlight”へ。マシューの指示に合わせ、観客が手拍子。最後まで熱心に手拍子続けた観客に「ドウモ、アリガト」と日本語で御礼を言ったマシュー、続けて「元気デスカ? オオサカ!」と訊いた。次の“Time Is Running Out”ではマイクスタンドを離れて観客に歌わせた箇所があったから、「歌う元気があるか?」という意味だったんだな、と納得。ファンが合唱で応えた“Time Is 〜”が終わると、「ドモ、アリガト。ミンナ、サイコー!」と、マシューは興奮気味。マシューの動きに合わせ、観客は革命が蜂起するかの如く手を振り上げた“Unnatural Selection”を披露した後、ミューズの3人は一旦ステージを去った。
 ファンのアンコール要求の手拍子に応え、ステージに戻って来た3人。アンコール1曲目は壮大な組曲“Exogenesis”の“Overture”。ストリングス・パートはテープ等による再現か。荘厳なる組曲の一端を披露すると、今後はアグレッシヴに雰囲気を変えて、荒々しいリフを弾くマシュー。ファンが歓声を上げた曲は、“Plug In Baby”。この曲では“Time Is 〜”より長い時間観客に歌わせたマシュー。スタンド席の後方から直径1 mほどの白い風船が転がって来て、やがてそれはアリーナのスタンディング席に転がり落ちた。“Plug In Baby”が終わると、「アリガト、オオサカ! thank you very much!」と御礼を言うマシュー。クリスがハーモニカを吹き出し、そのフレーズはやがて“Knights Of Cydonia”につながっていく。“Knights 〜”で最後の熱演をみせた3人。曲の終わりにはステージ前方に突如ボシューーーッ!と煙の柱が何本も立ち、観客のド肝を抜いた。マシューとドミニクは観客に御礼し、ミューズの3人はステージを去った。
 新作の知的でスマートなイメージとは裏腹に、アグレッシヴで熱いライヴでした。

【SET LIST】...'10.1.9 大阪城ホール
1. Uprising
2. Map Of The Problematique
3. Supermassive Black Hole
4. New Born
5. Interlude
6. Hysteria
7. Guiling Light
8. Bliss
〜Niche〜
9. United States Of Eurasia
10. Feeling Good
〜Bass & Drum Jam〜
11. Undisclosed Desires
12. Resistance
13. Starlight
14. Time Is Running Out
15. Unnatural Selection

(encore)
1. Exogenesis : Symphony Part 1 (Overture)
2. Plug In Baby
3. Knights Of Cydonia

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