ヒロくんのLIVE REPORT '10 PART 3 TAYLOR SWIFT

 2枚のアルバムが全米アルバム・チャート『Billboard TOP200』上位に長らくランクし続け、『グラミー賞』も獲得し、飛ぶ鳥を落とす勢いのカントリー界の若き歌姫、テイラー・スウィフト。そのテイラー・スウィフトの待望の初来日公演はたった1回のみ。その唯一の初来日本公演を観て来た。私のチケットの入場整理番号は1,000ピッタリ(笑)。フロアは幾つもの柵で仕切られてるが、一番ステージ寄りの柵の前、ステージ向って左側に陣取り開演を待つ。柵の前だと背後から不意に押されることがないので、安心。疲れたら柵に寄り掛かれるし(苦笑)。フロアを埋める観客は10代〜20代前半の女のコが中心。ふだんロックしか聴いてないと一般洋楽事情に疎くなってしまうようで、テイラーがこんなに女のコたちの支持を集めてるとは知らなかった(苦笑)。開演前にローディーがステージに姿をみせただけで、テイラーが出て来たと思い「キャーーー!」と黄色い歓声が起こり、ステージ前にどっと押し寄せる。この会場のノリ、どこかで体験したような...。あっ、アヴリル!(笑)
 開演予定時間の7時を5分ほど過ぎると、ステージ中央奥にセットされたドラムキットにドラマーが座る(最初はローディーかと思ったけど、彼がバンドのドラマーだった)。場内に流れてたB.G.M.が一段と大きくなり、その曲が終わると、バンドメンバーがどっとステージ上に登場。ドラマーを含め、総勢7名の大所帯。続いて銀ラメのワンピースを着たテイラーがステージに登場すると、先ほどから何回も練習が繰り返されてた黄色い歓声が沸き上がった。オープニング曲は“You Belong With Me”。まだライヴが始まったばかりだというのにギタリストたちがピックを惜し気も無くフロアに投げ入れまくる。バンドはアコースティック・ギター(以下、アコギ)×2、エレキ・ギター、ベース、ドラム、女性コーラス、そしてバンジョー(流石、カントリー)という編成。アコギのギタリストの1人は女性で、彼女はコーラスも担当。曲の途中にローディーから銀ラメのアコギを受け取ったテイラー。ギターが4本もある編成でこの曲の続きを演奏。曲が終わると、「Taylor! Taylor!」とファンからテイラー・コールの大合唱。この間に女性ギタリストがギターからヴァイオリンに楽器を持ち替え(彼女の本職はヴァイオリンで、この後は殆どの曲はヴァイオリン担当)、弾き始めたイントロは“Our Song”。この曲でもギターを弾いたテイラー、曲の途中ではマイクをスタンドから外して観客のほうに向けた。熱心なテイラー・ファンの女のコたちのほか、在日米国人の子女がステージ前に多く陣取ってるせいか、意外なほど観客が歌えてる。曲が終わると、「コンニチハ」と日本語で挨拶し、その後も英語で挨拶を続けたテイラーに観客から歓声が起こる。“Tell Me Why”が終わった後には「日本、大好キ」、“Teardrops On My Guitar”の後にも「アリガトウゴザイマス」と日本語を喋って観客を沸せたテイラー、(イントロが演奏されただけで観客が大いに沸いた)最新アルバムのタイトル曲の“Fearless”では、曲の途中でCD盤面にあるように両手でハートの形を作ってみせたり、曲のエンディングでは「アー!」「アー!」と観客たちと掛け合いをやったりしてファンを沸せた。バンドがまだ曲のアウトロを演奏中だというのにステージ袖に一旦引っ込んだテイラー、次にバンドが演奏始めた“Forever & Always”を歌いにステージに戻って来た時には赤ラメのワンピースに着替えてた。わずかな時間で『お色直し』(笑)。ロック色の強い“Forever〜”が終わると、バックコーラスを務める2人の女性以外のメンバーは一旦ステージを去り、テイラーのアコギ弾き語りで“White Horse”を演奏。楽器を演奏するひとがテイラーひとりで音数が少ないため、熱心なファンたちの合唱が異様なほど会場内に響く。たぶん在日米国人の子女たちが歌ってるんだけろうけど、歌がテイラーと微妙にズレてるため、場内からも失笑が漏れる。また、ステージ最前列のギュウギュウ詰め状態に気分が悪くなった女のコたちが次々と前を通ってくので、せっかくのアコースティック・セットだというのに、テイラーの歌になかなか集中出来なかった。
 テイラーの“White Horse”の弾き語りが終わると、一旦ステージから下がってたバンドメンバーたちがステージに戻って来た。テイラーが「“Fifteen”」と曲紹介し、これを聴いた場内のファンが沸いた。この“Fifteen”ではバンジョー奏者はキーボードを弾いてた(彼もバンジョー専任ではなく、曲によってはギターもプレイ)。“Fifteen”を演ると、テイラーから「映画『バレンタインデー』の曲」と曲紹介があった。これを聞いて、また観客から歓声が上がった。映画『バレンタインデー』のサントラからの曲“Today Was A Fairytale”をここで披露。演奏後「アリガト!」と観客に日本語で御礼を言ったテイラー。
 人気者のテイラーだけあって、ライヴ中もテイラーにいろいろ声がかかる。観客の米国人率が高いため、テイラーのM.C.中に米国人観客とのやりとりが起こり、英語が分からない日本人にはチンプンカンプンという場面もあった。途中、日本人男性の声でテイラーに「可愛い〜!」との声がかかったが、これはもしかしたら抗議行動だったのかもしれない。
 ギター無しで“Love Story”を歌い終わると、ローディーからギターを受け取ったテイラー、“Should've Said No”をプレイ。この曲ではテイラーを含めギター類をもったプレイヤーが横一列に並び、曲に合わせてネックを上下に動かすフォーメーション・プレイをみせた(笑)。曲の途中でギターを下ろしたテイラー、そのままローディーにギターを放り投げる。これをみた観客が「オーッ」と沸いた。テイラーが観客に挨拶してステージ袖に引っ込み、演奏を終えたバンドメンバーたちも次々に引っ込んでく。ひとりドラマーだけが残ってスティックをフロアの観客に手渡ししてる(笑)。あれ? 11曲だけでもう終わり?
 ファンがテイラー・コールを起こすと、ベーシストひとりが姿をみせ、『笑っていいとも!』のタモリのように、身ぶり手振りで観客の歓声をコントロール(笑)。そこに次々とバンドメンバーが戻って来て、最後に元の銀ラメ衣裳に着替えたテイラー登場。「日本サイコー! アリガトウゴザイマス」と日本語で御礼を言った後、英語で「またすぐに日本に戻って来ます」などとファンに約束。そして「“Picture To Burn”」と曲紹介。この曲を歌い終わったテイラーがステージを去り、演奏が終わると、ドラマー以外のバンドメンバー6人が横一列に並び、感謝の意を示す。彼らがステージを去り、フロアに客電が灯いた後、ベーシストだけがピックを配りに再びステージ上に姿をみせた(苦笑)。
 現在の音楽シーンでシンデレラ・ストーリーを体現したハタチそこそこのテイラーがどういうライヴを演るか興味あったけど、彼女の歌も安定し、バックの演奏も手堅く、全米トップ・アーティストの貫禄をみせつけた王道ライヴ。次回は、もっと多く曲を演ってね。

【SET LIST】...'10.2.17 ZEPP TOKYO
1. You Belong With Me
2. Our Song
3. Tell Me Why
4. Teardrops On My Guitar
5. Fearless
6. Forever & Always
7. White Horse
8. Fifteen
9. Today Was A Fairytale
10. Love Story
11. Should've Said No

(encore)
1. Picture To Burn

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