今や『春のパンクの祭典』としてすっかり定着した感のある『PUNKSPRING』で今年の大トリを務めたロストプロフェッツが、1夜だけの単独公演を行うというので、4月6日の東京出張のついでに赤坂BLITZに行って来た。単独公演といいつつも、同郷の後輩に当たるザ・ブラックアウトをサポート・アクトとして従えてたが...。今人気のイケメン揃いのヘヴィ・ロック・バンドのロストプロフェッツ、会場を埋める観客はハタチ前後が殆どで、私のようなスーツ姿の観客は、稀(苦笑)。この手のバンドにしては女性の比率が高いため、観客の平均身長が低く、フロア中ほどからでもステージの様子がよく見える(笑)。
開演予定時間の7時を廻ると、まずはサポート・アクトのザ・ブラックアウトが登場。金髪のショーン・スミス、ダーク・ヘアのギャヴィン・バトラーの2人のヴォーカルに、g.×2、b.、ds.の6人組。ショーンはコードを持ってマイクをブンブン振り廻し、天井に向かって吐いたツバを自分の口でキャッチするという芸(苦笑)を何度も披露。すげぇ〜(笑)。今ふうのスクリーモを7〜8曲、時間にして20分強演奏し、ザ・ブラックアウトは御役御免。ステージ上ではセット・チェンジが行われる。ドラムキットを片付けるのは、先ほどまで叩いてたドラマーのガレス・ローレンスそのひとだ(苦笑)。ロストプロフェッツの最新バンドロゴの書かれたバック・ドロップがステージ奥に吊るされ、マイクスタンドが正式メンバー分立ち並んだりしてセット・チェンジが終わり、場内が暗転したのは8時数分前のこと。場内にB.G.M.が流れ、やがてサポート・ドラマーのルーク・ジョンソンのみがドラムセットに就き、ひとりリズムを叩き出す。そこへリー・ゲイズとマイク・スイスの2人のギタリストとベースのステュアート・リチャードソンが楽器を携えて登場し、キーボードのジェイミー・オリヴァーも持ち場に就く。彼らが演奏に加わり、始まった曲は、新作『ザ・ビレイテッド〜裏切られし者たち』のアタマを飾る“If
It Wasn't For Hate, We'd Be Dead By
Now”。最後に「真打ち登場」って感じで、皮ジャン着たヴォーカルのイアン・ワトキンスが姿をみせる。アチ写では前髪を斜めに垂らしたキザなイメージのイアンだけど、髪を逆立て気味にして黒髪のジョニー・ロットンふうになってる。ステージ中央が基本的立ち位置のイアンの右に、ステュアート、ヘリーが居て、左にはマイクとジェイミーが居る。曲が終わると、イアンが「Tokyo〜!」と観客に挨拶。次の曲は♪oh〜oh,
oh〜oh,〜のバックコーラスがインパクトある“It's Not The End Of The
World, But I Can See It From
Here”。彼らの特徴である壁のような男声コーラスが早くも登場。4人のメンバーが横一列に並んでコーラスつけてる姿は壮観! 「Tokyo〜〜〜!!!」と、イアンのシャウトの後に始まった“Burn,
Burn”は彼らの代表曲の1つで、場内大いに盛り上がる。曲中、イアンが口に含んだ水をぶわ〜っと霧吹き。次は新作からのパワー・ポップ“Darkest
Blue”。ステュワートのマイク・スタンドのマイクの角度を調節するジョイントがイカレて、マイクが下を向いてしまうため、演奏中ローディーが現れ、テープでグルグル巻きにして固定してた(笑)。
♪トゥットゥットゥル〜トゥットゥットゥル〜のコーラスが耳を引くキャッチーな“Can't
Catch Tomorrow
”ではファンも大合唱になり、大いに盛り上がったのは勿論だけど、イアンもステージ上を激しく動き廻る熱唱のため、汗ダクに。自分の白いTシャツの裾で汗を拭うイアンをみて「そんなに暑けりゃ皮ジャン脱げばいいのに...」と思ってたら、曲が終わったら早速皮ジャンを脱いで、白いTシャツ姿になり、両腕の刺青をムキ出しにしたイアン(苦笑)。2nd『スタート・サムシング』からのポップな“Last
Summer”が披露されると、ファンは大いに盛り上がる。一緒に歌うファンも多く、イアンもマイクを観客に向けて差し出し、ファンに歌わせる。この曲に限らず、この日のライヴではイアンがファンに歌わせる場面が目立ってた。ファンと一緒に歌った“Last
Summer”の後、イアンが♪we take to get
along〜とアカペラで歌い、続きの♪we're holding on〜we're holding
on〜をファンに歌わせる。これを3回ほど練習したところで、本番へ(苦笑)。演奏始まった“For
He's A Jolly Good
Felon”ではファンは先ほどの練習の成果をみせつけた。ジェイミーやヘリーたちも壁のような男声コーラスで対抗(笑)。前作からの“A
Town Called
Hypocrisy”をプレイした後、イアンが熱狂的な観客たちに日本語で「アリガト!」と御礼を言ったところで演奏されたのは、“Last
Train
Home”。この曲でもフロアに向けてマイクを差し出し、かなりの部分をファンに歌わせたイアン。“Last
Train
Home”が終わると、イアンとマイクがヒソヒソ立ち話。マイクは他のメンバーのところを順番に廻って同じようにヒソヒソ話をしてたので、何かトラブルでもあったのだろうか? マイクが他のメンバーと話をして廻る間、イアンは次々にペットボトルをフロアに投げ込む。このペットボトルを受け取ったステージ前の観客のひとりがさっそく中身を周りの観客たちに振りかけた。♪oh
take these storm awat, start a brand new
story〜とイアンが歌い出したフレーズは、“Where We
Belong”。この曲のサビの部分でも観客は大合唱に。次の曲は、前作からの“Rooftops”。このスロウなバラード調のアンセムでも、イアンはマイクを観客に差し出し歌わせた。和み系の“Rooftops”の後、ルークのドラム乱れ打ちで始まったイントロは、3rd『リベレイション・トランスミッション』のオープニングを飾る“Everyday
Combat”! この曲でも怒濤の男性コーラスが出現し、ファンも一緒に大合唱。サポート・アクトを務めてたザ・ブラックアウトのショーンもステージに登場し、ステュワートのマイク・スタンドで歌い、暴れてる。先ほどせっかくローディーが応急処置を施したマイク・スタンドは、これでまたダメになった(苦笑)。
最後に、1stからの“Shinobi Vs. Dragon
Ninja”を演ると、ロストプロフェッツの5人+1人は一旦ステージを去った。
ファンのアンコールのクラップに応えて、ステージに戻って来たイアン。ヘリーとジェイミーとルークの3人と一緒に“The
Light That Burns Twice As
Bright”を披露。曲の途中で残りのメンバーも演奏に加わり、6人での演奏になった。が、曲の最後には、イアンだけを残して、他のメンバーはステージを去り、イアンの独唱状態となる。最後まで歌い終わると、イアンは一目散にステージから走り去り、この日のライヴは終わった。
時間は短かったけど、CD聴いてる時から体験したかった壁のような男性コーラスをナマで聴き、彼らのコーラスに合わせて一緒に歌うことも出来て、個人的には大満足でした。
【SET LIST】...'10.4.6 赤坂BLITZ
1. If It Wasn't For Hate We'd Be Dead By Now
2. It's Not The End Of The World But I Can See It From Here
3. Burn, Burn
4. Darkest Blue
5. Omen (プロディジーのカヴァー)
6. Can't Catch Tomorrow (Good Shoes Won't Save You This Time)
7. Last Summer
8. For He's A Jolly Good Felon
9. A Town Called Hypocrisy
10. Last Train Home
11. Where We Belong
12. Rooftops (A Liberation Broadcast)
13. Everyday Combat
14. Shinobi Vs. Dragon Ninja
(encore)
1. The Light That Burns Twice As Bright