ヒロくんのLIVE REPORT '10 PART 12 福原美穂

 2nd『Music is My Life』に伴う福原美穂の全国ツアー『Sing A Song Tour 2010』を金沢・Eight Hallで観て来た。開演前のフロアではキャロル・キングの『つづれおり』がエンドレスで流れてる。観客の入りは8〜9割ぐらい。小学生くらいの女のコが数名親に連れられて「参戦」してるのが今まで私がEight Hallで観た他のライヴとの決定的な違いだ(笑)。
 ステージ向かって右端のステージ前2列目で開演を待つ。開演予定時間の午後7時を5分あまり廻ると場内の灯りが消え、2nd『Music〜』1曲目の“RISING LIKE A FLAME”のサウンド・コラージュのようなイントロが場内に流れる。このイントロに合わせてステージ向かって右側の袖からバック・バンドのメンバーが登場し、それぞれの持ち場に就く。流れるイントロが自然な感じで生演奏に切り替わると、ステージに今夜の主役・福原美穂が登場。白地に橙と黄の模様が入ったトロピカルな衣装をまとった美穂が、マイクスタンドのマイクを握りしめるようにして“RISING〜”を豊富な声量で熱唱。美穂の右には頭にバンダナ巻いて'70年代っぽいファッションの女性バック・ヴォーカルが居る。美穂のジーンズもベルボトムで、'70年代的(苦笑)。女性バック・ヴォーカルの他には、ギター、ベース、ドラム、キーボードが居て、バック・バンドは5人編成。次に、“未来-ミライ-”を歌うと、「金沢、盛り上がってる?」と観客に声を掛ける。観客の「オーーーッ!」という反応を確認すると、マイクを手に持ち、スタンドをステージ奥に追いやった美穂、♪もっともっと〜キレイになって〜...と歌い始める。“なんで泣きたくなっちゃうんだろう”だ。今回のバンドにはホーン・セクションは居ないので、キーボードでそのパートを再現してた模様。この曲が終わると、M.C.タイム。彼女が金沢に演奏しに来るのは今回が初めてだそうで、「今回のツアーは今日(のライヴ)で5ヶ所目だけど、どこよりも声が出てて、まるで自分がアイドル歌手になったみたい」などと喋り、「アルバムから。“もしかして”」などと曲紹介。この曲からは、“LET IT OUT”、“絶え間なく”...と、しっとり系の曲が続く。“絶え間なく”の演奏を終えると、キーボーディストを除くバンド・メンバーは一旦ステージを去り、「映画『沈まぬ太陽』で使われた曲で、今までライヴで演ってこなかったこの曲をキーボーディストと2人で歌います」などと曲紹介し、“Cry No More”を熱唱。歌い終わると、手にしてたマイクをライヴ前からステージに用意されてたキーボードのスタンドにセットし、美穂のキーボード弾き語りで“優しい赤”を披露。キーボードはこの1曲のみで『御役御免』で、曲が終わると即、スタッフに撤収された。マイクを手にし、この撤収作業を見届けた美穂、「(キーボードが無くなって)これで私はこっちにも動けるワケですね」などと笑う。ここで観客に「地元・金沢のひと〜! 福井から来たひと〜! 富山から来たひと〜!」と順に挙手させる。意外に富山から来たひとが多かった。FM福井のイヴェントに2年連続呼んでもらってる美穂、福井でのライヴなのに「Fukuoka〜!!!」と叫んでしまったことをこの場でザンゲ(苦笑)。さらには「北陸の魚は美味しい。北陸の魚は筋肉質で、北海道の魚は脂肪が多い」などと北陸の魚を誉め、「私の友達に金沢出身のコが3人居るんだけど、3人とも刺青を入れてるんです。金沢ではみんな刺青を入れるんですか?」といった質問もとんだ(苦笑)。この長めのM.C.の後、バンドの面々もステージに戻り、マイケル・ジャクソンの一周忌があったばかりってことで、ジャクソン5の“I Want You Back”(邦題は“帰ってほしいの”)をタンバリンを振りながら披露。続く“Baby Baby”では観客に♪baby〜baby〜baby〜と合唱させて観客とふれあった。
 「上はクラブですか?」などと上階からの雑音を気にする美穂。その騒音に負けじと、盛り上がりモードに突入し始めた美穂。まずは「デビュー曲の“CHANGE”を演ります。みんな一緒に歌えるよね?」と曲紹介し、“CHANGE”。キーを幾分上げ、ソウル/R&B色が濃いアレンジ。「ビートルズの“Get Back ”!」と曲紹介して始まったこの曲では、ギタリストがギター・ソロを魅せ、観客の喝采を浴びる。続く本格的なR&B“TOUCH & LOVE”ではバンドのメンバー紹介があり、曲のエンディングではブルース調に。観客と「higher〜」、「higher〜」と掛け合いをやった後“No Warning (When You're Hit By Love)”を熱唱した美穂、最後には自らの持てる力を振り絞るかのごとく声を張り上げた。曲が終わってから息を切らせながら「まだまだだ」とポツリと漏らした美穂。ライヴがまだまだ続くという意味ではなく、自分はまだまだ未熟者だなぁ〜という意味とのこと(苦笑)。明日・明後日とライヴが無いからムリをしたと言う美穂、呼吸を整うのを待って、最後に自分を支えてくれる全てのひとに感謝の想いを込めた“THANK YOU”を披露。
 美穂とバック・バンドの面々がステージを去ると、ファンがクラップを始める。しばらくすると美穂とギタリストの2人のみがステージに戻って来た。「アンコールありがとう」とファンに御礼を言った美穂、ギタリストのことを親しげに「兄貴」と呼ぶ。どうして「兄貴」なのか? それは、彼が彼女の はとこに当たるからなんだそうだ。「兄貴」と2人で“あいのうた”を演ると、残りのメンバーもステージに戻って来た。ここで改めてもう一度メンバー紹介し、「家族のことを歌ったこんな私的な曲をアルバムに入れていいのか悩んだ」という“Sotsugyou”を演奏。この曲が終わると美穂は再びステージを去った。
 彼女にはまだまだ演ってないヒット曲があるから...と観客の誰しもが考えたんだろう、熱心なクラップにより、美穂とバンド・メンバーが全員ツアー・グッズのTシャツに着替えてステージ上に戻って来た。ひととおりツアー・グッズの紹介を終えると、最後に“LOVE 〜winter song〜”を披露。♪幸せ運ぼ〜笑顔でいよう〜...と観客を合唱させ、大いに盛り上がったところで、この日のライヴは終わった。あれぇ? “HANABI SKY”はぁ...???
 よく笑い、歌うことが楽しくてたまらない美穂の熱唱に圧倒されるしかないライヴ。「みんな温かくて、(だから会場の空気も)温かい」と何度も言ってたのが印象的だった。

【SET LIST】...'10.7.16 金沢・Eight Hall
1. RISING LIKE A FLAME
2. 未来-ミライ-
3. なんで泣きたくなっちゃうんだろう
4. もしかして
5. LET IT OUT
6. 絶え間なく
7. Cry No Mre
8. 優しい赤
9. I Want You Back (ジャクソン5のカヴァー)
10. Baby Baby
11. I Believe
12. CHANGE
13. Get Back (ビートルズのカヴァー)
14. TOUCH & LOVE
15. No Warning (When You're Hit By Love)
16. THANK YOU

(encore 1)
1. あいのうた
2. Sotsugyou

(encore 2)
1. LOVE 〜winter song〜

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