ヒロくんのLIVE REPORT '11 PART 7 Base Ball Bear

 Base Ball Bear(以下、ベボベ)のライヴ・ツアー『10th Anniversary SAYONARA-NOSTALGIA TOUR』の富山公演を6月17日にCLUB MAIROで観て来た。
 フロアの入りは半分ほど。平日ということもあり、制服姿の女子高生の姿もみられる。開演予定時間の7時を5分ほど廻ると、それまで場内に流れてたオアシスの“Acquiesce”がフェイド・アウトし、彼らのライヴ開始の合図であるXTCの“Making Plans For Nigel”(邦題は“がんばれナイジェル”)が流れ始める。やがてドラムの堀之内大介を先頭に、ステージ上にベボベの4人が登場。Tシャツ姿の大介はドラムセットに就く時、頭に巻いてたバンダナを早くも外してシンバル・スタンド(またはシンバルの音を拾うマイクのスタンド)に引っ掛ける。『ゲゲゲの鬼太郎』の目玉おやじがプリントされたTシャツ着たフロントマンの小出祐介が「こんばんは、Base Ball Bearです」と観客に軽く挨拶。演奏始まった曲は、“17才”。いきなりキャッチーで躍動的なこの曲に、ファンの多くが曲に合わせて飛び跳ねる。ステージ中央のヴォーカル/ギターの祐介の右隣にはベースの関根史織、左隣にはギターの湯浅将平が居て、背後で大介が暴れるゴリラのようにドラムを叩きまくってる。ギター・ソロの箇所にさしかかると、祐介が「将平!」と将平に声をかける。次に演奏始まった、史織の弾くベースがブリブリいうイントロの曲は3rdアルバム『(WHAT IS THE) LOVE & POP?』のアタマを飾る“Stairway Generation”。シングルとしてもヒットを記録したこの曲に観客の反応は良く、サビの部分では多くのファンが腕を振り上げで一緒に歌ってた。史織が務めるバック・コーラスのヴォリュームは絞り気味だったけど、それに反してベースの音はデカかった(苦笑)。インディーズ時代の“極彩色イマジネイション”を演ると、祐介が改めて観客に挨拶してから「湯浅のギターがトラブってます」と正直に告白(笑)。場つなぎのためにいろいろ喋り始める。今回のツアーは全公演セットリストが異なっており、全公演会場も会場に来てる観客の顔ぶれも違う。一度きり、一度限りのライヴを楽しんでって下さい...などと祐介が語ってる間ローディーのかたと将平はギター・トラブルの解消に必死。意外にも時間がかかるため、「音が出るんなら(それで)いいんじゃない?」と祐介がしびれを切らして将平に声をかけた頃にようやくトラブルは解消されたようで、「次は将平(のギター)から入る曲だから、さっさと(演奏に)入って下さい」と祐介にゆわれ、将平が弾き始めた曲はこれまたインディーズ時代の曲“君のスピード感”。3rdからの“LOVE LETTER FROM HEART BEAT”、これまたインディーズ時代の代表曲“つよがり少女”、そして3.5thアルバム『DETECTIVE BOYS』からの“星がほしい”...とドンドン曲を繰り出してった。ここでM.C.タイム。祐介が「富山に来たのはいつ以来だっけ? 1年ぶり?」などと観客に問うと、「7ヶ月ぶり。去年の11月以来」とファンのコが言う。「そんなに最近だっけ?」と意外そうな祐介、「富山に来るとイロイロと面白いことがあるよね」などと、過去の富山での想い出話へ。以前富山に演奏しに来た時に飲み屋街をフラついてた大介が「イイ娘がいますよ」などと呼び込みに甘言を囁かれ、入った店には80くらいのオバアチャンが1人...。その店で求められるがままに色紙にサインした大介、酔っぱらってたせいで「Base Ball Bear」を「Base Bear Ball」と間違って書いてしまったとか、その色紙は今でも堀之内大介という人物がいったい何者かよくわからないまま飾られてるハズだ...といった笑い話が大介から嬉々として語られる。次に、祐介から、一昨日から富山に来てて、この日が富山滞在3日目になることを観客に明かし、その間『FMとやま』の番組に出たり、富山市のレンタル自転車システム『シクロシティ』の自転車借りて、将平と2人で富山の街のなかを自転車でうろついてた話をする。富山駅東にある『ゴールデンボウル』というボウリング場が以前から気になってたという祐介。首都圏には雑居ビルのワンフロアだけといったこぢんまりしたボウリング場しかないらしく、『ゴールデンボウル』のような巨大なボウリング場は珍しいらしい。それで前日の夜8時くらいに将平と2人で自転車に乗って『ゴールデンボウル』を覗いて来たとのこと。時間も時間だからガラガラだろうと思って覗いたら、屋内のレーンはすべて使用中で、1/3のレーンは日産自動車のツナギ着た団体が、1/3はマイ・シューズやマイ・ボウルを持ったボウラーの皆さんが占拠。残りの1/3は一般の客が使用してたとのこと。祐介から「富山って、ボウリングが人気なんですね」と問われても、フロアにつめかけてる客の誰もが肯定出来ずに居た(苦笑)。ちなみに、『ゴールデンボウル』では景品の全てがコカ・コーラ社のドリンクという『コカ・コーラ杯』が開かれてるらしく、祐介曰く「こんなにドリンクばかり飲んでたら腹がタポタポになりませんかねぇ〜。みんな興味あったら参加してみてください」とのことだった。先ほどの将平のギター・トラブルの際にたくさん喋ったので、話すことが無い...とボヤいてたワリには長めのM.C.をした祐介、今回のツアーは毎回セット・リストが違うことを改めて話題にし、今日の富山のセットリストは古い曲が多い...とバラした。「ライヴで初めて演る曲もあるし、富山でこういう古い曲を演奏する機会はなかなか無いので、楽しんでって下さい」などと祐介が語ってから演奏始めた曲は“GIRL OF ARMS”。将平が弾くイントロのギター・リフが印象的な“翳ない2人”、そして“SUNSET-KI・RE・I”を演ると、祐介がこれからダンス・タイムに入る旨観客に告げた。みると将平がギターを下ろして、残りの3人が演奏始めた“SAYONARA-NOSTALGIA”に合わせて踊り始める。祐介が「将平がどれだけ踊るかは、富山のみなさんのノリに懸かってますから」などと観客にもっと将平をノせるように言う。ファンは将平に手拍子や声援を送り、将平の踊りを援護(笑)。今回のツアー・タイトルにもなってる“SAYONARA-NOSTALGIA”を無事に演り終え(将平は、踊り終え...笑)、観客が拍手を送ると、祐介が「ダンスを続けてくれた将平にもう一度拍手〜!!!」 と観客に声をかける。これに応え、観客が惜しみない拍手を将平に送った(笑)。将平のダンスの余韻が醒めやらぬなか演奏始まった“ラブ & ポップ”ではフロア中央の天井に吊り下げられたミラーボールが廻り、ライトが当てられる。この日一番演出らしい演出(苦笑)。『DETECTIVE BOYS』からの“Transfer Girl”を演ると、史織が右手でピースサインをしながら歌い始める。“WINK SNIPER”だ。史織がメイン・ヴォーカルとなるこの曲では主客転倒し、祐介がバック・コーラスに頑張る。史織のマイクが拾う音も、バック・コーラスやってる時と違って大きい。ここらへんはスタッフが上手く調整してんだろう(苦笑)。間奏中、ベースのネックをステージ上から観客のほうに向けて突き出した史織。フロア最前列の観客だったらベースに触れたくらい。この日のライヴで一番ワイルドな史織をみせたけど、もし、客にペグ廻されてチューニング狂ったらどうするつもりだったんだろ?(苦笑) ライヴもいよいよ佳境に入って来る。祐介が「まだまだ行けるか、富山!?」みたいな感じで観客に声をかけたようだけど、よく聞き取れない。ここで披露されたのは、“真夏の条件”。ファンが皆♪青々〜と盛り上がり、間奏では将平と祐介が順にギター・ソロをキメるなど、この日のライヴで一番ロックに演奏されたこの曲が終わると、祐介がギターでチョロ〜っと歌い始めたのは“BREEEEZE GIRL”。そのままバンド演奏になだれ込み爽やかなこの曲を演ると、祐介が「今日は来てくれてどうもありがとうございました。Base Ball Bearでした」と観客に御礼を言う。次が最後の曲のようだ。本編最後の3曲は夏つながりでまとめたようで、最後に披露された“ELECTRIC SUMMER”でファンは大いに盛り上がった。
 4人が一旦ステージを去った後、ファンが熱心にアンコール要求のクラップやアンコール・コール(苦笑)、「ベボベ」コールをしてると、ベボベの4人がステージに戻って来た。ラグランTシャツに着替えた大介以外の3人は、ツアー・グッズに着替えることも無く、前のまんまの姿での再登場。ツアー・グッズの宣伝などする気はないらしい(苦笑)。「アンコール、どうもありがとうございます」とファンに御礼を言った祐介が紹介したアンコール1曲目は、6月29日リリース予定の新曲“yoakemae”。この“yoakemae”という曲は彼らにしてはダークなこの曲、史織のバック・コーラスの比重が高い。「今日は来てくれてどうもありがとうございました。Base Ball Bearでした」と改めて観客に御礼を言った後、演奏に入った曲は“changes”。この曲のイントロ聴いただけでファンが「オオ〜ッ!」という感じになる。“changes”で盛り上がった後、ベボベの4人はステージを去った。去り際に祐介がギター・ピックをフロアに投げ入れたけど、強く投げ過ぎてあわや観客が殆ど居ないフロア後方まで飛んでくところだった(苦笑)。ここでフロアの客電が灯き、一部の客(私もだ...苦笑)が家路に就こうとするなか、熱心なファンがアンコール要求のクラップを続けてると、ステージ上にひょっこりと大介が登場。クラップを続けてた熱心なファンすら半ば諦めてたであろう2度目のアンコールが実現したんだから、ファンの間からは驚きの大歓声が上がる。残りの3人も次々にステージに登場し、それぞれの持ち場に就く。ギターを構えた祐介は「Wアンコールはやらない主義なんですけど...。オマエら、帰んないから、出て来てやったワ」と、どこか投げやりな感じ(苦笑)。祐介が言うには、2回目のアンコールで演奏するのも新曲。ライヴでは初めて演奏する曲で、しかもタイトルは恥ずかしいので、内緒とのこと(苦笑)。♪僕のことだけ〜僕のことだけ〜...などと歌われるこの曲を披露し、ベボベの4人は、今度こそホントにライヴを終えた。
 バンド結成10年記念のツアーってこともあり、キャリアからまんべんなく選曲したライヴ...では無く、かなり初期(インディーズ時代)に偏ってたので、ベボベ・ビキナーの私にはかなりキツいライヴだった。また7ヶ月後に富山で会いたいものです。

【SET LIST】...'11.6.17 富山・CLUB MAIRO
1. 17才
2. Stairway Generation
3. 極彩色イマジネイション
4. 君のスピード感
5. LOVE LETTER FROM HEART BEAT
6. つよがり少女
7. 星がほしい
8. GIRL OF ARMS
9. 翳ない2人
10. SUNSET-KI・RE・I
11. SAYONARA-NOSTALGIA
12. ラブ & ポップ
13. Transfer Girl
14. WINK SNIPER
15. 真夏の条件
16. BREEEEZE GIRL
17. ELECTRIC SUMMER

(encore 1)
1. yoakemae (新曲)
2. changes

(encore 2)
1. short hair (新曲)

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