ヒロくんのLIVE REPORT '11 PART 11 阿部真央

 阿部真央こと「あべま」が東京・大阪で1回ずつ開く野外ライヴ・イヴェント『阿部真央らいぶ 夏の陣』を観に、大阪城音楽堂に行って来た。停滞前線の影響で、会場最寄りの森ノ宮駅に着いた時の天気は小雨。上手くすると雨が止むかも...との期待を胸にし、会場に向かう。森ノ宮駅周辺にはあべまのタオルを肩にかけたギャルたちがウヨウヨ(苦笑)。
 小雨がパラつくなか、あべま御一行がステージに登場したのはほぼ開演予定どおりの17:01。 あべまは黒のキャミに白いミニスカートで、膝下まであるブーツ姿。赤いアコースティック・ギター(以下、アコギ)構えて演奏し始めた曲は、新作『素。』のアタマを飾る“痛み”。早速、多くの観客が曲に合わせ、腕を振り上げる。バック・バンドは向かって左から赤い髪のギター、帽子&グラサンのベース、ドラムス、もう1人のギター...の順に並んでて、あべまを含め5人での演奏。次の曲はデビュー・アルバムのタイトル曲“ふりぃ” 。早くも、あべまが観客に歌うようフると、ファンもあべまの期待に応え、しっかり歌う。赤い髪のギタリストがソロを始める前に「ギター、西川 進!」と紹介するあべま。あれ〜!? 西川さん、久しぶり〜!(笑) 次の“人見知りの唄”ではもう1人のギタリストにソロの見せ場を作ってあげたあべま、黒のアコギに替え、「大阪、盛り上がっていくぞ〜!」などとM.C.し、“モットー。”へ。この曲のエンディングでは、西川さんがステージの床(たぶん、雨で濡れてる)に寝転がってギターをかきむしり、観客が「オオーッ!」と反応。この時点ではまだ雨の降りは弱い。赤いアコギに戻し、「帰って来たぞ〜〜〜! ノドも治ったぞ〜!」と大阪のファンに帰還の挨拶したあべま、これまでのロック・モードから一転、アコースティックな曲を披露。まず、“貴方の恋人になりたいのです”を演ると、“じゃあ、何故”へ。CDヴァージョンでは涼し気なシンセの音色が効果的なこの曲、キーボードが無いライヴでは西川さんがギターをジャッジャッと奏でて穴埋め。“19歳の唄”を演って一旦ロック・モードに戻るかと思わせたけど、ここで初めてあべまはアコギを下ろし、バンドの演奏をバックに“キレイな唄”を歌った。それまでマイクスタンドのところでしか歌えなかったあべま、ステージを左右に動き廻り、観客にマイクを差し出し歌わせた。
 スタッフがキーボードをステージに搬入し、セッティングを行ってる間は、あべまのM.C.タイム。「改めまして、阿部真央です」との自己紹介の後、1週前の東京公演の時も何を喋ろうか考えたけど決まらず未だに考えてるような状態であることを話し、キーボードのセッティングのため3分間は話で繋がなきゃならないため、この3分間が今回のライヴの最大のネック・ポイントだ...などとあべま。ファンから「髪切ったね!?」と指摘され、髪を切った話と、『SALA』でシャンプーしたらサラサラになったという話でなんとか場を繋いだあべま(ファンから「(『SALA』から)CMくるよ」と茶々が入る)、ここでキーボーディストのシゲミ・ジェームズさんをステージに招き入れ、キーボードのみの伴奏で“Don't leave me”を歌う。ここであべま、「大切な歌」を演ると宣言し、大切なひとがいつ居なくなるかも分からないから、そうなる前に大切なひとに自分の思いを伝えておこう...といった話をした。この頃から雨が激しくなってきて、あべまも「降って来たね」と言う。これまたキーボードのみをバックに“側にいて”を歌うと、シゲミ・ジェームズさんはここで御役御免。観客の拍手を浴びながらステージを退出。
 激しい雨に、ファンから気遣いの声がかかったあべま、「私は大丈夫、それよりみんなのほうが心配です」と返す。バンドが戻って来て“for ロンリー”を披露すると、次の“MY BABY”では皮無しタンバリンを振りながら歌うあべま、曲の中盤からは水かきを持ってステージにたまった水を掃き出しながら歌う。久しぶりに赤いアコギを構えたあべま、“伝えたいこと”、“走れ”...と曲を繰り出す。“ポーカーフェイス”では観客にマイクを差し出し、ファンに歌わせる。続く“I wanna see you”では曲に合わせて多くのファンはピョンピョン飛び跳ね、西川さんやベーシストはくるくる回転しながら演奏(苦笑)。“I wanna〜”が終わるとアコギを下ろしたあべま、ここでまた「大切な歌」を演ると言い、先に披露した“そばにいて”とは逆で、大切なひとに命が尽きるその時間まで余すこと無く気持ちを伝える歌とのこと。その曲“いつの日も”をバンド演奏をバックに歌い終えると、「みんなに会えない間に悲しいことがありました」と『3.11』の話に触れたあべま、私たちの世代、また次の世代が素晴らしい日本を作ると信じて作った曲などと紹介して、アコギを弾きながら“光”を熱唱。この曲が終わると、あべまもバンド・メンバーも意外に素っ気なくステージを去っていった。
 アンコールを求め、ファンが「あべま」コールをしてると、あべまもバンド・メンバーも皆グッズのTシャツに着替え、帽子を被ってステージに再登場。「あべま『晴れ女』伝説は潰えたけど、こんな素晴らしいライブが出来てんだからいいじゃないか!」などとあべま、「まだまだ歌えるか〜!」などと散々観客を煽ってから“ロンリー”へ。曲が始まると早々に帽子を客席へ投げ入れたあべま、ホントに歌を放棄し、かなりの部分をファンに歌わせた。歌の後バンド・メンバーの紹介をし、バンドの4人はここで退出。ステージにはあべま1人だけ。「あべま、好きやで〜」というファンの声に「私も好きやで〜」と返したあべま、「今日も母からメールが来てました」などと紹介。母の話題になったところで、ライヴでしか聴けないという“母の唄”を弾き語り。FM802のラジオ番組の本が出たことと、阿部真央らいぶNo.3の開催が決定したことをファンに伝えてから、最後の曲として“ストーカーの唄”(!)を演った。まさか、この曲でライヴを締めるとは...。この曲を演ると、あべまはタオル2本をそれぞれボール状にして客席に投げ入れ、ステージを去った。
 ロリ声で歌う曲の割合が意外に低かったものの、雨というバッド・コンディション、そして声帯の治療を受けた後にもかかわらず、精一杯のパフォーマンスを観せてくれた。

【SET LIST】...'11.8.21 大阪城音楽堂
1. 痛み
2. ふりぃ
3. 人見知りの唄〜共感してもらえたら嬉しいって話です〜
4. モットー。
5. 貴方の恋人になりたいのです
6. じゃあ、何故
7. 19歳の唄
8. キレイな唄
9. Don't leave me
10. 側にいて
11. for ロンリー
12. MY BABY
13. 伝えたいこと
14. 走れ
15. ポーカーフェイス
16. I wanna see you
17. いつの日も
18. 光

(encore)
1. ロンリー
2. 母の唄
3. ストーカーの唄〜3丁目、貴方の家〜

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