モトリー・クルーのデビュー30周年アニヴァーサリー・ジャパン・ツアーを観て来た。私が高校生だった頃からの馴染みのバンドだけど、私がライヴを観るのは今回が初めてだ。会場に入ると、当然のことながら(?)私と同年代の観客が多い(苦笑)。なかにはどうみても母娘...といった2人連れの姿も。開演前のステージは白い幕で隠され、今回のツアーの目玉であるトミー・リーの360度回転ジェット・コースター・ドラム・セットもみえない。開演前にはステージ最前列のほうで、スタッフが拡声器を使って、今回のライヴでは演出上塗料がふり撒かれるので、塗料がかかることに同意しない観客は後ろのほうで観るように念押ししてる。これと同じ内容は場内アナウンスでも繰り返され、壁にも案内が貼られてた。
ライヴが始まったのは、7時5分頃。白い幕が落ち、ステージ上の全貌が明らかになった時点ですでに演奏が始まっており、トミーが上半身裸でドラム叩いてる(苦笑)。オープニング曲は“Wild
Side”。場内大歓声のなか、いい感じに日焼けしたヴィンス・ニールがステージ中央に登場。Tシャツにベストを羽織り、50代という年齢を感じさせないほど鍛えられた肉体を見せつけながら歌うヴィンス、声も良く出ててこれまた年齢を感じさせない。そんなヴィンスの右側にニッキー・シックス、左側にミック・マーズが居てそれぞれ楽器を弾いてる。ニッキーは天井から吊るされたマイクでバック・コーラスもとる。多くのファンが♪wild
side〜...と合唱した“Wild Side”に続き、最近の曲である“Saints Of Los
Angeles”を演った後、シルク・ハットを被り全身黒ずくめのミックが短いギター・ソロでつないで“Live
Wire”へ。彼らのデビュー作のアタマを飾る重要な曲に、ファンも大いに盛り上がる。続く“Shout
To The
Devil”では当然のように多くのファンが♪shout!〜shout!〜...と大合唱。この曲が終わると「guitar〜!」とスタッフにギターを持って来させたヴィンス、ギターを構えて“Same
Ol' Situation (S. O. S.)”。この曲でも場内♪same ol'〜same
ol'〜situation〜...と大合唱。ステージ奥のスクリーンに新生児がシャウトするような動画が流れた“Primal
Scream”を演ると、ドラム・キットからステージに降りたトミー、ステージ前方に出て来てM.C.。今回トミーの声を初めて聞いたけど、彼のルックスから私が想像してたのと随分感じが違ってて、シブい(苦笑)。「今日初めて来た奴〜!」と観客に手を挙げさせ、続いて「昨日も来た奴〜!」と手を挙げさせる。昨日の大阪公演も観に来てたファンに対し「オマエら、脳味噌カラッポだな!(笑)」などとトミーならではの謝意を示した後(苦笑)、ドラム・セットの横にあるキーボードを弾き始める。殆どの観客が次に何を演るか分かったことだろう(笑)。“Home
Sweet
Home”だ。モトリーの楽曲のなかで一番「聴かせる曲」であるこの曲が終わると、拍手を送り続けるファンに「thank
you〜! アリガト〜!」とトミーが日本語混じりで御礼を言う。“Home〜”の余韻が残るなか、「俺が一番好きな曲」などとヴィンスが曲紹介し、またもや「guitar〜!」と言ってスタッフにギターを持って来させ、ギターを構える。ヴィンスが一番好きな曲とは“Don't
Go Away Mad (Just Go Away)”。この曲ではオリジナルに無い歌詞(♪fuck
you〜...とか)があったようで、それに合わせてスクリーンに「fuck
you」などと歌詞が表示された。この曲が終わると、ヴィンス、ミック、そしてニッキーは一旦ステージを去った。
ステージにはトミーだけが残ってる。いよいよトミーの360度回転ドラム・ソロだ。ジェット・コースター・ドラム・セットと呼ばれるけど、観覧車を思わせる円形のレールの上をトミーのドラム・セットが動くというモノ。勿論、一番上の位置まで上がる時には上下反転状態となるワケ。トミーがやってたメソッズ・オブ・メイヘムのようなヒップホップ色が濃いバック・トラックに合わせソロを披露するトミー。円形レールの奥には円形のスクリーンがあり、そこに映る悪魔の手に動かされてるかのようにトミーのドラム・セットがレール上を動いてく。トミーのドラム・セットが動く度に観客から歓声が沸いてたけど、歓声を上げない観客は「口あんぐり」で声すら出ない...といった感じだったのでは? 少なくとも私はそうだ(爆笑〜!!!)。ひと通りドラム・ソロを終えたトミー、一旦ドラム・キットから降りる。そして彼と一緒にドラム・セットに乗って360度回転を楽しみたいという観客を募る。多くのファンが手を挙げるなか、運良く選ばれた男性ファンを乗せて2回目の『回転旅行』をスタートさせたトミー、ファンの喝采のなか無事に『旅行』を終える。トミーと入れ替わるようにして今度はミックのギター・ソロ。黒ずくめのなか、顔と手の白さが目立ち、蝋人形のようなミックが弾くフレーズは“Looks
Like
Kill”のイントロにつながってく。残りのメンバーもステージに戻って演奏に加わる。“Looks
Like
Kill”では女性の視線や、スコープ、女性の影が腰をくねらす動画が円形スクリーンに映し出され、続く“Dr.
Feelgood”では、アルバム『ドクター・フィールグッド』のアートワークを思わせる黄緑色のブロックが伸縮する動画が流れる。いつの間にか黒革のコートを脱いでTシャツ姿になってたニッキーがここでM.C.を入れ、ミック、トミー、ヴィンスの順にメンバー紹介。
ヴィンスがバイクのスロットルを廻す仕草をみせ、そのヴィンスの振り真似に合わせエンジンをふかすS.E.が流れる。“Girls,
Girls,
Girls”だ。ファンが♪girls〜girls〜girls〜...と大合唱になった“Girls,
Girls,
Girls”に続くは、彼らにとって初の全米TOP40ヒットで、私にとっても彼らを知るキッカケになった曲“Smokin'
In The Boys
Room”。この曲でもファンは大合唱。スクリーンにはアルバム『シアター・オブ・ペイン』のアートワークが大写しになってる。最後は“Kickstart
My
Heart”。スクリーンには血管のトンネルのなかを心臓まで移動してく映像が流れる。ここまで開演前に告知されてた塗料を撒く演出は無かったけど、この曲のエンディングでニッキーが口から赤いインクを観客に向かって吐き出す。球場のビールの売り子が背負うような機械があり、赤いインクはいくらでも補充がきくようで、ステージ最前列の観客は次々に洗礼を浴びてく。さらに演奏を終えたトミーとニッキーがバケツに入った赤インクをフロアにブチ撒けた。ステージ奥の円形スクリーンには「Thank
you 30th
Anniversary」といったメッセージが映し出され、トミーはドラム・スティック、ヴィンスはペットボトルを投げ入れ、メンバー横一列になって観客に挨拶。トミーが「thank
you〜! アリガト〜!」と何度も御礼を言ってたのが印象的だった。
ヒット曲連発のライヴ。トミーのドラム・ソロも驚愕モノで、もの凄く楽しかった。
【SET LIST】...'11.9.30 ZEPP OSAKA
1. Wild Side
2. Saints Of Los Angeles
3. Live Wire
4. Shout To The Devil
5. Same Ol' Situation (S. O. S.)
6. Primal Scream
7. Home Sweet Home
8. Don't Go Away Mad (Just Go Away)
〜Tommy Lee Drum Solo〜
〜Mick Mars Guitar Solo〜
9. Looks Like Kill
10. Dr. Feelgood
11. Too Young To Fall In Love
12. Too Fast For Love
13. Girls, Girls, Girls
14. Smokin' In The Boys Room
15. Kickstart My Heart