最近のJポップ・シーンで密かにブームとなってるらしい「ギター女子」(略して「ギタ女」(ぎたじょ))界の新星、新山詩織のライヴを、12月12日に代官山UNITで観て来た。今回のライヴは「しおりごと〜acoustic
version〜」と銘打たれており、アコーステックなライヴになることが想定された(当たり前だ!)。すなわち、彼女の持ち歌のうちロック然とした曲(“Everybody
Say
Yeah”など)は演奏されない代わりに、「ギタ女」である彼女の音楽の魅力の神髄に迫れるまたと無い機会である。開演予定時間は18時半であり、平日のライヴにしては早い。たぶん、この春まで埼玉県の現役高校生だった彼女の友人知己(特に、後輩たち)の帰りが遅くならないようにとの配慮だろう(そーいや、終演後の会場では『埼玉新聞』の腕章巻いた女性記者が観客に取材してた)。てっきり18時半開場、19時開演と思い込んでた私は、開演予定時間前にギリギリ滑り込んだ。したがってフロアの前のほうには行けず、後方で背伸びしながら観るハメに...(泣)。場内には20代前半までの男女の姿が多いが、私のようなオッサンの姿(苦笑)も少なくなく、ファン層は意外に幅広い。
開演予定時間を10分ほど過ぎた頃、ステージにサポート・メンバーの2人が登場。そして、新山詩織が遅れてステージに姿を現す。白い半袖ブラウス姿。私の居た場所からはズボンなのかスカートなのかは最後までみえなかった(苦笑)。アコースティック・ギター(以下、アコギ)を構えた彼女が最初に演奏した曲は、“だからさ”。彼女の右にはギタリスト(バック・コーラスも担当)、左にはキーボード奏者が居て、3人での演奏。“だからさ”で静かにライヴを始めた詩織、曲が終わると「しおりごと〜acoustic
version〜へようこそ」などと挨拶し、ファンからの拍手を受ける。「最後まで楽しんでいきましょう。次の曲を聴いて下さい。“Looking
to the
sky”」と曲紹介し、デビュー・アルバムのアタマに収録された“Looking to
the
sky”を披露。この曲にヤられて彼女にハマった私にとって、待ちに待った曲。詩織の持ち歌の数からこの曲が外れることは無いと思ってたけど、やっぱ演られると嬉しい。“Looking〜”の後は、“ひとりごと”、“今
ここにいる”と、シングル曲を惜しみなく披露。“ひとりごと”ではハーモニカふうの音色が聴こえたので、サポートの2人のうちどちらかがハーモニカ吹いてたのかもしれないけど、私の場所からは確認出来ない...(もしかしたらキーボードかも)。観客が曲に合わせて手拍子をしてた“今
ここにいる”を演り終えると、サポートの2人はステージを去った。ここで、M.C.タイム。「改めまして、新山詩織です」と挨拶。「2012年12月12日にアーティスト・デビューしてから2年が経ちました。2年前、私はたくさん名前書いてCDを配ったんですが、今もそのCD持ってるひと、居ますか?」などと詩織が観客に問うと、少なからぬ観客が手を挙げ、これをみて感激する詩織。この春、高校を卒業したことによって学生生活を卒業したことを観客に報告した詩織、卒業する時にはそんなに感慨は無かったけど、今になって当時楽しかったことや嫌だったこともみんな大切に思えて来たと話す。「そんな学生生活が私にくれた3曲を聴いて下さい」などと言ってから、“午後3時”を弾き語りで演奏し始めた詩織。新曲“絶対”のカップリングの“分かってるよ”まで3曲弾き語りで歌い切ると、サポート・メンバーの2人をステージ上に招き入れる詩織。ギタリストは植田浩二さん、キーボードは林
良さんで、2人とも彼女が所属する『ビーイング』系のミュージシャンのようだ。植田さんと仕事をするのは今回が初めてで、林さんとはこれまでも共演歴があるとのこと。3人揃ったところで、“たんぽぽ”を演奏すると、「“今
ここにいる”のカップリングのThe
Birthdayのカヴァーの“ピアノ”を聴いて、少し変わった音がするのに気付いたひと、居ますか?」と観客に問う詩織。この曲では12弦ギターが使われているらしく、今回この曲を演るにあたっても12弦のアコギを使ってみるとのこと。人前で12弦ギターを弾くのは初めてのようで緊張した面持ちの詩織だったけど、何のトラブルも無く、“ピアノ”を演り切った。ここで彼女の地元・埼玉のFM局『Nack
5』で放送してる彼女の番組『しおりごと』での企画で、'70年代から'00年代まで月代わりで1曲ずつ時代ごとにカヴァーした4曲を、順番に演ることになった。まずは、詩織の曲紹介で、“I
Feel The Earth
Move”。このキャロル・キングの名曲は、彼女に大きな影響を与えたという父親の趣味でしょう(苦笑)。このカヴァー4曲では詩織は座って演奏してたため、私の位置からはますます彼女の姿が見えにくくなった(泣)。'80年代の曲としては、THE
TIMERSの“デイドリーム・ビリーバー”が選ばれ、歌詞もモンキーズのオリジナル版ではなく、ゼリーさんの詞だ。ファンが曲に合わせて手拍子し、場内にはミラーボールの光が乱舞した。'80年代までは私でも分かったが、次のCoccoの“Raining
”('90年代)とSUPER BUTTER
DOGの“サヨナラCOLOR”('00年代)は私の守備範囲外のため、サッパリ...(苦笑)。
5曲連続のカヴァー曲の後、再びスタンディングに戻った詩織、ここで「残り2曲」との爆弾宣言をブチかます。ファンからは「エ"エ"〜〜〜ッ!」と不満の声が上がる。まずは、“Don't
Cry”、そして、最後に曲紹介をして“絶対”へ。この曲が終わると、詩織はファンに御礼を言って、一旦ステージを去った。
ファンがアンコール要求の手拍子をしてると、まずグッズの白Tシャツに着替えたサポートの2人がステージに登場し、2人で“White
Christmas”を演奏。そこへ、グッズの水色Tシャツに着替えた詩織が登場。「アンコールありがとうございます」と言ってアコギも構えずに手拍子を始める。観客が鳴らす手拍子に合わせて、“「大丈夫」だって”が披露される。ミラーボールも廻り、場内大盛り上がり。結果から言うと、この日詩織がギターを弾かなかったのはこの曲だけ。最後に“ゆれるユレル”を披露し、「今日はどうもありがとうございました。またライヴで会いましょう」と観客に挨拶してから、改めてサポートの2人を紹介しようとするも、林さんは一足先にステージから去ってしまった。これには、苦笑いするしかなかった詩織。
アコースティックのせいか、彼女の歌の強さを確認出来て有意義なライヴ。ただし、詩織のM.C.の喋りは固く、ちょっとぎこちない。学級委員の男子みたいだった(苦笑)。
【SET LIST】...'14.12.12
代官山UNIT
1. だからさ
2. Looking to the sky
3. ひとりごと
4. 今 ここにいる
5. 午後3時
6. きらきら(...という曲らしい)
7. 分かってるよ
8. たんぽぽ
9. ピアノ (The Birthdayのカヴァー)
10. I Feel The Earth Move (キャロル・キングのカヴァー)
11. デイドリーム・ビリーバー (THE TIMERSのカヴァー)
12. Raining (Coccoのカヴァー)
13. サヨナラCOLOR (SUPER BUTTER DOGのカヴァー)
14. Don't Cry
15. 絶対
(encore)
1. 「大丈夫」だって
2. ゆれるユレル