File #9
PATTY
SMYTH-- Never Enough
パティ・スマイス『ネバー・イナフ』
(1987年、廃盤)
1. Never Enough 2. Downtown Train 3.Give It Time
4. Call To Heaven 5. The River Cried 6. Isn't It
Enough
7. Sue Lee 8. Tough Love
9. Heartache Heard Around The World
おととい(2/27)、『びすかカード』を引き換えてきた。石川・富山両県に店鋪展開するレコード店・山蓄のサービスカードの名前が『びすかカード』(笑)。200点超えしてたから1万円相当のCDと引き換え出来た。これで5年連続『びすか』200点超えしてるので、毎年アタリマエのように1万円相当分のCDと引き換えているが、勿論、昔はそんなにレコード買ってなかったから、LP1枚相当分の『びすか』ためるのにも苦労してた。今回取り上げるのは、高校生時代の私が初めて山蓄の『びすかカード』
(当時はそんな名前ではなかったけど)をためて『タダ取り』した想い出のアルバム(笑)...日本では1983年にデビュー作がリリースされたスキャンダルなるバンドのリード・ヴォーカリストだったパティ・スマイスのソロ・デビュー・アルバム。
スキャンダルは、本国アメリカでは1982年にリリースされたミニ・アルバムでデビューしたのだけど、1984年に出た次のアルバムで、いきなり名義が『SCANDAL
FEATURING PATTY
SMYTH』に変わってた(笑)。日本盤では『パティ・スマイス&スキャンダル』表記になってたと記憶するが、その次のアルバムではグループ名が取れ、単に『パティ・スマイス』名義でリリースされた(笑)。まるで、マイアミ・サウンド・マシーンが『グロリア・エステファン&マイアミ・サウンド・マシーン』名義を経て、グロリア・エステファンになったようなハナシだが(笑)、その『パティ・スマイス』名義でリリースされた初めてのアルバムがこの『ネバー・イナフ』。一般には、元・スキャンダルのヴォーカリストのソロ・デビュー作という位置付けがされているが、そんな単純なハナシではない!(笑)
このアルバムのプロデューサーにはリック・チャートフが名を連ね、ソングライターにはフーターズのロブ・ハイマンとエリック・バジリアンが参加している。'80年代の音楽に詳しいかたならピン!と来ると思うけど、そうです! シンディ・ローパーの『N.Y.ダンステリア(シーズ・ソー・アンユージュラル)』を手掛けたプロデューサー/ソングライター・チームです! そして、どうもレコード会社もシンディで当てた『2匹目のドジョウ』を狙って、パティにこのプロデューサー/ソングライター・チームを押し付けたフシがある。狙いがミエミエ(笑)。そのため、ギターでフーターズのエリックとロブが参加(その他、豪華ゲストそして、サックスでデイヴィッド・サンボーンも参加)。
アルバムじたいは、勢いのあるロック・ナンバー...イントロの「yeah
!」が痛快...のタイトル・ナンバーで幕を開け、トム・ウェイツのカヴァー曲“Downtown
Train”(のちに、ロッド・スチュワートが大ヒットさせる曲)で聴かせ、“Give
It Time”はミドル・テンポのロック・ナンバーで、“Call To
Heaven”は、しっとりとした聴かせる曲。ここまでがアナログA面。“The
River Cried”は私の大好きなバラード調の曲。“Isn't It
Enough”はポップ・ロック・ナンバー。ユーモラスな“Sue
Lee”、イントロのシャウトがロックしてる?“Tough
Love”と続いて、どことなく間奏がポリスっぽいロック・ナンバー“Heartache
Heard Around The
World”で幕...かと思いきや、隠しトラックが入ってる。生まれたばかりの我が娘に捧げるアカペラ・ナンバー。ほんの十数秒の曲だけど(笑)。
このアルバム、現在は全世界的に廃盤なので、このアルバムの収録曲を聴きたいというひとは'98年に編纂された『グレイテスト・ヒッツ』を買って下さい(笑)。“Downtown
Train”、“The River Cried”、“Heartache Heard Around The
World”、“Isn't It Enough”の4曲が収録されてます。“Never
Enough”が未収録なのには「何故だァ〜!!!」って言いたくなりますが(笑)。
『オリコン』〜『BURRN!』〜『ミュージック・ライフ』〜フリーの音楽ライターの増田勇一氏がよく「MR.
BIGのエリック・マーティンの声は、女と思えば女に聴こえる。パティ・スマイスの歌と聴き比べてみて」って書いてたけど、逆に言うとパティ・スマイスの声は男だといえば男でも通りそうな中性的な声をしてる。このアルバムの次にリリースした2ndソロ作『パティ・スマイス』(1992年)収録の、『Billboard』の『Singles
HOT
100』で2位に長らくランクされる大ヒット曲“愛をこえて”(“Sometimes
Love Just Ain't
Enough”)では、元・イーグルスのドン・ヘンリーとのデュエットを聴かせてるんだけど、よく聴かないと、女と男のデュエットって判らない...と言いたいけど、ちゃんと聴くと区別できるね(笑)。でも、私が輸入盤でこの曲を聴いた時、事前情報がなくて白紙の状態だったから、女と男のデュエットだとは思わなかった(笑)。それほどパティ・スマイスの声は中性的なワケだけど、彼女、ルックスもどこか少年を思わせて中性的なんだよなァ〜(笑)。ハッキリ言うと、私の好みのタイプです(笑)。
余談だけど、パティ・スマイスとパティ・スミスを間違えるひとが多いけど...パティ・スミスのほうが『ニューヨーク・パンクの女王』ね(笑)。Patty
Smyth は両方とも『Y』、Patti Smith
は両方とも『I』で(笑)、「『Y』談はスキャンダル」とでも覚えて区別するように(笑)。覚えてどーなるっつーモンでもないケド(笑)。
Patty
Smyth Discography
●Scandal
『Scandal』('82, Columbia 38194)...カセットのみ
●Scandal Featuring Patty Smyth
『The Warrior』('84, Columbia 39173)
『Scandalous』('96, Sony Music Special Products
22626)...コンピもの???
●Patty Smyth
『Never Enough』('87, Columbia 40182)...廃盤
『Patty Smyth』('92, MCA 10633)
●Patty Smyth Featuring Scandal
『Patty Smyth's Greatest Hits』(写真: '98, Columbia
65616)...日本盤アリ
(2001.3.1)