File #11
HIROSHIMA--
Go
ヒロシマ『GO』
(1987年、import
: EPIC EK 40679)
1. Go 2. I've Been Here Before 3. 311 4. No. 9
5. Obon 6. Even Then 7. Hawaiian Electric
8. Why Can't I Love You
今回取り上げるヒロシマは、アメリカの日系人三世のコミュニティーから生まれたグループ。その名のとおり、広島からアメリカに移民したひとたちの三世なのだろう。日系人らしくメンバーの名前は倉本さんだったり、山本さんだったり、森さん(!)だったりする(笑)。
ここで紹介するアルバム『GO』は、名前のとおり彼らにとって5枚目の作品に当たる。このアルバムでのメンバーは、ダン・クラモト(sax.、フルート、尺八、key.)、ジューン・クラモト(琴、三味線)、ダニー・ヤマモト(ds.)、ジョニー・モリ(和太鼓)、そしてバーバラ・ロング(vo.)。
パーソネル御覧いただけると分かるとおり、彼らは単に日系三世というだけじゃなく、尺八や、琴、三味線、和太鼓など、日本の伝統的楽器を取り入れた音楽をやっている。ジャンルではジャズ扱いされてます。昔のFM雑誌『FMfan』や『FM
Station』などの番組表で彼らの曲は『青色表示』されていたし...(笑)。ジャズというよりもフュージョンですな。フツウ、フュージョンというと、ジャズとロックの融合的なモノが多いけど、ヒロシマが目指した音楽は、ジャズとロックと日本の伝統音楽の融合を計ったものといえそうだ。そういう経歴ゆえ、日本でも彼らのこと結構話題になったんだよ。ちょうど4thアルバム『アナザー・プレイス』のころから全米アルバム・チャートの100位以内にランク・インされるようになり、アメリカで人気が盛り上がった頃、日本でもアルバムがリリースされて、来日公演も何度も組まれたハズ。
このアルバム『GO』の収録曲について触れると、全8曲収録のうち4曲が完全なインストゥルメンタル。1曲目のタイトル・チューンは♪イチ、ニ、サン、イチ、ニ、サン、シ、イチ、ニ、サン、シ、ゴー!...という言葉のみが連呼される曲で、ほとんどインスト。勿論、『五』と『go』を掛けてる(笑)。この曲は日本の某自動車メーカーのCMにも使われてた(笑)。それも、♪イチ、ニ、サン、イチ、ニ、サン、シ、イチ、ニ、サン、シ、ゴー!...とが連呼される部分(笑)。2曲目“I've
Been Here
Before”はフツウのフュージョンっぽいインスト。3曲目の“311”はヴォーカルもの。4曲目の“No.
9”もツウのフュージョンっぽいインスト。5曲目の“Obon”は「お盆」というタイトルどおり琴や三味線、尺八、和太鼓を使いまくり(笑)のインスト。6曲目の“Even
Then”はマリーンふう(笑)のヴォーカルもの。7曲目の“Hawaiian
Electric”もフツウのフュージョンっぽいインスト。8曲目の“Why Can't I
Love
You”もマリーンふう(笑)のヴォーカルもの。こうしてみると、純和風なのは1曲(“Obon”)だけのように思えるけど、他の曲でもしっかり隠し味程度に琴や三味線が入ってます。
個人的にはこのアルバムの白眉は“311”。今居るミクスチャー系のバンドと同じく「three-eleven」と発音します(笑)。一番フツウのポップスに近い曲調でこの曲気に入って何度も聴いてた(笑)。バーバラ・ロングのヴォーカルにすっかり惹かれました(笑)。♪three-eleven,
the top of the stairs, I love the crazy things that we
do〜、three-eleven, I want to be there, forget about my troubles with
you〜...。
この2年後にリリースした『イースト』では、ヴォーカリストをマーチュンにチェンジ。バーバラのヴォーカルに惹かれてた(笑)私にはショックで、彼らに対する興味が急速に失われちゃいました(笑)。ま、私のハナシは置いといて(笑)、世間的にもアルバム『アナザー・プレイス』、『GO』、『イースト』の3枚が彼らのピークだったかな。その後も幾度となくヴォーカリストの交代、レコード会社の移籍を経て、グループじたい今も存続してるみたいです! ビックリ!!! 全然話題になんないから、もう居ないんだと思ってた...。バーバラ以外の4人も健在!みたいです。
Hiroshima Discography
『Hiroshima』('79, Arista 8257)
『Odori』('80, Razor & Tie 82186)
『Third Generation』('83, Epic 38708)
『Another Place』('85, Epic 39938)
『Go』('87, Epic 40679)
『Ongaku』('88, Arista 8437)...コンピレーションもの
『East』('89, Epic 45022)
『Providence』('92, Epic 46232)
『The Best Of Hiroshima』('94, Epic
57388)...その名のとおり、ベスト盤
『L.A.』('94, Qwest 45601)
『Urban World Music』('96, Warner Bros. 46234)
『Between Black And White』('99, Windham Hill 11464)
(2001.3.18)