File #12
NORTHERN
UPROAR-- Nothern Uproar
ノーザン・アップロアー『ノーザン・アップロアー』
(1996年、国内盤
: BMGファンハウス BVCP-932)
1. From A Window 2. Rough Boy 3. Town 4. Kicks
5. Breakthrough 6. Memories 7. Waiting On
8. Livin' It Up 9. Head Under Water 10. Moods
11. Rollercoaster 12. Living In The Red
1995年、ブラーがアルバム『ザ・グレイト・エスケープ』を、そしてオアシスがアルバム『モーニング・グローリー』をそれぞれリリースし、俗に言うところの『ブリット・ポップ』ブームが大爆発。そのブームがそのまま続いた1996年に、オアシスとおんなじマンチェスターから登場した平均年齢17歳の4人組、それがノーザン・アップロアー。
レオン・メイヤ(vo.、b.)
、ポール・ケリー(g.)、ジェフ・フレッチャー(g.)、そしてキース・チャドウィック(ds.)の4人は、シングル“Rollercoaster”でデビュー。次にリリースした“From
A
Window”は全英チャートの17位まで上昇するヒットを記録。この際、ヴォーカルのレオンは英『Select』誌のインタヴューで「ビートルズの“Love
Me
Do”も17位まで上がったんだぜ!」と語ったという。で、その大ヒットを記録した“From
A
Window”の余勢を借りて大ヒット!...するハズだったこのデビュー・アルバム、何故かさほど売れなかったようだ。それについて、この年の来日公演時の雑誌インタヴュー(『rockin'
on』1996年12月号p.51)でレオンはこう語っている。「“From
A
Window”が出た途端に、イギリスのプレスの連中がいきなり俺たちのことを叩き始めたんだよ。どういうわけだかあいつら、急に俺たちのことを嫌い始めたんだよ。(中略) 連中は俺たちのことをちゃんと音楽のことで評価してはくれないんだよ。俺たちがオアシスの弟分みたいになってるのも嫌われる原因の一つだね。つまり、オアシスが嫌いなジャーナリストは大勢いるんだけど、何しろ超大物だから連中の悪口は一言も書けないんだよ。じゃあ誰を叩こうか、そうだノーザン・アップロアーがいい、って話になったのさ。我ながら鋭い分析だと思うぜ」。これを受けてギターのポールが喋った名文句がコレ! 「何しろ“ブ男”とまで言われてるんだもんな。“何てひどい顔してるんだ”っていつも言われてるんだ。毎週どこかで“ブ男揃いのノーザン・アップロアー”って書かれてる」(笑)。このインタヴューのお蔭で(少なくとも私のなかでは)“ブサイク・バンドのノーザン・アップロアー”という図式がすっかり成立したけど(笑)、彼らのデビュー・アルバムがそれほど売れなかったのは、『オアシスの弟分』として叩かれたからとか、ブ男揃いだからとかじゃ無くて、やっぱり楽曲の質にバラツキがあり過ぎだったからじゃない?(笑) アルバム通して聴くと、オープニングの“From
A Window”だけが突出してる。あと、“Rough Boy”と“Livin' It
Up”かな。個人的に好きなのは。“From
A
Window”に肩を並べるほどの曲をたくさん準備し切れなかったところに彼らの敗因がありそうだ。
このアルバム、『オアシスの弟分』とされただけあって、オアシスがもっと低年齢化したようなサウンド、楽曲なんだけど、“From
A Window”、“Rough
Boy”、“Town”、“Memories”そして“Rollercoaster”の5曲はマニック・ストリート・プリーチャーズのジェイムズ・ディーン・ブラッドフィールドがプロデュースで参加。そう言われてみるとマニックスっぽいよね(笑)。でも、レオンのヴォーカル・スタイルが、ジェイムズよりもリアム・ギャラガーに近いからやっぱりオアシスだ(笑)。
個人的には彼らのこのアルバム、結構評価してたのに、この後の失速ぶりは残念だけど、彼らと同じ年に、アルバム『1977』でアッシュがデビューしたのも影響あったのかも。なにしろ、アッシュのデビューでティーンエイジャー・バンドという若さが『ウリ』にならなくなたうえに、アッシュの3人のほうが可愛げあるルックスしてたからねぇ〜(笑)、プレス受けもよかったハズだし(笑)。
ノーザン・アップロアーは1997年に2nd『イエスタデイ・トゥモロウ・トゥデイ』をリリース。レオンが太って登場!にみんなビックリしたものだった...。その後の彼らは...消息不明...。
(2001.3.22)