−1991年
ベスト・アルバム10− by
ヒロくん (1) R. E. M.『Out Of
Time』 (1)
私にとって1991年はR. E. M.
の年だった。今作で彼らはホーン・セクションの導入、ケイト・ピーアソン(The
B-52's)やラッパーのKRS-1など多彩なゲストを迎えるなど、かなり意欲的なところを見せている。一方ではピーター・バックの独特のギター・サウンドが抑えられているとか、歌メロが定番化しているなどの批判もあるが、そんなもの雲散してしまうほどの凄みがある。 (2)
ダイナソーJr.のメジャー移籍後初のアルバムである今作は、私に真のROCKとは何か...基本的ROCKのあるべき姿を明確に示してくれたと言える。ROCKという音楽が細分化し、基準が曖昧になっている現在のシーンにおいて彼等の存在は貴重である。ソニック・ユースやニルヴァーナほどの過激さはないが、それはJ・マスシスの人間性のためと好意的に解釈しよう。 (3)
ビルボードのアルバム・チャートでヘヴィ・メタル/ハードロック系アーティストとして初登場1位に初めて輝いた本作は、ヘヴィな曲ばかりで占められていて、聴き手に対し、中指を立てながら歌っているセバスチャン・バックのヴォーカルは(後から出てくる某アルバム共々)凄いとしかいいようがない。ストレスがたまっている時は、本作を聴いて発散するがいい。 (4)
遂に芸名から「COUGAR」が外れ、再出発との意だろうか、前作と前々作の路線とうって変わって、ストレートなロックをやっている。個人的には、前作までの路線が好きだったのだが、今作のほうが彼ららしさが出ていると言えるのかも。 (5)
テスラのアコースティック・ライヴを収録したアルバム。彼らの1stと2ndからの曲に加え、ストーンズやビートルズ、CCRなどのカヴァーもあり、MCも含め、小さなクラブのライヴらしい和気あいあいとした雰囲気で聴いているだけで楽しくなってくる。 (6)
毎年、秋ごとにアルバムを出す4人組の4作目。長い曲でも4分台、ほとんどの曲が3分以内と、聴き手を休ませることなく押しよせる音の洪水。あなたもそれに溺れるがいい。 (7)
彼のやっていることを「単なるポップス」と一蹴するのは、たやすい。非常にたやすい。しかし、オジー・オズボーンが「オジー」であることを放棄した今、「アリス」を20年以上も演じ続けるアリス・クーパーの存在は国宝モノである。 (8)
英国人による、英国人のための、極めて英国的作品。 (9)
元・ポリスのドラマーのスチュワート・コープランドのバンドとして聴くよりも、デボラ・ホーランドのソロ作品として聴いたほうが得策。 (10)
アクセル・ローズの頭のネジがブッ飛んだようなヴォーカルが感動をさそう(?)問題作。「II」よりも「I」のほうが全体としては上。 ('91.12.24) ヒロくんのプロフィール...富山のローカル洋楽ラジオ番組『KNBポップス'91』の常連。この原稿は『KNBポップス'91』向けに投稿した原稿を発掘、編集したものです。
(2) DINOSAUR JR.『Green Mind』
(3) SKID ROW『Slave To The Grind』
(4) JOHN MELLENCAMP『Whenever We Wanted』
(5) TESLA『Five Man Acoustical Jam』
(6) PIXIES『Trompe Le Monde』
(7) ALICE COOPER『Hey Stoopid』
(8) MORRISSEY『"Kill Uncle"』
(9) ANIMAL LOGIC『Animal Logic II』
(10) GUNS N' ROSES『Use Your Illusion I』
以下、METALLICA、ELECTRONIC、RIC OCASEK、THE
LA'S、RIDE、TRANSVISION VAMP、GREAT WHITE、THE
SMITHEREENS、LISA
STANSFIELD、YES等もよかった。(ELECTRONICは最後に断腸の思いで外した)
※このアルバムベスト10内を選ぶに当たって、RUSHの作品は考慮されていません。←(格言
: RUSHの上にRUSHなし)