2002年なんでもTOP10

−2002年 ベスト・アルバム10−

by やっしさん

01. Florapop / Sunshine Saturday
02. The Apples In Stereo / Velocity Of Sounds
03. John Cunningham / Happy-Go-Unlucky
04. Brendan Benson / Lapalco
05. The Chevelles / Girl God
06. The Yum Yums / Blame It On The Boogie
07. Ultimate Fakebook / Open Up And Say Awesome
08. John Mayer / Room For Squares
09. Phantom Planet / The Guest
10. The New Pornographers / Mass Romantic

 ぼくの中の最近の嗜好の傾向は「元気が出るロック」。それが今年はパワーポップ方面に顕在化した一年でした。その契機となったのはシンコーミュージックから刊行されたパワーポップのディスク・ガイド本。それからは「パワーポップ的」なものがぼくのキーワードになりました。さて、パワーポップを聴き始めてみると、オリジナル・モッズや70年代ロック、パンク、パブ・ロックなどいろいろ繋がっていって面白い。そんなぼくの02年のベストテンです。
 尚、いちおう順位はつけてありますが、あってないようなものです。

01. マーク&リサの flora 夫妻のデュオ。ビーチ・ボーイズ+ゾンビーズ+カーペンターズという奇跡のようなサウンド&メロディー。見事なコーラス&ハーモニー。ピュア・ポップ好きには昇天モノです。

02. 初期のノイジーなギター・サウンドが復活していて、楽曲も疾走チューン満載。激ヤバ。「ファン・トリック・ノイズメーカー」の頃のアップルズが大好きな人ならノックアウト確実でしょう。

03. 1st は未聴なのでよく分からないのですが、このアルバムを聴く限り、気品あふれるジェントル・ポップという感じで素晴らしいです。70年代のポール・マッカートニーとかエミット・ローズとか思い起こさせる、ピアノとストリングスを基調にしたポップ・アルバム。素敵です。

04. 待ちに待った6年越しの 2nd アルバム。前作とかなり間が空いてしまったので、ヘンに渋くなってたらヤダなあと思っていたのですが、それは全くの杞憂でした。ソング・ライティングは前作と比べ格段の成長の跡を見せているのですが、老成したところはなくて、若々しい魅力に溢れていています。

05. 90年代初頭より活動するオーストラリアのパワーポップ・バンドの待望の4th アルバム。緩急自在の小気味いい楽曲が並ぶ好盤。全曲捨て曲なし。

06. ノルウェー出身のパンキッシュ・ギターバンドの 2nd アルバム。前作に比べ、より土臭く、かなりビルドアップ&ロケンローしててグッド!ブギ調の腰の入ったギターフレーズはいままでにはなかったもの。もちろん彼らの看板である疾走ナンバーは健在。メロディーがよりクッキリと浮き立ち、歌の力強さが増しています。文句なく傑作!

07. アメリカ出身の3ピース・バンドの3rdアルバム。パワーポップの本年度最重要盤。エモ・テイストの疾走感あふれる4コード・ポップの津波、津波、津波。飲み込まれるな!ウィーザー〜レンタルズ直系の泣きメロ炸裂&グリーン・デイばりのポップ・チューンの嵐。ハードネスとポップさが絶妙のバランスで拮抗していて痛快。

08. 名門バークレー音楽院中退という輝かしい(?)経歴を持っている、コネチカット出身の24歳の新進シンガーソングライターのメジャー・デビュー作。とにかく完成度が高い。ポール・マッカートニーや70年代のシンガーソングライターの先達たちの影響を強く感じさせるメロディー・ライン、ジャズ、ボサノヴァ、ソウル、AOR…などなどの深い音楽的知識に裏打ちされた的確なアレンジメント。いやぁ、素晴らしい。ジェントルな歌声も素敵です。

09. LA出身の5人組による 2ndアルバム。1st は98年にゲフィンからリリースされているそうですが、そちらの方は未聴。たまたまレコ屋でフィフス・アヴェニュー・バンド風のジャケに惹かれて、このアルバムを手にとったのでした。それから数ヶ月、ほぼ2〜3日に一回は聴いていた。とにかく「うた」がいい。ジャケのイメージ通りウェストコーストって感じだけじゃなくて、ブリティッシュ・バンドぽい哀愁ナンバーがあったり、今日的な溌剌としたポップ感も内在している。これもパワーポップて呼んでいいのかしらん。

10. カナダはヴァンクーヴァー出身のパワーポップ・バンドの1stアルバム。ソングライターの二人のうち、カール・ニューマンは元ズンパノで、ダン・ベイハーはデストロイヤーに現在も在籍とのこと。カナダ本国では00年にリリースされた作品ですが、マタドールから02年になって英米でリリースされたということで、02年のベストテンに入れました。パワーポップ・ファン即死の、キャッチーでヒネりの効いたメロディーとフック、最高です。

(received '03.1.3)

やっしさんのプロフィール...『ギターポップの殿堂』的なサイト『GROOVY PLACE』管理人。自らメーリング・リストやクラブ・イヴェント、チャット会を主宰し、良い音楽の普及につとめておられます。

 

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