−2003年
映画 TOP10− by
Sweeperさん (1).
再見〜ツァイチェン・また逢う日まで (1位以外は順位なし) 今年の映画10は未見の映画も多いにも関わらず、結構選ぶのに苦心しました。 マトリックスの2作は「リローデッド」が良かっただけに、「レボリューションズ」が今一つだったので外すしかなかった。「氷海の伝説」、「D.I.」といった普段観ることの出来ない映画も見れたことは収穫だった。 「キル・ビル」はVol2も続けて見たかった。 「小さな中国のお針子」も枠があったら入れたいくらい素敵な映画だった。選外の話はここまで。 再見〜ツァイチェン・また逢う日まで 猟奇的な彼女 戦場のピアニスト ボーリング・フォー・コロンバイン イン・ディス・ワールド トーク・トゥー・ハー クジラの島の伝説 アダプテーション 少女の髪どめ ラスト・サムライ (received
'04.1.5) Sweeperさんのプロフィール...ウクレレ前田さんのサイト『ぷりみてぃぶポップ』の掲示板の常連さんで、3年続けて『なんでもTOP10』に参加いただきました。どうもありがとう!
. 猟奇的な彼女
. 戦場のピアニスト
. ボーリング・フォー・コロンバイン
. イン・ディス・ワールド
. トーク・トゥー・ハー
. クジラの島の伝説
. アダプテーション
. 少女の髪どめ
. ラスト・サムライ
ベスト10に順位はつけられないけど、ベスト1は「再見〜ツァイチェン・また逢う日まで」。
今までこのような映画はいくつかあったはずだけど、今回久し振りに心を揺さぶられた。かつて自分にもあった(かも知れない、あったはず)の他愛の無いやりとり、悪ふざけ、兄弟想い、への郷愁きっと似たようなものがその当時あっただろうという心が締めつけられるくらいの感情移入泣かせる(涙する、の意味)演出、上手すぎる子役たちの演技見終って「いい話だった」と素直に言える映画だった。
「猟奇的」という言葉が当てはまらない、純粋なラブコメでした。笑いとジーンとさせる「ツボ」を心得た映画で楽しめました。
第二次大戦下のポーランド・ワルシャワ、ポランスキーは自分を重ねつつ、映画を見ている側もその時代設定を体験しているかのようかの荒涼とした地獄のような苦しみ・悲しみ。そんな「ピアニスト」の頭の中にはきっと辛い時にはもっとショパンが鳴っていたに違いない。次元・状況は全く違うけどわかる気がする。
地味な作り方。興味深かったのは、この国は常に「不安」を作りそれをあおることで今まで「商売」をしてきたアメリカ、というくだり。「ベン・ハー」、「猿の惑星」といった歴史に残る映画に出た、チャールトン・ヘストンへのインタビュー曰く「銃は家にいても弾は装填するものだ。そのほうがcomfortableだから」というセリフ、劇映画のセリフより印象深いものがあった。
パキスタンの難民キャンプからロンドンまで陸路で移動しようとする少年と青年の話。恐らくは手持ちカメラによる撮影だろう、とてもフィクションには思えない臨場感がある。事実の重なりでこの映画の筋が出来あがっているようだ。その事実は希望が見えていそうで過酷で厳しいものが多い。まるで映画館が砂埃が舞い上がってくるような臨場感、リアルさがある。
映画の冒頭から「植物人間状態」の女主人公、4年もの間その彼女の世話をする看護士を軸に映画が進んでいく。それぞれちがったドラマを持ち、それに葛藤している姿が痛ましくもあり、観ている人たちに「こういう試練あなたならどうする?」と問いかけている気がする、それは押しつけがましいものでは無いけど。ラストシーンの何か「希望」が見出せるような「橋渡し」のようなシーン、まだまだ物語が続いていくような、そんな最後が余韻をさそう。ピナ・バウシュや映画の物語をなぞるかのような歌を歌うカエターノの出演は意外であり嬉しい。
マオリ族の世襲をめぐる初老のリーダーとその息子、孫娘との確執。現代における部族族の世襲という馴染み尾が薄い事柄のようで、普遍的なテーマが描かれている。男性優位の部族で知られるマウイの人たちの悩める現実とそして力強い方向性がを感じた。
「マルコビッチの穴」もおかしくて変な映画だったがこれはもっと変な映画。ドナルド・カウフマン(って誰だ?)が書いた脚本より「デタラメ」だ。でも映画は何故かすごく面白い。マルコビッチの穴の脚本家がライターズ・ブロック(脚本の筆が進まない)による混乱が、実際の人と架空の人をごちゃ混ぜにしてしまう混乱に上手く結びついてしまった。ニコラス・ケイジの姿、あれはメイクアップなのか?
愛についての物語、それもふだん忘れていたことを思いださせるかのような純粋な気持ちが見て取れる物語。物語は人間そのものを描きながらその背景にある状況の困難さも同時に描いている。イラン映画はこうした人間の真理をストレートに投げ込んでくるも思慮深い物語が多い。
これは紛れもなく「黒澤映画」への敬意に満ちた映画だ。 なかなか深い内容だ。これが日本人でなく、ハリウッドで作られたということに少し悔しい気がする。外から見た日本人、サムライは日本人自身が思っている以上に好意的であり敬意すら示している。この物語の内容とこの映画の製作と両面で日本人がいろいろと考えてくれる機会や契機になってくれればいいのではとも思った。殺陣、戦闘シーン、どれも「かっこいい」。 渡辺 謙さんが「正宗」役以来の存在感ある役でT・クルーズを圧倒していた。明治維新10年後という設定でフィクションではあるけど、登場人物のモデルが西郷隆盛や大久保利通だったりするのだろう。製作当初からキワモノ的に扱われてきた映画、なかなかどうして、見返されてしまった。