−2003年
音楽 TOP10− by
Sweeperさん (1).
IF〜プレイズ・ミリアム・アルター (1位以外は順位なし) ベスト10の中での細かい順位はつけられないけど、ベスト1は「IF〜プレイズ・ミリアム・アルター」。リーダーで作曲者であるミレアム・アルターは演奏に参加しないという事情ながら、バンドネオンのディノ・サルーシを中心としてヨーロッパを強く感じさせる音と曲の良さに感動してしまいました。
ベスト10の中にバンドネオンとアコーディオン関係のアルバムが7枚。これはバランスの取れた聞き方とは言えないなぁ。 IF〜Plays Myrian Alter STOY II / STOY Faces & Places / Joe
Zawinul Bajo Cero / New Tango
Duo(Pablo Ziegler and Quique Sinesi) Universal Syncopation /
Miroslav Vitous Entre Chien Et Loup / Daniel
Mille Piazzolla Forever / Richard
Galliano ドミンギーニョス・ベスト盤(2枚) I'anima Delle Cose / Max De
Aloe Quartet Responsorium / Dino
Saluzzi (received
'04.1.5) Sweeperさんのプロフィール...ウクレレ前田さんのサイト『ぷりみてぃぶポップ』の掲示板の常連さんで、3年続けて『なんでもTOP10』に参加いただきました。どうもありがとう!
. STOY II / STOY
. Faces & Places / Joe Zawinul
. Bajo Cero / New Tango Duo(Pablo Ziegler and Quique
Sinesi)
. Universal Syncopation / Miroslav Vitous
. Entre Chien Et Loup / Daniel Mille
. Piazzolla Forever / Richard Galliano
. ドミンギーニョス・ベスト盤(2枚)
. I'anima Delle Cose / Max De Aloe Quartet
. Responsorium / Dino Saluzzi
演奏は一連のサルーシの録音の雰囲気が似ている。ミリアム・アルター(まだ存命している、ベルギー出身のピアニストだけど演奏に参加していない)という作曲者の曲を演奏するということで、ある種の統一感がある。一聴した感じだと一連の曲はみんなシンプルなようで論理的な作りだ。何回も聞いているとヨーロッパや南米を旅しているような気がしてくる。タイトルの並びも面白い、詩を読んでいるかのようだ。
伸縮する小節、目まぐるしい拍子、それを聞き追いしていくうちにトランスしていく。女子12ナントカがタイトル違いで売れ線でやっている曲が5曲目にに演奏されている。
WR時代の「ドミノセオリー」に次ぐ新作といっても違和感がそんなに無い。「ヴォーカル」がシンセより優っている、もしくは「ヴォーカル」が最高のシンセでということを認めたかのような「ヴォーカル」がよく入っている気がする。複雑な和声、リズム構成は健在だ。 70歳になるザヴィヌルは元気いっぱいだ。最近はディープ・フォレストらのいわゆる「ザヴィヌル・チルドレン」達が活躍しているだけど「本家本元」は侮れない。事実、この作品はここ10年の彼のアルバムの中で一番いい気がする。私の望みはザヴィヌルにソロピアノ集を出してもらいたいというだけなんだけど、彼の性格からそういうことはまず無いだろうなぁ。
曲はシーグレルの曲とピアソラの曲を取り混ぜてギターと曲によっては 参加しているバンドネオンとのインタープレイを楽しむかのような、シリアスにならず、でもかなり高度な構成と演奏がされている。ピアソラ楽団出身のパブロ・シーグレルがやはりかなりのジャズの人であったことを再認識した。 Duoといってもバンドネオンがかなり入るのでDUOともいえないかもしれない。個人的には2曲目のワルツをゆったりとギターと奏でる、端正なソロがとってもマルです。
久し振りのECM録音に、ヤン・ガルバレク、チック・コリア、ジョン・マクラフリン、ジャック・デジョネットという最強なメンバーが終結した。メンバーを見て最初は60年代後半から70年代初頭の昔の音源かと思ったくらいだ。1曲目はコードレスでのガルバレク、デジョネット、ビトウスのトリオの演奏が素晴らしい、2曲目はコリアが彼らしくない印象のピアノを弾く、等など。 70年代初期のベストメンバーを思わせる人たちの30年後のこれまた優れた演奏。何よりもいいのはビトウスが太いラインを弾きまくっていること。「懐かしさ」などを微塵も感じさせないアグレッシブな演奏だ。
ジャケット写真のナルシズムが入ったところがちょっと気になるけど、内容は前作までの路線を踏襲しており期待を裏切らない作品になっている。R・ガリアーノのようなバリバリ弾く人ではないけど聞いた後で必ず余韻が残る不思議なサウンドを持った曲が多い。
タイトルが直接的過ぎる。。。 でも中身は気合が入ったピアソラ曲集だ。バイオリン2本とチェロ1本、ベースにピアノ。弦の響きがいい。 以前、多重録音でガリアーノはピアソラをやったことがあるが甲乙つけがたい(あれも素晴らしいのだ)内容だ。うねっている。アルバムの構成も「ブエノスアイレスの秋・冬」を初めに「〜の夏・春」を終わりに挟むのもならではの構成だ。ソロでやっているとは思えない「リベルタンゴ」や、「鮫」も弦が多い構成員ならではの演奏だ。ちなみに来日公演(MポルタルとのDUO)もまたよかった。
RCA's years とPhilips's years
の2枚編集盤、正式には今年の音源では無いけど企画とその内容がいいからベスト10に入れてしまった。 アコーディオンがこんなにも「明るく、リズミックで、メロディアスな楽器」であったのかということを思い知らさせる。どれもアイデアに溢れた演奏ばかり。
ハーモニカとアコーディオンがフロントでのジャズ演奏、ということで買いだった。イタリア製作らしいけど「泣き」が入るハーモニカのフレーズが泣かせるのだ。
今回は前々作のトリオ作( Cite de la Musique
)と構成は同じでベースが違うだけでサルーシ音楽が堪能出来る。タンゴともジャズともフォークロレとも言いきれない音楽は常に私の憧れの的だ。バンドネオンで切ないフレーズを連発されてしまうのである。