−2004年
音楽 TOP10− by
Sweeperさん 1位 Anything
Goes / ブラッド・メルドウ・トリオ (1位以外は順位なし) 2004年後半は金欠に陥り、十分に新譜を聞くことが出来なくしまったので正当な評価が出来なくなった。 1位 AnythingGoes / ブラッド・メルドウ・トリオ *だるま屋#2 / だるま屋 *異国の香り ( a foreign
sound ) / Caetano Veloso *Images / ケニー・バロン *Chasm / 坂本龍一 *マゴッジャ / トリアングロ・レベルデ *PromicesKept / Steve
Kuhn *Egypt / ユッスー・ウンドゥール *Mudanin Kata / David
Darling & The Wulu Bunun *Concerts / Michel Portal
& Richard Galliano (received
'05.1.9) Sweeperさんのプロフィール...ウクレレ前田さんのサイト『ぷりみてぃぶポップ』の掲示板の常連さんで、4年続けて『なんでもTOP10』に参加いただきました。どうもありがとう!
*だるま屋#2 / だるま屋
*異国の香り ( a foreign sound ) / Caetano Veloso
*Images / ケニー・バロン
*Chasm / 坂本龍一
*マゴッジャ / トリアングロ・レベルデ
*PromicesKept / Steve Kuhn
*Egypt / ユッスー・ウンドゥール
*Mudanin Kata / David Darling & The Wulu Bunun
*Concerts / Michel Portal & Richard
Galliano
そんな中で選ぶというのはどうかな、と思いつつ2004年中頃までに購入以降、かなり繰り返し聞いた盤という基準で選んでみました。 1位以下は順不同としました。
残念なのは10の枠からビョークの「メダラ」が出てしまったこと、「メダラ」もよく聞いたのになあ、11の枠だったらいいのにね。
コメントは当時聞いたときの私の日記WEB文章を加筆校正したものです。
前作「ラルゴ」から一転、スタンダード(といってもレディオヘッドやポ−ル・サイモンの曲もやっている)を演奏するオリジナル・トリオでの演奏。 いろんな展開をする1曲目からかっこいいのだ。 秘めた激しさをもったレディオヘッドの曲や、「SMILE」をやっても普段耳にするようなメロディを紡がない。
これは面白い。 唖然とするぐらいユニークなサウンドだ。
ヴォーカルの重ねと打楽器系の打ち込みがプログレにもエスニックにもフリージャズにも聞える。
重ね録音とはいうもののヴォーカルの上手さは半端ではないし打楽器系の打ち込みはリアルタイムでしか出せない感じの部分が多い(しかも叩き方が結構ジャズしていたりする)。一般的な評価はどういうものになるのか分らないけど、ともかく私はこういうのが大好だ。ライブでの再現は難しいだろうが生で聴きたい音だ。
既にカエターノの声は特殊な楽器になっていて何をどんな言葉で唄っても様になる。
「煙が目にしみる」や「スターダスト」などの大スタンダードを歌おうともストリングスがかぶさろうとも。
「粋な男」カエターノはずっと粋なままで行くのだろうか?
甘々の曲ほど何故か感銘度が高いし最近の曲ほどラテンぽいの何故か?
いずれにしても必聴なアルバムだ。
オーソドックスなジャズピアニストでこれだけ気に入ったピアニストはこの人以外にいないくらいフェイバリットな人の新作。
今回のアルバムはメンバーが彼と同世代の人ではなく若手の人達を起用していて互角に渡り合っている。女性が2人に男性2人の若手、特にベースがキタガワ・キヨシという日本人(だと思う)というのがかなり気になる。
バイブラフォンとフルートのフロントがしっかりとしたサウンドを出しつつしっかりとピアノが映える、いつもながら期待を裏切らないピアニストだ。
ボレレンバウム夫妻とのブラジル音楽も素晴らしかったけど、やはりこういうトータルな音楽(ボサノバとかソロピアノというように「限定」しないという意味で)をやると、教授は一歩も二歩も先に行っている音を提示する。 このアルバムも決して分りやすい聞きやすい音楽ではない。先を行っているのか、それとも影響された人がフォロアーになって結局先端に行っているように思えるのか、とにかく刺激的な音楽であることは間違えない。
1曲目はなんだ? 変則的シンコペーションが自然に聞こえる、このドラムとベースは一体何者だ? 特にベースの中心が常に「後ろ」寄りでありながら(だからということもある)強いグルーブ感を出している、凄い! ドラムも(3曲目なんか特にそうなんだけど)ドラムソロの時には「ホント一人で叩いているの?」というくらい二重人格的な自由な叩き方をする。 9曲目なんてもう「笑う」しかないもんね、たまらないなあ。。。
それにベースがドラムの、ドラムがベースの一部になる重なる瞬間、何連譜のフレーズの時にどちらかが入って来たりするような伸縮自在のウネウネ系のノリがあったりして、このベースとドラムはもっと聴きたいなあ。 聴けば聴きこむほど凄い仕掛のある、濃いアルバムだ。曲のアレンジ、演奏の仕方などはニヤリとするどころかひたすら「すげー」とか「ひえー」しか言えなくなる。
こんなに凄い師匠、佐藤允彦氏にはホントいつも脱帽なのだ。
ストリングを入れた全編彼のオリジナル曲を入れたECMからのアルバム。
このアルバムでは最近の日本のレコード会社製作が作ったアルバムと弾き方も演奏の持って行き方も違う。 むしろ別人のようなピアニストな雰囲気。でも間違えなくこれはスティーブ・キューンのピアノだ。
曲のハーモニーの美しさやストリングスで奏でているラインから美しく「アウト」する瞬間がこの人らしい。
「ララバイ」や「トランス」をやってくれるのがうれしいところだ
前作では故郷に帰って今回は心の拠り所に帰って来た、とかいう言われ方をされるかもしれない。
ジャケットがアラブ文字で書かれており、1曲目が「アラー」なのだ。でも聴いている限りそんな宗教臭さな微塵にも感じない(まあ言葉がわからないからそう思えるのかもしれないけど)。
アラビア歌唱のお約束事の「アラビアン・オーケストレーション」が嫌味が無い程度に挿入される。
この人の声は言葉云々でなく既に国際的な声(という楽器)で、もう何をやっても(勿論このアルバムのサウンドは申し分無いほど素晴らしいのだけど)素晴らしく聞こえてしまう、最近聞いたカエターノやビョークらと同様世界に通じる稀有な声の持ち主だ。
台湾の民族合唱とチェロとのコラボレーション。
言葉こそ違いあれ、台湾はやはり日本に近いせいか、ある種の親近感のあるメロディが身にしみてくる。
この民族が台湾のどの辺りの人達かわからないけど、太平洋側なのか、ポリネシア的な音の広がりを持っているようにも聞こえる。 そういうフォークなところに西洋的な楽器のチェロが絡んでくるのだけど殆ど違和感がなく流れるように耳に入ってくる。 ヒーリングミュージックという変なカテゴライズがされてしまわない事を望むのだけど、肩に力の入らない音楽だ。これを聴いていて(引き合いは比較というのはイケナイのだけど)ポール・ウィンターがかつてロシアの合唱団とやったものを思い出していた(あれはよかった!コンサート聴きに行った)。調べてみるとなるほど、やはりこの人もオレゴンの出身らしい、その共通点がそう思い起こさせるのかなと思い、納得してしまった。
この顔ぶれでかつて「Blow
Up」というアルバムがあり、鬼のようなテクニック全開なガリアーノに少々たじたじなポルタルという感じがしたことを覚えているし、過去二回の来日公演でもそういう気がしていた。
そんな事への配慮か、今回のアルバム、ポルタルの「頑張り」が目立つ。特にポルタルはバンドネオンを前回のアルバムと比べて多いし、ガリアーノがバッキング(これが並にバッキングでは無いのだけど)に回ることがある。 結果としてバランスが取れたサウンドが今まで聞いてきたこのDUOでまた違った側面を出している。