2006年なんでもTOP10

−2006年 ベスト・アルバム10−

by ヒロくん(師匠)

(1) GREG GRAFFIN『Cold As The Clay』
(2) YEAH YEAH YEAHS『Show Your Bones』

(3) WE ARE SCIENTISTS『With Love And Squalor』(『愛することとみじめさと』)
(4) PRIMAL SCREAM『Riot City Blues』
(5) MUSE『Black Holes And Revelations』

(6) THE FUTUREHEADS『News And Tributes』
(7) ARCTIC MONKIES『Whatever People Say I Am, That's What I'm Not』
(8) MARK GARDENER『These Beautiful Ghosts』
(9) THE CHARALATANS『Simpatico』
(10) LOSTPROPHETS『Liberation Transmission』

 独身&カノジョ無し生活を送ってた2003年までとは違い、2004年以降(特に、結婚し、子供も生まれた2005年以降)は音楽を聴く時間が減ってしまい、聴いたアルバムの数じたいははそれほど変わらないものの、じっくり音楽を聴き込むということが少なくなってしまった。だから、初回の2、3回を聴いた第一印象がその作品の評価を左右するワケで、上に挙げたアルバムは「作品が優れている」というよりも、その篩分けを見事に通過した(要は、第一印象が良かった)...と言ったほうがイイかもしれない。
 8枚目までは難無く選べたけど、残りの2枚を選ぶのに結構苦労した。

(1) バッド・レリジョンのグレッグ・グラフィンの1stソロ・アルバム(AMERICAN LESION名義で1997年にリリースした作品を含めると2枚目)。中身はアメリカの大地に根ざした、カントリー風味のあるフォーキーな作風。『メロコアの帝王』と異名を取るバッド・レリジョンの音楽性からすると驚愕の作品といえるけど、曲のよさ、そして彼の特徴的なかすれたヴォーカルに◎。流石は20年近くパンク・シーンを先導してきたひとだけのことはあります。

(2) デビュー作では、ヘンなネェチャン(カレン・O嬢)がゲロ吐きながらのたうち回るようなイメージしか持てなかったけど、この作品はポップで、カレン・Oの女性らしさも垣間見れるなど、(少なくとも私には)劇的な変化が感じられた作品。“Gold Lion”、“Honeybear”、そして“Turn Into”といった曲あたりがお気に入り。

(3) 自称『科学者』(苦笑)のメジャー・デビュー盤。ニューヨーク出身の3人組だけど、本国よりも、英国でウケてるというのもよく解るU.K.ロックっぽいサウンド。フランツ・フェルディナンドふうだったり、マンサンっぽいとこもあったりしたので、すっかりU.K.ロックのつもりでこのアルバムを愛聴してました(笑)。

(4) 名曲“Rocks”を収録してる1994年作『ギヴ・アウト・バット・ドント・ギヴ・アップ』の「ブラック・クロウズ路線」を気に入ってたので、次の『ヴァニシング・ポイント』聴いた時の落胆は言葉には表せないくらい大きかった。その後に出したアルバムも決して悪くなかったけど、心の底から歓迎出来るものでは決してなかった。12年目にしてようやく、彼らがこんな私の期待に応えてくれました! こういうプライマルをず〜〜〜っと待ってた甲斐のある会心のロック・アルバム。革新性が無いという批判もあるけど、聴いてこんなに元気になれる作品を貶しちゃあイケマセンぜ、旦那。

(5) デビュー作の『ショウビズ』にあったレディオヘッド・フォロワーの色は完全に払拭され、彼ら独自の音世界の確立に成功。アルバムのアタマの“Take A Bow”から最後の“Knights Of Cydonia”まで、起承転結がハッキリしてる一種コンセプト・アルバムっぽい作りになっている。ドリーミーでポップな“Starlight”など、個々の楽曲も良い。レディオヘッドもどきのヘナチョコ・バンドからよくぞここまで成長した! 誉めてつかわす!

(6) 英国の4人組の2nd。とてもユニークでユーモラスなサウンド。極端な譬えをすれば、「フランツ・フェルディナンド meets ディーヴォ」。聴いてるだけで自然と頬が弛んでしまうくらい笑える音。ひとを喰ったような飄々としたところが彼らの持ち味なんだろうけど、嫌うひとは徹底的に彼らのサウンドを嫌うだろうなぁ....(苦笑)。

(7) 2006年のU.K.ロック・シーンの話題を独占したような感のある4人組のデビュー・アルバム。デビュー当時のオアシスを「2006年」という時代に合わせモディファイしたようなサウンドで、音から感じられる狂暴性、『俺様』感、ガラの悪さ、追い立てられるかのような焦燥感、切迫感、緊迫感はすべて昔のオアシスを上廻る。音楽メディアが絶賛し、大ヒットを記録するのも当然な音。

(8) 元・ライド〜アニマルハウスのフロントマンだったマーク・ガードナーの1stソロ。シューゲイザーの代表格バンドとして独自の地位を築いたライドの音楽観とは相容れないような、グルーヴ重視のアニマルハウスのサウンドには失望したけど、このソロ・アルバムでは、初期のライドに通じるような繊細なサウンドが聴ける。過去に『黄ライド』や『赤ライド』、『ノーホエア』などの作品を作ったことのあるひとならではの、貫禄の音。

(9) ザ・シャーラタンズの9th。黒人音楽に傾倒したようなファンキーな前々作『ワンダーランド』(2001年作)を境に失速し、大きな傷を負った感じのあった彼ら、前作『アップ・アット・ザ・レイク』での「リハビリ」を経て、ようやく全盛期の『テリング・ストーリーズ』に匹敵するような質の作品を提示できるまでに復活。新世代バンドの台頭が著しい現在のU.K.シーンにおいて、彼らの存在は埋没しがちだけど、まだまだ頑張れることを示した作品。

(10) 英国のハード・ポップ・バンドの3rd。『BURRN!』では「スキッド・ロウを彷佛させる」ということでプッシュしてるけど、言われるほどスキッド・ロウっぽいとは思わない。ハード・ロックとパンク/パワー・ポップの境界線上の音で、双方のファンから支持を得そう。ヘヴィーなハード・ロックから、明るいパワー・ポップ、泣けるバラードまで、曲が良く出来てる。まだ青さの残る20代の5人のメンバー総出(?)の男性コーラスがなんともいえない哀愁を醸し出す。

('07.11.30)

ヒロくん(師匠)のプロフィール...仕事、家事、育児に追われているうちに、あっという間に1年が過ぎてしまったと感じているこのサイトの管理人。

 

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