−2006年
アルバム TOP10− by
Sweeperさん 1位 Tuesday
Wonderland / e.s.t. (1位以外は順位なし) さて、2006年はかなりよい音楽が聴けたと思う。 TuesdayWonderland /
e.s.t. Stoa / Nik Bartsch's
Ronin Spain Again /
ミッショル・カミロ & トマティーニョ モザイク・セクステット ハウス・オン・ヒル /
ブラッド・メルダウ・トリオ クラリネットの喜び /
ヒュニュス・シェンレンディリジ ロンタノ /
トマス スタンコ カルテット METHENY MEHLDAU LE VOYAGE DE SAHAR / ANOUAR
BRAHEM JUAN CONDORI / Dino Saluzzi
Group (received
'07.1.14) Sweeperさんのプロフィール...故・ウクレレ前田さんのブログ『裏声喫茶』の常連さん。6年続けて『なんでもTOP10』に参加いただき、こっちのほうでもすっかり常連さん。どうもありがとう!
Stoa / Nik Bartsch's Ronin
Spain Again / ミッショル・カミロ & トマティーニョ
モザイク・セクステット
ハウス・オン・ヒル / ブラッド・メルダウ・トリオ
クラリネットの喜び / ヒュニュス・シェンレンディリジ
ロンタノ / トマス スタンコ カルテット
METHENY MEHLDAU
LE VOYAGE DE SAHAR / ANOUAR BRAHEM
JUAN CONDORI / Dino Saluzzi Group
相変わらずロックやPOPSの要素が欠如しているけど。。。
2006年のベスト1はかなり迷ったけど、e.s.t.の新作にしました。
このインパクトは他ではなかなか味わえない、以下順位をつける事に意味を見出せな
いので順不同としました。
今回もやはり驚かしてくれる、意外な音、そこにその音を組みこまないだろうというところにパッチングしてくかのような、かといって実験的な感じではなく疾走感だったり、ロック・スピリッツだったりする。でも基本はピアノトリオであるところに戻ってくる。
うねる うねる うねる うねる うねる変拍子でこれだけ「うねり」ながら心地いい「スイング」をさせてもらったのは久し振りだ。シークエンサーのようなリフレインとそれに抗うような即興、パッとそれが変わったりする。これ、大きなスピーカーで聞いたらグルーブ感をもっと体感できるかもしれない。非JAZZな人もこのウネリに乗ってくると思うのはわたしだけであろうか?
「浪人」っていうグループ名って変じゃない?中ジャケみると若そうなお兄ちゃんたちばかりじゃん、恐るべしヨーロッパ人。自身のWEBではRitual
Groove Music とか、Zen(禅?) Funk
と書いてありました。
言うまでもなく、「Spain」の続企画。Spainはやっていないけどラフェイスタはやっています。
こういうインタープレイの新譜を聴いたりすると「こういう音楽が聴くために普段働いているんだよね」と購入後電車内でそう思ってしまった、それくらいいい作品だ。
ピアソラ曲の選曲が意外だったけどこれがハマっている、まあ名手は作品を選ばないのですね。
リーダーはTPのデイブ・ダグラスで他にヴァイオリンのマーク・フェルドマンがジャケットにクレジットされていたので買いだった。なんと2枚ぐみだけど随分安い中古価格だった。かなりの力作だ、基本的にはデイブ・ダグラスと参加メンバーのオリジナル曲で固められていて複雑な構成にフリーインプロを入れたり構成が起伏に富んでいるしこの内容ではもっと聴きたいから2枚組みである必然性を感じてしまう。メンバーは他にピアノ、ベース、ドラムスにバスーンというのがユニークなサウンドの要の一つになっている。
うーん、これってお蔵入りになりそうなものを出してきたの?的な順番、ドラマーが旧メンバーだし。。。
でも演奏は気合が入りまくっている、気合が入りすぎてややシリアス過ぎる、ところは否めない。とはいえ三人三様のリズムをぶつけ合うところが凄い。
ピアノはわざと安易なメロディを外してより難しい領域に突っ込んでいる。
ライナーノートがまたまたくどいほどの持論を展開しているのが興味深い。
何という邦題タイトルだろうか?と思いきや、原題もそうらしい。
トルコのクラリネット奏者のインストアルバム。
すでに録音済の伴奏をさもカラオケをバックに朗々と吹きまくるのはどこか違和感を感じつつも、その伴奏も含めてなかなか興味深いサウンドとクラリネットが紡ぐメロディがなかなかクセ
ロウロウと吹く音の仕草は、もう一人のECMの看板でもあるチャールズ・ロイドと何となく共通点があるのかもしれない。ピアニストが充実しているという点もそうだし。若手ポーランド出身のピアノトリオを従えて伸縮自在なサウンドを展開している。決して盛り上がるという展開にはならないでその手前ぐらいで抑えられるサウンドがこの人の持っている美的感覚なのかもしれない。「秋の夜長にぴったり」とかいうと野暮すぎる表現なのだけど結構じっくり聴きたい、ということころではかみしめて聞きたい一枚だ。
1曲目からひきつけてしまうインタープレイ、ありそうでなかった取り合わせ。2曲以外はduoなのだけど、この二人、こういうduoって今までありそうでなかっただけに新鮮に耳に入ってくる、繊細なプレイだ。3人でやるメルダウさんとはまた違う、攻撃的かつ違うピアニストのような弾き方にも聞えるメルダウさんのピアノが重く殺気すら感じさせる無駄の無い音、メセニィさんは繊細に音を紡いでいく。こんな取り合わせやっぱり凄過ぎる、聞けば聞くほど聞く側もキツイほどのインタープレイだ。
さすがECM、この3人(ウード、ピアノ、アコーディオン)の取り合わせのことをCDのライナーにでも書いてあるかと思いきや曲とイメージ写真しかない、説明不要ということか。3年前もこの3人で録音したものがあり今回もほぼ同じコンセプトと言える。3人とも端正に弾く人達でそれぞれのソロのときはやや崩した感じで演奏したりするけど基本的にはアンサンブル重視の演奏がされている。前作よりも主役(のはずの)ウードがかなりバッキングに回る部分が多いように思えたが、それはそれで十分サウンドしているし全体的にも映える演奏になっている。派手ではなく物憂げな感じすらするけどこの一線を超えない緊張感が全編貫かれている。 ジャケが結構かっこいい。
サルーシ・ファミリーによるGroupでの演奏だ。歌い上げるというより素朴なメロディを紡いでいくというサウンドで、「モホトロ」にはいっていたようなキャッチーなメロディを持った曲は少ない、地味な印象は残るかもしれない。ただサックスが入る事でかなり色がついている。両手の動きが完全に独立していて楽器が二つあるかのようだ。コードで出すハーモニーというより、複数のライン(対位的に動くラインが独特なアクセントを与えている)で、が他で聴けることがないサウンドになっている。1曲目の静かな導入部分から盛りあがって行くところは久し振りにグループで吹き込みをした自信を証明している。