−2007年
映画 TOP10− by
Sweeperさん 1.
善き人のためのソナタ (1位以外は順位なし) 2007年は見たい映画を思うように見れなかったのですが、それでもサプライズと感動が映画にはある。 1. 善き人のためのソナタ シッコ パンズ・ラビリンス 4分間のピアニスト バベル あるスキャンダルの覚え書き ブラッドダイアモンド 長江哀歌 ボーン・アルティメイタム グアンタナモ 僕達が見た真実 (received
'08.1.27) Sweeperさんのプロフィール...故・ウクレレ前田さんのブログ『裏声喫茶』の常連さん。7年続けて『なんでもTOP10』に参加いただき、こっちのほうでもすっかり常連さん。どうもありがとう!
シッコ
パンズ・ラビリンス
4分間のピアニスト
バベル
あるスキャンダルの覚え書き
ブラッドダイアモンド
長江哀歌
ボーン・アルティメイタム
グアンタナモ 僕達が見た真実
例によってベストワンのみでそれ以下の順序付けはしない。感動と驚きが大きかった
この映画が2007年ベストワンは 善き人のためのソナタ
ラストに近くなると、「うーん、してやられた」という事が何回も起きる。 なかなかどう話が着地するのか想像できない。
旧東ドイツ体制における密告と通報が一般の人達を縛っていた。旧東ドイツの反省映画というにはあまりにも人間の本質を掴んだ普遍性を持ったテーマだ。 物語は1984年から始まるというのも意図したものかどうか知らないけど、監視国家体制っていうものを知らない私にはこの映画理解できそうに無はずなのだけど、しっかりこの映画にはまってしまった。
素晴らしい映画です。音楽はガブリエル・ヤレド。
マイケル・ムーア監督作品
アメリカの保険・医療制度の嘘、マヤカシ、偽善を淡々と描く。今回はブッシュどころのワルでは済まされない。
完全にアメリカは貧乏人に冷たい、貧乏人を切り捨てる国です。カナダ、フランス、キューバ、医療制度が充実している、タダというより冗談なくらいな現実
もうフランスに住んだらアメリカに帰れないというアメリカ人の多さ、出産してもタダというイギリスの病院、最新鋭の医療機器をもって検査しても薬代ぐらいしか請求されないキューバ
キューバに9.11で後遺症で苦しむ人達を連れていきその彼らから悔し涙が出る。アメリカって救いようのない国のように思えてくる。。。
ギレルモ・デル・トロ監督作品 この人の映画以前見たことがある。子供時代のあるしゅののスタンジーを帯びた作品だった。今回もグロテスクな部分もあるけど、その路線かもしれない。少女の前世と現在を結びつけるのがなんともグロテスクなキャラクターだったりでもそのグロテスクさに少女は怖じけることがなく子供の好奇心でどんどんと前に進んでいく。
場所はスペインの山の中、時代はスペイン内戦時代、残虐冷徹な大佐に嫁ぐ母親の娘が見る非現実的な光景、いやどっちが非現実的なのだおろうか?現実世界のほうがはるかに非現実なところを見せてその対比と皮肉を味わうことになる。
刑務所に入れられた粗暴で孤独を好む若い女、でも音楽に対しては純粋になれる。
その粗暴な女につく老ピアノ教師、この2人を軸に現在と時には過去にも話が行き来する。
音楽の素晴らしいところを行き来しつつ、人間の尊さと醜さをも行き来します。
なかなか爽快な映画ではなく、アメリカ映画にはない屈折したところがかなりあるけど、こういうリアリティある話を映画が語ってもいいと思います。
重い課題をつきつけられた国を超えた連鎖、というのがテーマなのでしょう。
21gもそうだったけど、過去現在今回は国も超えてしまう話なのだけど、やるせないテーマが根底にあるので、トリッキー感じが全然しない。映画の途中どうするんだよ? この出口の見えない展開は? 救いはあるのよかよ? と思ってしまうほどだった(だからといって甘いハッピーエンディングは待っていないけど)。
3本分の濃い話をリンクする話にしてしまったせいでドロドロな人間模様(でもとても希薄な人間関係でもある)を描く事に成功している。
坂本龍一の「1996」に入っていた曲が凄く印象的に使われている。
フィリップ・グラスの音楽がジュディ・デンチ演じる定年間近のオールドミスの感情を表現する。
ジュディ・デンチが化け物のようで愛おしいようで哀しいようで俗物のようで残酷なようで・・・その対比でケイト・ブランシェットが配役される。化け物といったけど、あういう気質って誰でも持っているような気がするし歳をとればきっとああなるだろうな、と考えてしまった。ラストもまた秀逸でこの映画の視点の鋭さを感服してしまった、ただし後味はとても悪いし重い。
アフリカ現代の闇を照らす映画でした。ディカプリオくんの熱演(過度に抑えたところがいいです)もあってなかなか興味深い映画でした。
世界で平均寿命が最も低い国の一つのシエラレオネ、ここで何が起きているのか?ということの側面をドキュメンタリーさながらに映画はとらえてダイアモンドという先進国の欲望がこの国をいかに狂わせているかをストレートに訴える。なかなか最後は感動的ですらある主人公たちの描き方も嫌味にはならないし、かなりいい映画でしたね。音楽はJames
Newton
Howardが担当、監督はラストサムライを撮ったエドワード・ズウィック。
ジャ・ジャンクー監督作品、現在進行形の中国の姿が見える、取り壊して沈みゆく町、そこにいる人たちの思いもダムの水の下になっていく。
2つの主人公がいるけどむしろその取り巻きの人たちを描くことで、中国の現在をドラマ風にドキュメンタリー風に見ることができる。
そして重慶のあたりだけでなく、中国人の価値観が変わりつつある事実をこの映画は後の時代にも記録して残していくのでしょう。
この映画の充実度は何だ?大した筋もないはずなのに、2時間強あっという間だ。
しかもある種の達成感を観た後で感じているのは何なんだろうか?
カット、編集、場面転換、スピード、サウンドトラック、配役、全て有機的に絡みつき興奮させる映画になっている。
一応完結編のはずなのだろうけど、またやばいことに続編を期待しているんだよね。
マイケル・ウィンターボトム監督がまた告発する。
全く理化できない状況で耐え抜いた若者の体験談の映像化。
理解できない、なぜアラブ系・イスラム系というだけで「おまえはアルカイダか?」と延々と詰問されるのか?
理解できない、なぜアフガニスタンで戦争が起きるのか?
理解できない、なぜ米軍基地がキューバにあるのか?
理解できない、なぜ人間がそこまで人間を動物扱いするのか?
理解できない、なぜ世界はあの大統領を放置するのか?
僕らが見た2時間と彼らの2年半はあまりにも差が大きすぎる。。。