−2007年
展覧会 TOP5− by
Sweeperさん 1.
中村宏 図画事件1953-2007 @東京都現代美術館 (1位以外は順位なし) これもTOP10ではなくTOP5になってしまいますが・・・ 1.
中村宏 図画事件1953-2007 @東京都現代美術館 .
MOTコレクション 1940-80年代の美術 闇の中で in the
darkness @東京都現代美術館 .
岡本太郎展 世田谷時代 @世田谷美術館 . 彼は一体何者だ?De Qui
S'ageit-Il? / アンリ・カルチェ・ブレッソン 展 @東京国立近代博物館 .
エドワード・ムンク展 @国立西洋美術館 (received
'08.2.23) Sweeperさんのプロフィール...故・ウクレレ前田さんのブログ『裏声喫茶』の常連さん。7年続けて『なんでもTOP10』に参加いただき、こっちのほうでもすっかり常連さん。どうもありがとう!
. MOTコレクション 1940-80年代の美術 闇の中で in the
darkness @東京都現代美術館
. 岡本太郎展 世田谷時代 @世田谷美術館
. 彼は一体何者だ?De Qui
S'ageit-Il? / アンリ・カルチェ・ブレッソン 展 @東京国立近代博物館
. エドワード・ムンク展 @国立西洋美術館
BESTは中村宏 展でした。ほとんど知らなかったのですがこんなシャープなアーチスト(画家の範囲を超えているのであえてアーチストと呼びます)はそんなにいないです。他は何回か見たことがある展示だったりしているので確認ではあるので「驚き」は小さい。
1932年生まれの画家は社会の底辺の人々への共感から反体制的なリアルな抽象画を1950年代に描き、60年代は美術界での反体制へ、そして70年代以降は豊かになっていった社会・世相に対してある種の抵抗を表現していって今にいたっている。
作家性・作風の変貌の中にも貫かれているものがあり、70年代いこうの作品群には50年代にあったモチーフを登場させている。
これだけの量と半生(といってもすでに70歳以上の方であるけど)を展示しきるこの企画は、なかなか必見な企画だと思う。
70年代以降の作品は本やポスターのイラストにもあったりしてどこかで観た事がある作品があるに違いないと思う。
常設展というか所蔵品を見事に並び替えた企画の勝利です。
以前にも見た事があるものを「闇」と「死生感」がある作品群に並べて薄明るいところから暗いところに持って行ってしまうのは大胆過ぎる、この企画誰がやったんだろうか?素晴らしい。
失敗としては(私の)、出口から入ってしまったために、いきなり真っ暗から、明るいところに抜けるという、意図とは全く反対のことをしてしまったことです。
ここは所謂企画展が巧いところだ、主役の「岡本太郎」以外にその同時代の影響を受けた画家の作品も展示して岡本太郎を正当に評価出来やすいようにしているからだ。ここでは恐らく初めてなのだろうけど戦災で消失した作品の残された写真があって、それは作家の戦時中の空白を埋める記録としてはとても興味深い(作風がやや違ったりしているからだ)。
相変わらず絵画からは何とも知れないエネルギーを放っていて理解する出来ないとは関係なく、感じる絵画が放つ一種のオーラはやはり流石である。
どうやってこんな決定的な写真が撮れるのだろうか?
どうやってこんな構図で写真が撮れるのだろうか?
彼はデッサンを描き続け構図感覚を磨き、その瞬間を待ち続けたという
勿論、マグナムに参加しているので方向性もしっかりとしている。
インドの写真はまるで、素晴らしい絵画のようだったし、パリを撮った写真は水墨画のようだった被写体の目の方向がいい、ちょっとしたドラマがこれから始まるかのようなそういう雰囲気があふれている。
ムンクは「叫び」などの内面的な絵画を追及することもあったけど、同時に個人的にも公にも委託されて壁面に飾る絵画を描く装飾画家でもあった。
そういう視点でのユニークな絵画展でした。数年前に世田谷美術館であったばかりだけど今回は違う視点での展覧会だったので面白かった。
そうそう、今回は「叫び」はありませんでした。そんな中で労働者を題材にした委託シリーズ<労働者フリーズ>は、直線的で力強く、同じ芸術家とは思えない、そういうギャップが面白い化学反応でした、そんな驚きでこの展覧会は終わる。結構サプライズだったなぁ。