2007年なんでもTOP10

−2007年 ベスト・アルバム10−

by ヒロくん(師匠)

(1) いきものがかり『桜咲く街物語』
(2) BLOC PARTY『A Weekend In The City』

(3) DAUGHTRY『Daughtry』
(4) DINOSAUR JR.『Beyond』
(5) Sau'beach『Saturday's Sunbeam』
(6) 矢野絢子『あいのうた』
(7) GOOD CHARLOTTE『Good Morning Revival』
(8) BRUCE SPRINGSTEEN『Magic』
(9) BAD RELIGION『New Maps Of Hell』
(10) デーモン小暮『GIRLS' ROCK』

 この2〜3年、アルバムをじっくり聴き込むことがめっきり少なくなってしまい、昔はアルバムのよい/悪いを判断するのに最低10回は聴き込んでたんだけど、今じゃあ7〜8回聴いたところでよい/悪いを判断してる(次に聴くべき新譜アルバムが控えてるため)。じっくり聴き込んでその良さが理解出来る前に、「ダメなアルバム」の烙印を押されてしまったアルバムも、たぶんたくさんあることだろう。そんなきびしい篩を見事にすり抜け、見事「合格」(?)の判定が下ったのが、この10枚です。

 2007年は、(前述のような理由で)私にとって文句の付けようが無いくらい素晴らしいアルバムは2枚しかなく、いつもの年なら(7)くらいまでがTOP10入りレヴェルで、(8)〜(10)は選外になる(苦笑)。昔からの年間ベスト・アルバムを選ぶための基準(『ヒロくんズ年間チャートの集計期間内に日本盤が発売され(日本盤が無い場合は本国でのリリース)、期間内に10回以上聴いてるアルバム)から外れた...という理由で、THE DECEMBERISTSの『The Crane Wife』(2006年リリース)やウィズイン・テンプテーションの『ザ・ハート・オブ・エヴリシング』(「規定打席」不足)などが選外になってしまったのが惜しまれます。

(1) 元々、路上でストリート・パフォーマンスを演ってたフォーク・ユニット男性2人組が、(ゆず を目指すのではなく)女性ヴォーカルを入れて、フォークへのコダワリも捨てバンド・サウンドを導入した...というバック・グラウンドがあるため、他のロック・バンドと一線を画した独自のサウンドになってます。収録曲の約半分でアレンジャーやギターでStereo fabrication of youthの江口 亮が関わってるため、昔、ステファブが好きだった私の感性にハマったのかも...(苦笑)。

(2) 音楽の聴き過ぎのせいか、最近、アルバム1曲目のイントロを聴いた途端に「こりゃ、名盤だぁ〜!」と興奮することが無くなりましたが、このアルバムは久しぶりにキタ〜〜〜!!! スパンダー・バレエやシンプル・マインズなど、'80年代のニュー・ウェイヴ/ニュー・ロマンティックスに通じるようなサウンド。

(3) アメリカの人気番組『American Idol』で優勝は逃したものの、上位に喰い込んだことからデビューを果たしたクリス・ドートリーのバンドのデビュー作。「このスキンヘッドのオッサン(実は、みかけほど年寄りではない)のいったいどこがアイドルぢゃ!」とつっこみたくなる風貌だけど、そのルックスを補って余りある歌唱力に魅せられた。サウンドじたいは今のアメリカでウケそうなメイン・ストリーム・ロックですが...。

(4) J.との不仲で脱退したハズのルー・バーロウを含めたオリジナル・メンバーでのダイナソーJR.の再結成にもビックリさせられましたが、この3人でスタジオ・レコーディング作を創ったと聞いてもっとビックリ!!! オリジナル・メンバーの3人でのレコーディングですが、作風はルー脱退後の『グリーン・マインド』以降の音に近い。この復活作を聴いて、『グリーン・マインド』に夢中になってた1991年の春を思い出しました。

(5) 私の地元・富山県が産んだ才能(笑)、朴木&浜下両名を中心とするギター・ポップ・バンドの2年ぶりの新作。「世界のいろんな音楽から影響を受けている」と彼らは公言してるけど、実際にはUSインディーズのような湿り気が少ないサウンドが持ち味。ただし、このアルバムではダンス・ミュージックからの影響も顕著で、聴いてるだけでミラーボールが廻る様を思わず連想してしまうような曲も入ってます(笑)。

(6) 高知県が産んだ才能・矢野絢子がメジャーからインディーズに活動の場を移してリリースした2枚目のアルバム。インディーズならではの商業的配慮が不要な自由な創作環境が奏功したのか、のびのび〜〜〜と気の向くままに演りたいこと演ってる印象。歌声は相変わらず少年のように真っ直ぐで、聴いてると耳が痛く感じる時があります。

(7) もともとポップなパンクを演ってたけど、ますまますパンクから脱却してフツウのポップ・ロック・バンドになった印象。ノリよりも良い曲を書くことを重視したのだろうか、曲が実に書けている。従来は「ガキ向けパンク・バンド」というイメージで、私みたいな30代のオッサンになると「グッド・シャーロットが好き」と口にすることすら憚られる空気があったけど、このアルバムの出来なら私も堂々と「グッド・シャーロットが好き」と言えるよ(笑)。

(8) 1曲目の“Radio Nowhere”のイントロから分かるとおり、ここ数作のボスの作品に無いくらいロックしてるアルバム。メディアが『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』以来、 ブルース・スプリングスティーン&Eストリート・バンド・サウンド完全復活!...などと騒ぐのも納得出来る。『週刊文春』にまで広告載ってるのをみて、ちょっとハシャギ過ぎだなとは思ったケド...(苦笑)。

(9) 前作『エンパイア・ストライクス・ファースト』は、イラクに介入して泥沼にハマったブッシュ政権を目の仇にするあまり、まず思想ありきの頭デッカチなアルバムだった印象がある。このアルバムでもブッシュを批判してることは無いけど、思想と楽曲の調和が取れてて、ファンの求める『バッド・レリジョン像』に近いサウンドを提供してると思います。

(10) ファウンテインズ・オブ・ウェインの『トラフィック・アンド・ウェザー』や、セイヴズ・ザ・デイの『アンダー・ザ・ボーズ』など、10番目には何を持ってくるか結構悩みましたが、どれもTOP10に推すには何かが足りない気がしました。ってことで、10番目はデーモン小暮閣下にしました(苦笑)。閣下と同世代...もとい、閣下と同時期に活躍した'80年代の女性アーティストたちの曲のカヴァー集。カヴァー集だから気楽に聴けたし、原曲を聴いたほうがいいような酷いアレンジのものもあるけど、'80年代にはこんなイイ曲があったんだぁ〜と、再発見もあって結構、感謝してます。SHOW-YAの“限界Lovers”のカヴァーが特に出色。

('07.12.28)

ヒロくん(師匠)のプロフィール...3年前まで独身だったのに、あっという間に2人の娘の父親になってしまったこのサイトの管理人。

 

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