2007年なんでもTOP10

−2007年アルバム TOP10−

by 桑原鏡牙さん

(1) 椎名林檎 『平成風俗』
(2) Chara 『Union』
(3) 東京事変 『娯楽』
(4) Bjork 『Volta』
(5) ムック 『Worst of Mucc』
(6) あふりらんぽ 『スートブレイコー』
(7) Moi dix Mois 『Dixanadu』
(8) Marilyn Manson 『Eat me drink me』
(9) D'espairsRay 『Mirror』
(10) Tori Amos 『American doll posse』

御存知の通り俺はよっぽど好きなアーティストでない限り最新作とかはあんまり聴かないしむしろ最近なんかは十年二十年前の物ばっかり聴いてるので『今年のベスト10』みたいな物作ろうとしても内容があまり充実しない訳です。
きっと本当は今年も沢山の傑作が発表されてきたのでしょうが残念ながら知りもしません。早耳な皆さん(特にヒロくん師匠)、何か御勧めな物あったら是非教えてくださいね。

(1) 椎名林檎女史、三年ぶりのソロ名義でのニューアルバム というだけで既に100点。
正直俺は時々東京事変のやり方には戸惑いを感じる。
椎名林檎は一番好きなアーティストと言い切れるけど東京事変の場合どうもそうはいかないようだ。
さて今回のアルバムはバイオリニストにして指揮者にして編曲家な斉藤ネコ様と仰るこれまた斬新かつ素晴らしい方と共作なさいました。
内容は殆ど2003年の『加爾基精液栗ノ花』発売日に行われた一夜限りのライブ『実演・賣笑ヱクスタシー』と同じのような気が(苦笑)、
映画『さくらん』の為の書き下ろしサウンドトラックも収録されております。
注目すべきは一曲目の『ギャンブル』。言わずと知れた2000年のツアー『下克上エクスタシー』の中で演られ『絶頂集』にも収録された何気名曲ですが、そのオーケストラバージョンとか考えたことも無かった(と言いつつちょっと考えた)から驚いた。
私鏡牙もジャカルタで行われたジャパニーズフェスティバルで東京事変コピーバンドと共に歌わせて頂きました。
俺がぐだぐだと感想を述べる前に、一聴あれ。(こんな言葉有ったっけ?)

(2) こちらも久々のニューアルバム(ほんっと良い響きだね!)。
期待を裏切らないこの新作は優しさや温かさ、可愛らしいのやら御茶目が溢れてる。
何もかも新しいチャラでありながら昔の彼女自身を垣間見る。
今回は珍しく後追い組じゃなくて先行シングル『世界』『Crazy for you』から聴いた俺ですがアルバムに辿り着いた今、おなかいっぱい(藁)。
良いね、チャラさん良いよね。ちなみに今年で御年39歳だそうです。

(3) またしても椎名林檎女史。こちらは期待を裏切らないというか、はっきり言って期待してなかったけど結構納得したってやつ。
というのも、先程にも述べたように東京事変の活動方向にあまり満足してなかった俺。
しかも今作は全曲メンバーによる作品と聞いて「ちぇっなんだそれ」ってな感じでしたが、聴いてみてびっくり。
これってかなり椎名林檎節炸裂してるじゃないですか。
椎名林檎、良いメンバー見つけてきたな。一生手放すなよ(生意気)。
椎名林檎節でありながらも『黒猫道』『月極姫』『酒と下戸』など、戸川純さんを彷彿させるものもあり『某都民』で俺は何故か野宮真貴さん加入前の80年代のピチカート・ファイブを連想してしまった。
今後は椎名林檎+小西康晴とか椎名林檎+平沢進などといった珍コラボも是非拝見したいものですね(またも小生意気)。

(4) びょくたん大好き!萌え萌えびょくたん(藁)。
いつものビョークでありつつ、いつもとはちょっと違うニューアルバム。
世間では「『ポスト』に継ぐ傑作」なんて言われてるみたいですけど、一理ありかもね。
前作『拘束のドローイングH サウンドトラック』の中の曲に歌を付けたり、サンプリングして使用したりもしてます。
『Declare indipendent』は初のメタル風(?)な作品。PVが俺の想像してた物と全く同じでビビりました。
ちなみに俺が買ったCDはインドネシア版の安物(一応本物)なので、歌詞カードが無いなど安っぽい。

(5) タイトルからして、駄作集?と思いがちですが、結成10年を記念してインディーズ時代の音源から厳選したベスト盤です。(メジャーの曲からの『Best of〜』も普通にあります)
10年間やってらっしゃるのに俺はここから聴き始めるなんてなんだか申し訳無いね(律儀)。
聴き始めたきっかけは俺様のなんちゃってフィアンセ、伶様がカラオケでムックばっかり歌ってらっしゃったから。
伶様が『朽木の塔』とか『水槽』とか歌ってたから「ムックってとにかくダークなのね」と思ってたら意外とそうでもなかったような、ポジティヴな所も歌謡な所も青臭い所も有り、勿論ダークな所も沢山有ります。
良いバンドです。ヴィジュアル系は興味ないって人も聴く価値有り!

(6) パパが一時帰国する際、どさんに買ってきてもらいました。やっぱりオニピカの新譜なんて逃す訳にはいかないぜ。
山本精一氏(全然知らない人)のコメント読んで一体どんなアルバムなのかと思ってたらコンセプトアルバムっていうのか音響実験って言えばいいのか、とにかく40分超えの曲一曲入りです(トラックは7つに分かれてますが)。
前作『バカが来た!』の流れをまだ引きずってるのかな、森のうたをずっと歌ってます。
御勧めの聴き方は雨の日にカーテンとか全部閉めてベッドの上で大音量で全部通して聞くこと。
全部脳に浸透してちょっと暗くなるから。

(7) ボーカルがJuka氏からSeth氏に交代するなどのメンバーの出入りもいろいろあって新生Moi dix Mois初のフルアルバム。
Moi dix Mois=私の十(無限)ヶ月に対して「理想郷」である今作は2nd『Nocturnal Opera』に継ぐなかなかの出来で耽美な世界観は変わらずもメタルの要素も加わってサウンド一新。
個人的にはボーカルはJuka氏の方が声の感じも好きだしヴィジュアル的にも男前で良かったのですが魔名様によるとSeth氏はMoi dix Moisに最適なヴォーカリストだそうな。

(8) マソソソ・マソソソことブライアンさんの久々のニューアルバムは歴代の作品群と比べて、なんかフツーじゃないですか?
珍しく発売日当日ぐらいに買いましたが。先行シングル『If I was your vampire』は名曲!
ちなみに『Heart shaped glasses』のビデオに出演してるパツキンで19歳の新しい彼女が憎たらしいのは俺だけですか?
・・・こういうのってヤキモチですね。

(9) 1stの『Coll:set』を聴いたばかりであんまり新譜って感じはしませんでしたが、やはり素晴らしいできです。
と言っておきながらCD自体はあんまり聴いてないけどライブビデオ『Murder day』何回か見ました。
いや、格好良いです!そんじょそこらの御化粧バンドとは比べ物になりません!

(10) ミセス・アモス(アモス女史と言いたいところだが某林檎と被る)の作品を本格的に聴き始めるきっかけになりました。
実は初めて聴いたのは八歳の時で、スペインの姉の部屋で見つけた『Boys for Pele』でしたがよっぽど脳裏に焼き付いてたんでしょうね、最近になってCD屋で今作を見かけて「あ、あの人だ。しかもなんか良さげ」みたいになったけど結局買わなかったのですが偶然知り合いにTori Amos大ファンがいて、頼んだらCD全部コピーしてくれた。
なんだか椎名林檎に通じる物があるような気がするし、かなり気に入りました。
処でこのアルバムの邦題『アメリカ人形軍団』って、実に良い感じ。

後書きになりますが、気合入れて評論もどきな物書いてたら随分長引いてしまってしまいました。
もうちょっと短文で完結に書いたら良かったような気がしますが
管理人様、貴重なスペースを占領してしまい申し訳ありません、或いは有難うございます。

(received '07.12.23)

桑原鏡牙さんのプロフィール...以前「くりら」の名前で『なんでもTOP10』に参加いただいております。その後、インドネシアに移住され、現在もインドネシアで、ロックな生活を送られてるようです。

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