−2008年
音楽 TOP10− by
Sweeperさん 1位 Leucocyte
/ e.s.t. (1位以外は順位なし) 2008年はエスビヨン・スヴェンソンの死という痛ましいことがあり、あの尖鋭的かつ情緒的な音が聴けないというのが残念でならない。 1位 Leucocyte / e.s.t. HOLON / Nik Bartsch’s
RONIN Avatar / ゴンサロ・ルバルカバ Where is There / Myriam
Alter Brad Mehldau Trio Live Jazz Side of the Moon / the
music of Pink Floyd As is…Live at The Blue Note
/ Avishai Cohen Love Day /
リシャール・ガリアーノ 75 ラストバースデイライブ / ジョー・ザヴィヌル January /
マルチン・ボシレフスキ・トリオ (received
'09.1.19) Sweeperさんのプロフィール...故・ウクレレ前田さんのブログ『裏声喫茶』の常連さん。8年続けて『なんでもTOP10』に参加いただき、こっちのほうでもすっかり常連さん。どうもありがとう!
HOLON / Nik Bartsch's RONIN
Avatar / ゴンサロ・ルバルカバ
Where is There / Myriam Alter
Brad Mehldau Trio Live
Jazz Side of the Moon / the music of Pink Floyd
As is…Live at The Blue Note / Avishai Cohen
Love Day / リシャール・ガリアーノ
75 ラストバースデイライブ / ジョー・ザヴィヌル
January / マルチン・ボシレフスキ・トリオ
e.s.t.はライブ盤も2008年に出しているけど、最後のスタジオセッションに敬意を表してみました。
もう新作がない最後のe.s.t.作品。ツアー中にスタジオに何日か入ってセッション的に録音されたらしい。珍しいくらいラフな感じの局面が多い気がする。今までのスタジオ録音ではなかったような荒らしい雰囲気、どちらかというとこのセッションはジャムセッション的に構えずに録音したのではという気がする。とはいえ別にフリーな音楽という感じではなくダイナミックかつ繊細な音楽に仕上がっている、さすがである。返す返す、エスビヨン・スヴェンソンの死が若すぎてまだまだ聞いてみたかった音楽、本当に惜しいことです。合掌
あの変拍子のクロスリズムのグループのECMからの新譜。タイトルが味気ない、Modul 42 とかModul 44 など。始まりそうで始まらなくてでもいつの間にか展開していて始まっている、そんな演奏は今回も健在である。このグループはおそらくは評価がかなり分かれるのではないかと思うけど、私はオーバーダブなしでこれだけJAZZしながらトランスしていく音楽に魅力を感じている。また新譜が出れば気になって買ってしまうことでしょうね。そんな期待を今回聞いてそう思いました、前回を踏襲しつつやや変えてきているところが微妙にあるので。
2007年録音の新作は、甘いゴンサロではなくて、幾何学的な数学的なゴンサロに「回帰」している。二管によるリズムカルなテーマの提示、細かいドラムのシンコペーション、そして饒舌なピアノラインではないけど不思議なメロディラインをもったソロだったりしている。これはもうキューバンジャズとかとっくに脱皮していて、ウィントンが止めてしまったJAZZの進むべき道を一歩も二歩もリードしている気がします。
あの、「If」のコンセプトが同じである。ベース、ドラムス、クラリネットが前作同様ピアノがケニー・ワーナーからサルバトーレ・ボナフェデ、そしてフロントにはジャキス・モレレンバウムのチェロ(これがいいのですね)を配してエキゾチックな曲とどこからソロなのか判別できないようなアレンジと曲をミリアム・アルターは提供して、「If」とどうようのコンセプトでありながら、違った音楽感を出すことに成功している。
2006年Village
Vanguardでのライブ。いやいや、まったくもって隙がない、だれているところがない。迫真のライブの記録である、つまり少々疲れる。ジェフ・バラードのドラムスがいろいろなヴァリエーションを与えてトリオをあおっているのは確かなようだ。聞き込めばいろいろと発見が出てきそうな楽しみなアルバムである。演奏に甘さや隙が全くない。
オルガン奏者サム・ヤエルが中心になってピンクフロイドの音楽を演奏する企画的なアルバム。言うまでもなくタイトルはAnother
side of the Moonのもじりですよね。
ロックでもなくブルースでもないオルガンジャズに納まっているがそれは意図したところなのでしょう。ギターはギルモアしていないし、ウォーターズ的な叫びのようなものもない。むしろクールな素材としての曲ということだろうか。ジャケットもそうであるように「狂気」へのオマージュでもあるようです。アルバムに書いてあるけど「多重録音無しの一発録り」とのこと。確かに繊細に絡みつくサックスも含めた4人のアンサンブルは有機的な動きをしている。
CD+DVDで1枚分のお値段、ChickCoreaのところでベース弾いていたAvishai
Cohenの自分のグループのライブ。
とにかくベースが巧い、というかブンブンなってうなっていうるようなサウンドである。アコベもエレべも両方使い分けて同じようなビートを出しているのが凄いですね。エネルギッシュというか体育会系というかそんな言葉が合いそう、やたら健康的なのだ、バラードをやってもね。演奏は申し分なく面白いし曲もなかなか他で聞けないような独特な曲がそろっている。Caravanをやっているけどべつもののような印象の曲になっている。
ゴンサロ、Cヘイデン、Mシネルという豪華なメンバーでの録音。聞く前からある程度わかっていたけどやはり聞けば聞くほど素晴らしいのです。ゴンサロとガリアーノとの絡みが絶品だしそこにCヘイデンのベースがブンブン鳴っているしMシネルがヴァリエーション豊かなリズムを刻む。もう言葉なんかいらない、期待に違わない傑作です。全編ガリアーノのオリジナル、聞いたことない曲ばかりなのでこのセッションのために書き下ろしたのか? このメンツで来日しないかな?来たら全部聞きに行きそうだ。
亡くなる2か月前の演奏だそうだ。2枚組、かなり充実した内容になっている。WRでの曲もあり、in
a silent
wayのショーターとのDUOもすごくいいし何よりもバンドがノリノリでしかも基本的にはザヴィヌルのワンマンバンドでもあるというところが凄いのですね、すべて掌握してしまっていてしかも他のバンドメンバーが素晴らしい演奏に終始する。本当に最後までこの人は凄かったということですね。
日本版はモリコーネの有名な曲が収録されているので「シネマ・パラディーソ」と命名されている。
ポーランドのピアニストで、トマス・スタンコの伴奏では聴いたことがあったけどトリオとして初めて聞く。タッチは軽いけど、どこかペトルチアーニに似ているかもしれない。沈み込むようなタッチと繊細なタッチ、時にアブストラクトな展開ににも持っていくことができる自在さも併せ持っている。聞くところによるとKジャレットの影響が強いピアニストらしいがキースのような感じはあまりしない、どちらかというとペトルチアーニやエバンスやバイラークのような感覚に近い。Gピーコックの「ヴィネット」を演奏しているのは確かにキースに敬意を表してのことなのだろうか、まあいい曲にはだれの曲であれ敬意を持つことは問題ないけどね。