−2009年
美術展 TOP10− by
Sweeperさん 1位
レオナール・フジタ展 (1位以外順位なし) 1位 レオナール・フジタ展 加山又造展@国立新美術館 20世紀のはじまり ピカソとクレーの生きた時代 展 @Bunkamura(渋谷) 難波田史男展 @世田谷美術館 忘れえぬロシア 国立トレチャコフ美術館 展 @Bunkamura(渋谷) 池田亮司 +/−[the
infinite between 0 and
1] 展覧会 @東京都現代美術館 アロイーズ展 @ワタリウム美術館 エッシャー展@そごう美術館(横浜) 菅原健彦展@練馬区美術館 10 ユニマット美術館
最後の展示 (received
'10.2.7) Sweeperさんのプロフィール...故・ウクレレ前田さんのブログ『裏声喫茶』の常連さん。9年続けて『なんでもTOP10』に参加いただき、こっちのほうでもすっかり常連さん。どうもありがとう!
加山又造展@国立新美術館
20世紀のはじまり ピカソとクレーの生きた時代 展 @Bunkamura(渋谷)
難波田史男展 @世田谷美術館
忘れえぬロシア 国立トレチャコフ美術館 展 @Bunkamura(渋谷)
池田亮司 +/−[the infinite between 0 and
1] 展覧会 @東京都現代美術館
アロイーズ展 @ワタリウム美術館
エッシャー展@そごう美術館(横浜)
菅原健彦展@練馬区美術館
10 ユニマット美術館 最後の展示
日本を捨てて(本人曰く、「日本が私を捨てた」らしい)フランスで活動することになった芸術家、レオナール・フジタの回顧展的なものでした。彼の初期の作品はピカソやゴッホなどの影響がみられるものの、段々と自ら描くべきものが分かってきたのか作風が統一していく過程が面白い。歳をとると枯れた作風にもなるかと思いきやエネルギッシュでダイナミックな画風にもなって、しかも変化を拒まないで取り入れていく柔軟さが感じられる。日本画の要素とモダンなものをうまく融合して独特の色(乳白色)や構図を作成している。
作品とその生きざまがパラレルに見られてアーチストとしての「在り方」について考えさせられるものがあった。
琳派の流れをくむとされる加山又造の作品の一挙公開、とも言うべき展覧会。
とにかく圧倒される絵の構図、きらびやかさ、華やかさ、ダイナミックかつ繊細な描写。
息をのむような美しさの数々には「本当にいいものを観ました」という充足感がある。
展示物を何回も見て其のつど素晴らしいと感じざろうを得ない。
金箔を用いても水墨画で描いても華麗な筆さばきは変わることがない。
あの大きな屏風に素晴らしいペインティング、もう震えがきましたね。
屏風に描かれたものだけでなく、ヌード画やルソーに影響を受けたかのような構図のものもあったり、茶器や着物のデザインも手掛けていて作家の流れがわかりやすい。
また、2004年で没するまえまでにはなんとCGでの絵画を手掛けようとしていた(一部習が展示されていた)というからその新進性には驚くばかりである。
ドイツ、デュッセルドルフのノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館所蔵のピカソやクレーのものを中心に、その時代の画家のコレクションも見れてなかなか面白い企画でした。マティス、シャガール、ブラックといったものから、マグリットやエルンストやミロなどの絵画もあって変化に富んだ内容でした。
クレーの絵画をこれほどまとめて見たことがなかったのでこれはこれでよかった。スケッチというよりか「落書き」のような線だけのスケッチまで展示されていて過程を知るなかでは興味深いものでした。
今までこの人の存在を知らなかった。というより殆ど忘れかけている人なのだろうけど、こうやって世田谷区経堂の出身ということでスポットを当てるのはとてもいいことである。
作風はジョアン・ミロ、カディンスキー、ピカソなどの影響を感じさせつつ、あのような繊細な線と大胆な構図とシンプルな色彩をもった抽象画を延々と描き続けるということはとても孤独な作業だしエネルギーだと思う。
壁一面にある大作があったり小さな作品があったり、とても200円の入場料で見せる展示ではないのだけど充実した展示だった。32歳で急逝したらしいが船からの転落死というミステリアスな死だったらしい。
19世紀のロシアの市井の人達や大自然を描いた絵画が素晴らしい。
北国を描いた森や木々にあたる陽はどこか弱い感じでどちらかというと周りにある雲の黒さが気になる。人物像の視線の先には何があるのか? 3人いて見つめあわせずにそれぞれ違う方向を向いている絵、写真のような写実の正確さ、短い夏を愛おしむかのような外出を描いた絵、暗く陰鬱な冬より季節のいい時を描いている絵の方が多い気がする。ストレートで正攻法なきれいな絵画に素直に感動しました。
電子音楽家であり映像作家でもある池田亮司の個展。
壁一面に映し出される電子波形とリンクする電子音楽
これは聞くとか見るとかでなく体感するものだ。
圧倒するスケールと繰り返されるシークエンスと崩していく展開
暗闇の中で体感するフラッシュのような光の波
立っているとめまいがしそうになるからみんな座り込んで鑑賞することになる。
階下のものは逆に白、そして増幅された低い電子音でも倍音で高音もなっている
係の人は耳栓でもしないと耳がおかしくなるに違いない
これは体感してよかった。
統合失調症となり、32才から78才でなくなるまでの46年間を病院で過ごし自分の精神世界を追い求めて絵を描き続けましたという前ふりはさておき、凄いですよ、これ。
けっこうペラペラな紙に裏表書いてあるものが多いので展示の仕方がユニークだったけどそれ以上にこんな表現があるのこと自体驚きなのです。もちろん落書きとか子どもが描いた絵とか非難はあると思う。でもこれだけゆるぎなく一貫性をもってのスタイルをもっての表現は病気というハンデ抜きに評価されるべきです。
版画とリトグラフで書かれているものが殆ど。以前も観たはずだけど意外に作品は小さい。ユーモアと幾何学と論理性を感じさせる。確かに美術界では異端なのかもしれない。ヨーロッパよりもアメリカで、「少年マガジン」の3巻の表紙になった60年代末に日本でも人気がついたという。スペインのアルハンブラ宮殿のタイル模様に大きく触発されて幾何学的な志向になったという。確かにアルハンブラ宮殿のタイル模様は素晴らしいものね。3次元の立体を混在させてしまう手法のなかにも図形的なひらめきがある。
1962年練馬区出身の個展を練馬区美術館がやる、素晴らしいですね、その支援する姿勢とそれに応える作品の数々。
水墨画からポロックのうねりやサム・フランシスの哲学を現したかのような抽象画、そして金箔を用いて構図も含めての琳派を吸収しつつ自分が何をすべきなのかその自らの物語もわかる展示でいいものを見せてもらいました。大きい作品がダイナミックさと繊細なところが同居してこの人はきっと世界的にも有名になるだろうかなという予感があります。今後の動向が気になるアーチストを2009年の年末に発見しました。
外苑前(変換が何故か「ガイ円前」になる)にあるユニマットが手掛ける文化事業だったのだろうけど、3月末で閉館になるというのでいく。これが結構いいんだ、シャガールをこれだけ見れるのは久しぶりである。これだけではなく、レオナール藤田やユトリロもあったり充実した中身ですね。ブリジストン美術館に並んでいいコレクションだったんだ(と気がつくのがもう遅い)。
そしてシャガールって、あのふわーとした淡い絵ばかりと思いきや、結構力強く情熱的な絵も描くことがわかった。つまりは、今まではわかったつもりでちっともわかっていなかったシャガールの評価でした。