−2009年
アルバム TOP10− by
桑原龍一さん (1)
Matryoshka - Coctura (1)
60〜70年代はおろか80年代でさえも体験していない私の臆断でしかないけれど、'00年代というのは既出の物を少し捏ね繰り回しただけのような、新トレンドやリバイバルと呼ぶにはあまりにも革新性に欠ける音楽ばかりが横行した、面白みのない時代のようにどうしても思えてしまう。そんな時代の中でも常にインスピレーショ
ンの泉であり続けたこの地下シーンを代表すると共に、'00年代を乙に締めくくるのに、これほどまでに似つかわしい作品が他にあるだろうか。異例のヒットを記録した1stアルバムを、本人達を含む九組のアーティストが見事に再構築した珠玉のリミクシーズ。 (2)
95年に失踪し、その後推定自殺として処理された元ギタリスト・リッチーが生前にしたためた詩を基に全曲を構成した、もはや何の解説も必要としない傑作。しきりに目を引くジャケットに然り、どこか全体的に映画「ミステリアス・スキン」の面影が感じられる。 (3)
ガレージパンクで出発したファーストからいきなりパクリ疑惑を掛けられ出ばなを挫かれたバンドの、苦し紛れの方向転換・・・と思わなかったと言えば嘘になるけれど、そんな事すらどうでもよくなるような、聴けば聴くほどのめり込まれる力作。しかーし、パーティーでボーカルのファリスに話しかけ、チラ見の末ガン無視さ
れた俺の心の傷は消えない(笑)。 (4)
長年のファンも初心者も大満足間違いなしの、インパクト・聴き応え共に十二分の大変な意欲作。 (5)
日本人のルーツをポリネシアに見出した、ライブ音源に基づく民族風味のアンビエント作品。中盤の歌モノ「Watch
The World」はまた圧巻。 (6)
締め切りギリギリで発見して見事ランクイン。九十年代のシーン全盛期を踏まえた上で、陳腐に終わらせることなく仕上げた今作は、2009年シューゲイズ・ランキングがあったとすれば迷わず一位に認定したであろう、なかなかの出来栄え。 (7)
タイトルでずばり言い表された通り、うねるような轟音の中でさえ揺ぎ無い静寂が影を潜める少しお耽美な今作は、前作で大満足した自分には少し物足りない部分もあるものの、冷ややかな空気の層のようなギターに乗って囁く美メロ日本語ボーカルが印象的な「Meh
No Mae」には浸りきってしまう。 (8)
従来のギター中心のサウンドから一転して、英語圏で言うところの「Gone
disco」な新作。思い返せばここ数年のうちで一番ありふれた路線変更作戦ということで、なんだかとてもバスに乗り遅れるな的印象を受けた。 (9)
2009年度ニューウェーブ・リバイバルの先頭を切った小粋なセカンドアルバム。それにしても、外見が瓜二つというだけで日頃から無意味にリリー・アーレンと同視されるナターシャがつくづく気の毒だ(笑)。 (10)
「節目」以前のようなソロワークを期待していた人にとっては、恐らく肩透かし以外の何物でもない六年振りのソロ名義。けれどそんな色眼鏡を除けば、案外まずまずの出来。 ↓11位〜20位 (received
'10.1.29) 桑原龍一さんのプロフィール...インドネシア在住。バンド活動などロックな生活を送られてるようです。
(2) Manic Street Preachers - Journal For Plague Lovers
(3) The Horrors - The Primary Colours
(4) BUCK-TICK - Memento Mori
(5) 高木正勝 - Tai Rei Tei Rio
(6) Engineer - Three Fact Fader
(7) Asobi Seksu - Hush
(8) Yeah Yeah Yeahs - It's Blitz!
(9) Bat For Lashes - Two Suns
(10) 椎名林檎 - 三文ゴシップ
Morrissey - Swords
Tori Amos - Abnormally Attracted To Sin
Royksopp - Juniour
JET - SHAKA ROCK
Throbbing Gristle - Third Mind Movement
MUSE - Resistance
清春 - Madrigal Of Decadence
The Big Pink - A Brief History Of Love
Moderat - Self-Titled
Pains Of Being Pure At Heart - Self-Titled