2010年なんでもTOP10

−2010年 しんしょ・ぶんこぼん TOP10−

by Sweeperさん

1位 悪税が日本を滅ぼす / 大村大次郎 著  新潮文庫
どっちがおっかない!?中国とアメリカ / 田母神俊雄&青木直人 著  幻冬舎
中国人民に告ぐ / 金文学 著  祥伝社黄金文庫
2025年 あなたの欲望が地球を滅ぼす / 足立直樹 著  ワニブックス新書
闇の世界金融の超不都合な真実 / 菊川征司 著  徳間書店
なぜ偉人たちは教科書から消えたのか? / 河合敦 著  光文社
図解 超新説 全国未完成鉄道路線 / 川島令三 著  講談社プラスアルファ文庫
バチカン・エクソシスト / Tウィルキンソン 著  文春文庫
残念な人の考え方 / 山崎将志 著  日経新聞出版社
報道が教えてくれないアメリカ弱者革命 / 堤未果 著  新潮文庫

(1位以外は順位なし)

2010年は政治的な本を読むことが多くなった。勉強しないと大変なことになるという危機感がそういう活字を欲していることになるのか。
1位は目からウロコな内容でした。悪税がはびこる理由日本国民が恐れなければいけないのは隣国の圧力でなく政治家、マスコミ、官僚の嘘とゴマカシということです。2位以下は順不同。でも中国関連が続く。

1位 悪税が日本を滅ぼす / 大村大次郎 著  新潮文庫
日本の現実を知らない人にはこれは衝撃的な内容です。
自民党が悪い、民主党が何もしていない、とか言う前にこの本を読んで現状把握しましょう。私も知らなかった事がかなり書かれていて現実を知るということがいかに腹立たしくことなのかということ、その怒りを我慢することに辛さを認識しました。
消費税のからくり、法人税の優遇、金持ち優遇税制、公益法人という闇の天下り、教育委員会をはじめとする団体の使われるべき税金からなる予算の中間搾取で教育現場は貧困する、開業医への差があり過ぎな優遇税制。。。一般市民は馬鹿だとなめ切った政治家に言葉のこぶしを上げなくてはいけない。その前に我々は勉強しなくてはいけない。400円足らず

どっちがおっかない!?中国とアメリカ / 田母神俊雄&青木直人 著  幻冬舎
あの、田母神さんが吠える本です。絶対にテレビ新聞が書かない内容です。
タイトルだけなら、どっちもおっかないよ!と言いたいのですが。読むと中共の怖さと米国のむしり取って搾取して使えなくなったらポイな植民地的発想とどちらがいいですか?ということを問いただしている。そして論理が飛躍して「日本も武装して場合によっては核兵器を持つべき」という結論でこの本は終わっている。この結論さえなければなかなかの本で鋭い視点と報道されない事実が豊富のいい本なんですけどね。

中国人民に告ぐ / 金文学 著  祥伝社黄金文庫
10年ちょっと前に書かれた本の文庫化
でもここで書かれている状況は今の状況と全く変わらない。
朝鮮族系中国人として中国に育ち来日して中国人の気質を書いた本。
漢民族=中国人という自他ともに認める漢民族、そして中国共産党。
中共の批判する本は数あまたあるけど、漢民族の気質そのものをというのはなかなかない。そしていままで歴史的に理解できなかった事件やその理由、背景が分かってくる分かりやすい本です。このタイトルは「中国人民に告ぐ」だけど、日本国民に告ぐ、隣国中国の国民はこうですよ、というメッセージになっている。累々と積み上げた歴史から生まれた中国人民は烏合の衆で拝金主義であるとばっさり切られてしかも中国人民の文化度はその多くの文化遺産とは反比例するかのようになっている。中共は漢民族の気質をもってして生まれた政治システムであることなんですね。最後のあたりまでこの本を読み進めると段々と嫌でイライラする内容になってくる。

2025年 あなたの欲望が地球を滅ぼす / 足立直樹 著  ワニブックス新書
なかなかの力作です。と裏をみるとなんと私と同い年の人です、あっぱれです。
よくまあここまで調べて書いたものです。ウォルマートがいい企業になったというくだりだけは納得いかないのですがまあそれ以外は半ば既知の事実としても肉付け出来る知識としても優れています。グローバル化とデフレ化、荒廃する自然、枯渇する食糧、といった連鎖を断ち切る答えはここには提示していないがあらゆる方向に可能性があることをわかりやすくかいてあるので読んで良かったと思える本です。

闇の世界金融の超不都合な真実 / 菊川征司 著  徳間書店
イルミナである。まあ、大体知っていることが書かれていたけど、アメリカ中央銀行のことは知らなかったなぁ。ということで、この本を信じるか、下らないと捨てるかは個人の勝手。でも説明できないことが多すぎることをどう理解させてくれるのか?
どこまで進んでいるかどうかわからないけど着実に一般人は監視下に入っていくことになる。

なぜ偉人たちは教科書から消えたのか? / 河合敦 著  光文社
足利尊氏像が高師直かもしれない、源頼朝の像も「伝?」となっているし。
昔習った日本史の知識・情報がここのところ疑わしいものが多いのだそうだ。
一番おもしろい話はシーボルトのスパイや、徳川吉宗の将軍になるまでに候補者が急死が多いということ。これはサスペンスやスリラーとして誰か小説化・映画化してくれると面白いのにね。

図解 超新説 全国未完成鉄道路線 / 川島令三 著  講談社プラスアルファ文庫
これから伸びる線路、半ば計画で頓挫した線路、いろいろな事情があってなかなか興味津津な話ばかりである。幻で終わった計画というのも面白い。
東京山手急行というのが戦前の企画、明大前、梅ヶ丘、駒澤大学を通って大井町に行く環状線があったなんで。このネタはラジオでも取り上げますけど

バチカン・エクソシスト / Tウィルキンソン 著  文春文庫
これは興味深い。
バチカンは悪魔払いを認めていて研究もしているという事実。
イタリアという場所での悪魔という概念がとても他の国とは違った現実もあるということが興味深い。アメリカ人ジャーナリストが偏見も持たずに丁寧に取材して否定する側、肯定する側それぞれの立場にも立ちつつ悪魔に憑依されやすい人、状況もわかりやすく描いてその悪魔払い師の紹介と被験者の紹介がリアルである。
確かに映画で有名になった「エクソシスト」だけど、昔からとり行われてきた歴史や魔女狩りのナンセンスなことにも触れていてかなり普段知らない世界をのぞくことが出来る。

残念な人の考え方 / 山崎将志 著  日経新聞出版社
佐藤可士和の本でもこんな内容の本があった。コンサルティング・マーケティングの人が俯瞰の視線で本を書く。
確かに気がつかされることが多い。それぞれの人生のステージで勝てる負けるという話や100%大丈夫なはずなのに「。。。と思います」と言って相手を不安がらせるとかいう事例は確かに糧にはなる。でもね、この本の通りにしたくは無いんですよね。そう考える人が「残念な人」の考え方なのかもしれないけど。

報道が教えてくれないアメリカ弱者革命  / 堤未果 著  新潮文庫
「ルポ最貧国アメリカ」を書いた著者の本。
ここの内容はルポのようなもので、ある何人かの目覚めたアメリカ人らを同行することでインタビューや生き様を伝えていく。
中には大した内容でなこともあったりするけどいく人かの活動の流れがやがて大きな流れとはまだ行かないけど、前進して社会を良くしていこうという確実に歩を進めるところが感動すら覚える。貧困>就職難>大学入学>軍によるリクルートで戦争に貧困層を戦場に入れる>戦場での死>帰ってきてもPTSD,希望通りの大学進学が無かったということすらある。著者の質問に「この仕事を誇りに思いますか?」といって黙ってしまったリクルーターもまた貧困から抜け出したがためにノルマを果たそうと必死であるということ。ここ10年のアメリカが大きく変わりすぎてしまっている、愛国者法や長引く戦争とそれをさせる政治の腐敗。
でも市民レベルではアメリカ人がすべて腐っているんじゃないということを訴えている。

(received '11.1.14)

Sweeperさんのプロフィール...故・ウクレレ前田さんのブログ『裏声喫茶』の常連さん。10年続けて『なんでもTOP10』に参加いただき、こっちのほうでもすっかり常連さん。どうもありがとう!

 

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