−2010年
に触れた音楽 TOPいくつか− by
Toneさん 1位
Switchfoot "Hello Hurricane" 例によってベスト10に絞れないいろいろを適当に羅列します。 1位 Switchfoot "Hello
Hurricane" 2位タイ bloodthirsty butchers
"無題 No Album" 2位タイ Revive "Blink" Starfield "The Saving
One" Imogen Heap "Elipse" Petra "The Ultimate
Collection" Demon Hunter"Storm The Gates
of Hell" Skillet"Comatose" Red"End Of Silence" +/-{plus/minus} "Pulled
Punches" War of Ages"Arise &
Conquer" Article One "Clarity" As I Lay Dying "The Powerless
Rise" Forbidden "Omega Wave" David Crowder
Band"Collision" Brinson "OMG" Michael Kiske & Amanda
Somerville Danger Danger "Revolve" RATT "Infestation" FU "Love I Love" 栄光号 "Gospedelix" AC/DCのコンサート Ozzy Osbourneのコンサート Switchfootのコンサート bloodthirsty
butchersのコンサート Loudpark2010 1日目 Living Colour 来日中止 Stryper 来日キャンセル じゃ、他にもいろいろあったけど時間ないので省略! (received
'11.1.31) Toneさんのプロフィール(自己申告)...いつのまにかThe
first Christian heavy metal from
Japanを名乗ることになってしまったしがないロックファン、バンドマン。http://www.imaritones.net/
2位タイ bloodthirsty butchers "無題 No Album"
2位タイ Revive "Blink"
Starfield "The Saving One"
Imogen Heap "Elipse"
Frou Frou "Details"
Petra "The Ultimate Collection"
Demon Hunter"Storm The Gates of Hell"
Demon Hunter"The World Is A Thorn"
Skillet"Comatose"
Skillet"Awake"
Red"End Of Silence"
Red"Innocence & Instinct"
+/-{plus/minus} "Pulled Punches"
War of Ages"Arise & Conquer"
War of Ages"Eternal"
Article One "Clarity"
As I Lay Dying "The Powerless Rise"
Forbidden "Omega Wave"
David Crowder Band"Collision"
David Crowder Band"Remedy"
Brinson "OMG"
Michael Kiske & Amanda Somerville
"Kiske / Somerville"
Danger Danger "Revolve"
RATT "Infestation"
FU "Love I Love"
栄光号 "Gospedelix"
AC/DCのコンサート
Ozzy Osbourneのコンサート
Switchfootのコンサート
bloodthirsty butchersのコンサート
Loudpark2010 1日目
Living Colour 来日中止
Stryper 来日キャンセル
忘れてるものや省略したものもいろいろあると思うけど適当ですみません。
1位をどれにしようか迷ったんですが、未だに胸の中で鳴っていて現在進行形で突き刺さることからSwitchfootに。
確かアメリカ盤は2009年末に、国内盤は2010年初頭に出た作品。
クリスチャンロックの代表的なアーティストで、周囲のイメージだと、クリスチャンの家庭には一家に一枚必ずあるというようなイメージがある。
僕は恥ずかしながらヒット作"The Beatiful
Letdown"しか聴いていなかったけれど、2月のプロモ来日にあわせて購入した。
海外では大きなフェスや会場でやるアーティストなのに、プロモ来日では、シークレットで50人しか入れない小さなバーで演奏したり(到着が遅れて
入場できず!)、タワレコのインストアで至近距離で見れたりと、国内と国外の人気、情報のギャップを実感。タワレコで本人たちと握手&サインも
ばっちしゲット(笑)
4月の渋谷でのコンサートは本編でこの新作をアルバム曲順どおり演奏し、素晴らしい感動的なものでした。
今作は、自ら独立してインディーズレーベルを立ち上げて、そこからの第一作という話ですが、そのせいか、内容が非常に新鮮ですがすがしい。
"The Beatiful
Letdown"のような、一聴してインパクトがあるようなキラーチューンという感じはまったく無いのだけれど、メッセージが非常にポジティヴですがすが
しく、聴くほどに心に染み入ってくる。
音楽性としては、特に新しいことをやっているわけではないし、どこかで聴いた音だな、とか、こういうの日本のバンドでも数年前に聞いたよね、とい
うものばかりだけれど、Jon
Foremanの独特の声質、そして独特のメロディラインは唯一無二といえるものであり、またそのメッセージ性の純粋さは、さすがクリスチャンロックバン
ドの面目躍如といえる。
どの曲も素晴らしいメロディとドラマを持っており、もう涙なしには聴けないくらいだ。個人的にはやはりタイトルチューンの"Hello
Hurricane"をおすすめしたい。
日本のアンダーグラウンドロックの大御所、ブッチャーズの最新作。
ここ数枚の作品は、内容は充実しながらも、やはりマンネリや限界を感じさせるところもあったところから、おそらく葛藤があったのだろう。そして、
その限界を打ち破る奇跡のような新作が生まれた。これだけのキャリアを持つバンドが、しかも、売れているバンドではなくて、アンダーグラウンドで
苦節何年というバンドが、この年齢にして、これだけ新鮮な音を作ってくるのは、もう凄いとしかいいようがない。メロディが、非常に大胆で力強く、
新鮮。ジャケットの絵が、夭折した北海道出身の画家さんの絵らしいが、ランナーというタイトルらしいが、そのとおり、孤独に自分との戦いを走り続
ける人の魂のすべてが込められている。その勇気に、脱帽。とてもその感動は書ききれない。僕の少ない人生の見聞の中で触れた中では、これは日本の
ロックの中での、今までに聴いた最高のものだ。そしてこれ以上のものは、少なくとも僕の中では、もう現れないだろう。よって僕は、ブッチャーズに
敬意を表し、この作品をもって日本のロックを聴くのを止めた。(いや、事務的には、聴くけど)それくらいの作品だ。ブッチャーズには、日本におい
てロックするということのすべて が込められている。
オーストラリア出身のクリスチャンロックバンドの、セカンドアルバム。
ファーストアルバムでは、クリスチャンバンドなのに、どこか骨太で反骨精神のある、どこかLAメタル的な退廃的な雰囲気をはらんだロックを聞かせ
ていた。そこが気に入っていたのだけれど、きっとクリスチャンミュージックの世界では、そういうのはあまりウケないし、きっと2ndでは方向修正
しておとなしくなっちゃうんだろうな、と予想していた。そして、実際、そのとおりになったんだけれど、そのクオリティが想像をはるかに越えてい
た。音楽的には、ハードな曲は減って、神を賛美する曲が増えたけれど、そこに込められた幸福感、そして信仰の厚さがハンパなかった。そして、表現
の根っこにある骨太さは失われていない。素晴らしい。諸手をあげて拍手。ほんとSwitchfootとブッチャーズとこれと、どれを1位にしよう
か迷ったけど、僅差でSwitchfootの勝ちってことに。
カナダの人気クリスチャンロックバンドの新作。前作、前々作にあったような、キャッチーなキラーチューンは見当たらず、ちょっと地味な印象の作品
といえる。しかし、バンドの持ち味である、優しく、癒されるような楽曲が秀逸で、結果として、ずいぶんハマって聞き込んでしまった。インパクトよ
りもメッセージを優先したバンドの戦略勝ちかもしれない。非常に癒される一枚。
Frou Frou "Details"
知人から、Frou
Frouというバンドを勧められ、聴いてみたのが、この2002年くらいに出ていたらしい"Details"という作品。オシャレ系のエレクトロポップみ
たいな感じだと思うんだけれど、音楽的にもマニアックなツボと、キャッチーさを兼ね備えて、これがなかなか面白かった。そこから、シンガーの
Imogen
Heapの魅力にはまっていき、2009年リリースのソロ作"Elipse"を聴き、これまた非常に良い内容の作品で、どっぷりファンになる。なんかそろ
そろ、新作が、しかもまた、Frou
Frou名義で出るらしいので、暇を見つけてチェックしたいところだ。Imogen
Heapの魅力はうまく伝えられないが、いろいろと個人的な理由で好きになった。パーソナルな部分、オシャレな部分、マニアックな部分がうまくバランスが
取れたアーティストだと思う。
70年代から活動している、アメリカのクリスチャンロックバンドの大御所のベスト盤を聞いてみた。80年代のアリーナロック全盛期の作品には、そ
の時代の雰囲気がばっちり込められていて、面白いし、よりヘヴィでモダンな最近の曲まで、それぞれの時代で楽しめる。クリスチャンロックのさきが
けではあるが、決して、超一流のバンドというわけではなく、それぞれの時代で時代の変化にあわせてがんばってきたバンドだと思うんだけれど、それ
がまた、いい感じだ。それぞれの時代でばっちりハードにロックしている。
Demon Hunter"The World Is A Thorn"
今年はクリスチャンのメタルコアをいくつか試してみようと思って聴いてみたののひとつ。アメリカはシアトル出身のクリスチャンメタルコアバンド。
日本ではいまひとつ知名度が無い気がするが、アメリカ人と話すと、かなり知名度があるようでしょっちゅう名前を聞いていたので気になっていた。
いくつか試してみたクリスチャンメタルコアの中でも、僕はこのDemon
Hunterがいちばん気に入った。典型的なメタルコアの方法論とは一味違うアプローチをするバンドで、やみくもにスピードとパワーに走るのではなく、不
思議なハーモニーやメロディ、リフの構成の妙で魅せるバンドで、そのサウンドはメタルシーンの中でもかなり「異質」といった印象を受ける。その異
質な中に光る独特の美しさが魅力のバンドだ。そして、ドラマーが高度な力量を持っているようで、通常のメタルコアのバンドとは一味違ったグルーヴ
感が楽曲にバラエティと躍動感を与えている。サウンドやメッセージに込められた信仰の強さも頼もしい。非常に気に入った。"Storm
The Gates of
Hell"は、2008年の作品らしく、このバンドらしいキラーチューンが満載でおすすめできる。現時点での最新作"The
World Is A
Thorn"は、よりヘヴィで、メロディとキャッチーさは減退したものの、このバンドの異質な個性が際立っており、音楽的にはかなり高度だ。
Skillet"Awake"
前から名前は聞いていたクリスチャンロックバンド。おそらくはクリスチャンロックバンドの中でも今いちばん売れている部類のバンドと思われる。意
外とキャリアは長く、2000年代半ばになってやっと大爆発しているのも興味深い。モダンヘヴィロックにカテゴライズされる音楽性だと思うが、サ
ウンドは後述のRedというバンドと非常に似通っている。いかにも今の時代の売れ線の音で、ぶっちゃけ音楽的にはそれほど面白くない。Pro
Tools時代のモダンなロックバンドの音に、パワー重視のシンプルなギター、ストリングスを多用したやたらとドラマティックなサウンドは、ロックバンド
として、これでいいのかと疑問に思わないでもないが、あるいはこれが現代のシンフォニーの姿なのかもしれない、と思うとどこか納得しないでもな
い。個人的には、方向性が徹底して突き抜けているREDの方が音楽的にはまだ面白いと思うのだが、Skilletの場合は、男女ツインヴォーカル
であることが特徴になっており、REDよりも音楽的な幅は多少広い。まだ歌詞をちゃんと読んでいないけれど、たぶんそれほどクリスチャン色は濃く
ない感じがする。クリスチャン層よりも、より一般マーケット
を広く狙っているバンドではないだろうか。これを書いている時点で、来日公演が数日後
であり、当代アメリカを代表するバンドのパフォーマンスに期待し楽しみにしているところだ。Comatoseは代表曲と思われ
る"Rebirthing"が入っている突き抜けたアルバムで、最新作のAwakeは、若い美形ドラマーが加入し、その萌え系ヴォーカルを効果的
に使って、安定した売れ線ロックを聞かせてくれる。音楽的にはあまり面白みはないのだけれど、良い意味で最大公約数なサウンドで、安心して聴ける
バンドだと言える。
Red"Innocence & Instinct"
モダンヘヴィロックに分類されるであろうクリスチャンロックバンド、RED。これも前から名前はしょっちゅう聞いて気になっていた。上記の
Skilletと同じようなサウンドの方向性で、言ってしまえばLinkin
Park以降の、今の時代の売れ線の音。ストリングスを多用したやたらドラマティックなサウンドを、モダンなヘヴィギターで支える。しかし、REDの音楽
性は、「暗い」「悲壮」「壮絶」、そして、それがアルバムの最初から最後まで続く(笑)ぶっちゃけ、すぐに飽きるのだけれど、それでも心に残るの
は、メロディラインの美しさと、ヴォーカルのMichael
Barnesの声質の良さと、シンガーとしての力量といえる。とてもきれいな声をしたシンガーだ。楽曲もワンパターンだが良いダイナミズムを持っている。
クリスチャン色もけっこう強いようで、今の時代のメッセージという気がすることもあり、しょせん売れ線のワンパターンと思いつつもなんか気になる
バンドだ。もうすぐ新作が出るようなので、余裕があればチェックしたい。"End
Of Silence"は、代表曲"Breathe Into
Me"が入ったデビュー作で、突き抜けたアルバム。"Innocence
& Instinct"は、2ndだが、グラミーを
獲っているらしく、これも十分に質は高い。2ndを聞いていて、珍しく違う雰囲気の曲が出てきたと思った
ら、Duran Duranのカバーだった(笑)
今年はVersusの10年ぶりの新作が出たという話は聞いてはいたんですが、今年の後半はものすごい財政難で、買うのをあきらめていた。なの
で、この+/-{plus/minus}の未発表曲を集めたコンピレーションも買うのをあきらめていた。だって、日本のファンにとっては、過去に
出たアルバムの日本盤や、日本オンリーEPに入ってる曲ばかりだし。と思っていたんだけれど、年末についに我慢できなくなって購入ボタンを押して
しまった。実際、ここで初めて聞く曲は3曲のみだったんだけれど、その3曲と、インナースリーブのメンバーの曲解説のコメントだけでも価値があっ
た。現在進行形で自分の中でいちばん好きなバンドであることを再確認しました。
War of Ages"Eternal"
アメリカのクリスチャンメタルコアバンド。嫁さんがやたら気に入って聞いていたため、自分も結構聞くことになった。とてもストレートで、男らしく
て、戦う姿勢があって、信仰の意味でもまっすぐ、という感じの姿勢が感じ取れる、良いバンドだと思う。新作"Eternal"では、ちょっとメロ
ディが増えて、軟弱になったかな、とも思うけれど、それでもやっぱり十分良い。
数多くあるCCM、コンテンポラリー・クリスチャン系のバンドの中でも、一番のお気に入りだと公言していたカナダのバンド。待ちに待った新作が出
た(日本リリースは、まだ?)。前作、"Colors and
Sounds"は日本でも結構話題になって日本盤も出ていたようだ。ただ、前作は、ちょっと音楽性が複雑すぎた感、またピコピコのエレクトロに頼りすぎて
いた感もあったので、ライヴ演奏のことなどを考えてなのか、今回はもう少しシンプルな路線にシフトチェンジしてきた感。前作のような高度なポップ
チューンはあまり収録されていないし、その意味で正直前作に及ばないところはあるんだけれど、音楽性とか出来が良いとか悪いとか言うまえに、やっ
ぱりこのバンドのことが好きだってことを再確認した。さわやかなメロディ、涼しげなサウンド、さらっとした押し付けがましくないあたたかさ。そし
て今回のアルバムでは、曲ごとに間奏というのかインタールードのインスト曲を持ってきたことで、バイオリンのサウンドが生きているし、アルバム全
体としても面白い聴き応えになっているのも特徴だ。たぶん2011年はたくさん聴くことになるだろう。もうどんな音楽性でもいいから、
末永く活動
してほしい。ちなみに、この作品は、2010年秋に本国カナダでリリースされているけれど、日本ではまだiTunesでしか買えない。アマゾンで
盤が買えるようになるまで待つか、iTunesでデジタル購入するか、まだ様子を見ている段階だ。なぜレビューが書けるかというと、公式ウェブサ
イトで全曲公開している(していた)ので、がっつり聴いてしまったのだ。
日本でもずいぶん人気があるアメリカのクリスチャンメタルコアバンド。なんかここ10年くらい、アメリカあたりではメタルコアっていうとクリス
チャンのバンドがやたら多い気がする。ひとつのトレンドなのだろうか。日本では普通に人気があるけど実はクリスチャンバンドです、っていうバンド
がかなり多い。音楽的には非常にintenseで、なんというか密度が高い。素直にメタルの激しい部分を高度に追及している感じがする。ギターソ
ロが意外と素直なのも好感が持てる。が、ちょっとメロディや曲構成がチャラい気がしてしまうんだな。そこまで好きといえるほどには至らなかった。
ベイエリア・スラッシュといわれたメタルバンドの、なんでも13年ぶりの復活作だとか。なぜだかこれも嫁さんが気に入ったらしく買ってきて、聴く
はめになった。で、これが素晴らしい。スラッシュ云々よりも、普通にヘヴィメタルの本質を高度に捉えることに成功していると感じた。なんか今のメ
タルシーンって、90年代から起こった音楽性の多様化も一段落して、物理的なヘヴィネスの追求も限界に達し、いろんな要素が消化されたことで、新
たにヘヴィメタルの本質を定義しなおすことが可能な時代なんじゃないかと感じる。そういう意味で、このアルバムって、ひょっとして、2010年代
におけるPainkillerと同じような質とインパクトを放っている気がする。予感が間違っていなければ、こういうアルバムは、これからいくつ
も現れるはずだ。
David Crowder Band"Remedy"
アメリカはテキサス出身のクリスチャンポップバンド。
CCM、クリスチャンの世界では、結構名が知れたバンドらしく、一部で天才呼ばわりもされているらしいDavid
Crowderだが、実際に聞いてみると、これが素晴らしく陳腐でつまらなかった。音楽性はエレクトロサウンドとアコースティックサウンドを融合させて独
自の世界を作り出してはいるものの、普通に聴けば、なにこれ10年前の流行じゃない、と言いたくなる陳腐で平易なものだ。どこかに書いてあった
「CCMは、10年前のオルタナティヴサウンドで、ラヴソングのYouをJesusに置き換えれば完成」という揶揄がそのままな感じだ。しかし、
David
Crowderが天才なのは、音楽的なところよりも、むしろ社会的な部分とコミュニケーションの部分なのだと思う。見た目にも神経質な感じで、またこの神
経質な細い声のヴォーカルが生理的にイヤなんだけれど、その、いかにもコンピュターのデスクトップ上で曲を作ってそうな理系アーティストである彼
は、その頭脳の中で、音楽そのもの以上に、コミュニケーションといった点をしっかり計算しているに違いない。実際に、小さな子供からお年寄りまで
安心して聞ける親しみ易い楽曲ばかりであり、その意味では陳腐で平易な音楽性は、す
べて狙い通りに計算されたものだといえる。そして、アーティス
トとしての今の時代におけるメディアの使い方やコミュニケーションの技量は、CCMの世界でも随一と見受けられる。音楽はつまらなくても、信仰と
いった面で見れば、こいつは頼りになるヤツだ、と感じる。なんというか、敵に回したくないタイプだ。こういう教育的なアーティストが戦略的にメ
ディアに露出しているアメリカと、俗悪な表現が野放しになっている日本のメディアとの社会の質の差を思わずにはいられない。そして、音楽的にも、
エレクトロの使い方は陳腐だが、実はアコースティックの曲を聴くと、ものすごく素晴らしかったりする。結論として、これは自分の好みではないけれ
ど、また違った意味で良いバンドだという結論に至った。代表作とされるCollisionと、もう一枚Remedyというのを聴いてみたけど、実
験的なコンセプトアルバムに挑戦して音楽性が伴わず自己満足に終わっているCollisionよりも、このバンドの軽快なポップさが素直にあわら
れたRemedyの方が僕はおすすめだ。
アメリカ東海岸に自分のバンドで遠征したときに、地方のカンファレンスで偶然出会ったフロリダ出身のクリスチャンヒップホップアーティスト。すっ
げー面白いやつだった。そして、間違いなく神の人だった。で、彼の新作をiTunesでダウンロードして聞いてみると、これが恐ろしく質が高い。
こういう、一般にそれほど知られないインディペンデントなアーティストが、素晴らしく質の高い活動をして、それぞれの場所で群雄割拠しているのが
今の時代だと思う。
http://www.godchaserz.com/
"Kiske / Somerville"
12月に、Avantasiaが来日。2年前に引き続き、縁あって楽屋にお邪魔させていただいた。今回のツアーには、マイケル・キスクとカイ・ハ
ンセンも同行しており、Avantasiaのステージ上では、この2人の奇跡の共演が見られた。これは、Avantasiaのメンバーでもあるア
マンダ姐さんと、そんなマイケル・キスクのデュエット作品。非常に質の高いジャーマン・メタルの作品だ。ジャーマンメタルは、演奏力の高さや正確
さと同時に、この親しみやすさが良いのだと思う。あとは、歌謡曲っぽいメロディアス要素。そのあたりが、日本人に人気のある理由か。
なぜだかうちの嫁さんがDanger
Dangerを好きになり、その流れで、この新作をゲット。これも正確には2009年の作品だけれど、遅れてゲット。そしたら、これが恐ろしく質が高い。
懐かしの80年代、とかそういう言葉で語られるようなバンドの作品ではまったくなく、現役バリバリの音だった。むしろ最高傑作。これは、多くの
80年代メタルのバンドにとって、現代のProTools等のレコーディング環境が、ギターの音を無駄に膨らませて不利に働いているのに対して、
もともと華やかで商業的な音作りを得意とするDanger
Dangerにとっては、逆にキラキラ感がアップして有利に働いた結果という分析ができる。ロバート・マルセロのギターがいい仕事をしている、これも大き
な理由だろう。この時代にこんなキラキラした商業メタルを作れるのは、ほとんど奇跡。意味不明。
まさかここへきて、2010年にもなって、RATTの新作が良い、なんてことは、もっとも予想外の出来事だった。RATTは、ロビン・クロスビー
はもう居ないし、フォアン・クルーシェも戻らないし、かつての華やかなRATTを期待することはもう絶対的に不可能なんだけれど、かえってここへ
きて、長年ロックし続けて生き延びてきた証のような、タフさを増したサウンドを提示してきた。LAという地の利を生かしたサウンド、それによって
年齢とキャリアをプラスにすることに成功したと感じる。なんでも今作から加入したカルロス・カヴァーゾが客観的な視点から良い仕事をしたらしい。
リードシングルの"Best of Me"なんて、全盛期のDavid Lee
Rothの曲かと思ったもの。それくらいLAメタル丸出し、カリフォルニア丸出し。
Loudparkでのステージは演奏の出来が悪いと不評だったらしいけど、僕はものすごく楽しめた。こういうバンドに、演奏の出来とか期待するの
はお門違いでは?
2010年、いくつか絡ませていただいた日本の不思議系ポップロックバンド、FUさん。その新作は、マルコム・バーン(ボブ・ディランとかピー
ター・ガブリエルとかやってるらしい)という著名プロデューサーによるアルバムになった。ユビキタス氏の浪曲とオペラと演歌を独自の解釈で消化し
たような特徴的なヴォーカルと、不思議系だけどキャッチーな楽曲。おもしろいバンドです。
http://www.mfu.be/
日本のクリスチャンロックのさきがけであるバンド、栄光号 /
B.D.Badge。2010年は、ずいぶんと復活されたようで、いろいろと絡む機会がありました。ジミ・ヘンドリクスが生き返ったのかと思うくらいの激
しいギターに、70年代R&Bのようなファンキーなグルーヴ。これが日本人のサウンドなのかと。そして、サウンドの中から溢れてくる歓
喜。喜び。光。自分が見てきたインディーズのアーティストの中でも、いろんな意味で、こんな凄い音を出す人は初めてです。やっぱりキャリアが長い
からだろうか。なんたって、サザンオールスターズと対バン張ってたっていうんだから。
http://www.electric-angel.net/
見れると思わなかった。見れてよかった。なんか最近アリーナロックに疑問を感じる自分としては、もうちょい小さいところで見れたら、なんて思うけ
れど、そりゃ無理だわな!
見れてよかった。もっともバンドは若い連中だし、Gus.Gのギターも、器用すぎてあんまし心に響かなかったけれど、オジーはオジーだ!聴きた
かった曲をいっぱいやってくれて大満足。もう死んでもいい。
上記のとおり、素晴らしいものでした。
上記のとおり、素晴らしいものでした。あのライヴでの静かな轟音の中での美しい風景を、僕は自分の中での、僕らの世代の日本のオルタナティヴロッ
クの終焉として、永く刻んでおきたいと思います。
あんましおもしろくなかった。RATT楽しめた。Holy
Grailよかった。Hell
Yeah凄かった。Accept生理的にダメだった。Kornよかった。
これが2010年、いちばんショックだった。来日が発表されたとき、あまり大手でない感じのジャズな呼び屋さんが、大きなハコでなくて、地方の小
さなライヴハウスを何日もかけて周るという、ものすごく気合の入った企画だったので、すごい興奮していたんだけれど、直前になって「メンバー急病
のため中止」。やはりチケットが思ったほど売れなかったのか。公式twitterとかには、「追って、代わりの日程をブッキングする」旨が書かれ
ていたものの、未だ音沙汰なし。もはや日本はアーティストが来ない国になりつつあるのか。
僕らStryperのファンゆえに来日を心待ちにしているが、あれは春の終わり頃だったろうか、Burrn!誌に、「Stryper、
Loudparkに出演決定」とのニュースが掲載されたのは。しかし、オフィシャルサイトは更新されることなく、翌月のBurrn!誌には、
「Stryperの出演はキャンセルになりました」。どうやらB!誌のフライング気味の発表だったらしい。そして、Stryperは、同時期に、
日本をスルーして、インドネシアのフェスティバルに出演していたとか。もはや神は日本を見捨て給うたか(泣)2011年こそは来日してね!