−2011年
美術 TOP10− by
Sweeperさん 1
岸田劉生展 @大阪市立美術館 (1位以外は順位なし) 2011年は岸田劉生回顧展が観れただけで感激です。 Best1岸田劉生展 @大阪市立美術館 磯江毅展@練馬区美術館 生誕130年松岡映丘展@練馬区美術館 パウル・クレー おわらないアトリエ 展@東京国立近代美術館 フレンチ・ウィンドウ展@森美術館 「日本画」の前衛 1938-1949 @東京国立近代美術館 シュルレアリズム展@国立新美術館 ザ・ベスト・オブ山種コレクション(前期展示)@山種美術館 フェルメールからのラブレター展 @京都市美術館 赤塚不二夫展@島根県県立美術館 (received
'12.1.25) Sweeperさんのプロフィール...故・ウクレレ前田さんのブログ『裏声喫茶』の常連さん。11年続けて『なんでもTOP10』に参加いただき、こっちのほうでもすっかり常連さん。どうもありがとう!
磯江毅展@練馬区美術館
生誕130年松岡映丘展@練馬区美術館
パウル・クレー おわらないアトリエ 展@東京国立近代美術館
フレンチ・ウィンドウ展@森美術館
「日本画」の前衛 1938-1949 @東京国立近代美術館
シュルレアリズム展@国立新美術館
ザ・ベスト・オブ山種コレクション(前期展示)@山種美術館
フェルメールからのラブレター展 @京都市美術館
赤塚不二夫展@島根県県立美術館
これほど「麗子」を観れたのでもう十分です。
練馬美術館に2回も足を運びしかも大満足してしまいました、500円であれだけのクオリティを出せるのが凄い。同じ東京23区でも世田谷美術館休館している場合じゃないですよ半値であれだけのものが出せる(出し続けている!)練馬美術館に特別に1位を挙げたいぐらいです。
生誕120周年の大回顧展でした。大阪のみ!ということで遥々大阪まで観に行きました、しかも初日。
「麗子像の画家」岸田劉生とは? よく知らなかったころも多かったのですが、38歳で夭折というあまりのも早い人生だったのですね。この人の人生に合わせて回顧展が進み、東京で生まれ代々木、原宿、鵠沼、京都と転々と移り住み、いろいろな作風の絵を残す。肖像画も色んなタイプの作風があり、キュービズム、ゴッホ風、色々な作風を吸収している。そして「麗子」です。様々な麗子を描き、愛情を持って描いているいるけどどこかシュールで不気味な感覚も持たせていて、2人の麗子像や曼荼羅の麗子像や、娘を題材に楽しんでいるのか、愛情が注がれているのか、?なところもある。麗子16歳の像は救われる、しっかり美人に描かれていて、あの「麗子像」から麗子さんも呪縛からきっと解かれたのだと思う。その後の彼の作風はやや散漫な感じがして鵠沼の風景はどこかピンとこないし、日本画を描くけどどこか中途半端な作風になっていて本人も悩んでいたのだろうと感じ取れる、それだけに生き急いでしまった岸田劉生は麗子をもって伝説になってしまったのですね。とにかく収穫の多い回顧展でした。
傑作の「麗子像」、近寄って見るとじんわ
回顧展 2007年に53歳で急逝したそうだ。生前は知らないのですがこれを逃すと観ることが無いだろうと思い見に行く。
静物画を中心に描くことが多かった。静物画の更なる写実主義にも進み続け、それは人物画へのコダワリをもいきつく。青く血管が浮き出てくるような生々しさまで表現に取り込もうと描いていて(医学関係の勉強もしたそうである)、それは女性を描いた幾つかの彼の代表作で見つけることができる。
20代前半からずっとスペインに住み続けそのスペインの乾いた気候からくるような乾いた空気とひんやりとした雰囲気をほぼ全ての作品に感じることができる。回顧展というのはそういう一貫した人生のテーマ的なものを感じることが多いのですが、惜しむことに今日この人を知ったところで、もう新しい作品を観ることができないという事ですね。もっとアンテナを広げて色々な作品に触れ続けていきたい。
松岡映丘、作家の柳田國男の兄弟とのこと、兄弟って何かしら違う分野に行ったっとしても競い合うんでしょうね、きっと。
「やまと絵復興のトップランナー」という副題があり、なるほど大正時代に鎌倉・室町時代を題材にした絵を描いていた人の回顧展。
一回ぐるっと回ってもう一回見直すとじわじわと良さが伝わってくる。これは、やはり1枚2枚では評価できない画家であります。スケッチも参考までに展示されていてそのやまと絵がいかにして完成されていくのかの過程が分かりとても興味深い。殆ど遺作に近い大きな屏風に描かれた「矢表」は圧倒する力強さ、躍動感があり溜息がでました。「千草の丘」の洗練された現代女性(の着物姿/大正時代の女優の初代水谷八重子がモデル)はまたこの人のアイコン的な絵画でした、やまと絵と西洋的な絵画の影響を巧く調和した絵画は素晴らしいものがありました。写真やネットでしか確認するしかないというには余りにも惜しい、是非多くの人が精緻な絵画と淡い色使いを堪能してほしいものです。
これまでもパウル・クレーはいろんなところで見てきたけど、こういう回顧展は初めて見ました。
パウル・クレーの作風の謎が分かり、より理解と親近感を感じるようになった。常識にとらわれることのない発想と数多くの作品にかなり浸っていられて良かった。
作品そのものは大きいものがあまりなく、こじんまりとした作品が殆ど。その作品をまた更にイジル、切ったり再構成したり、そんなのあり?という発想がおもしろすぎる。凡人には理解できない所業である。「マネキン」と「なおしている」が一つの作品だっただなんておかし過ぎる。タイトルもどこかユーモアを感じさせるものも多い。パウル・クレー、東京国立近代美術館4階の常設展にも何点もあったけど、1階にに何故か降りてこなかったのも面白い。
マルセル・ドュシャンに共感したその後の人がマルセル・ドュシャン賞なるものを作って既成のものを使ってアートしてしまう発想をたたえる、その日本での展覧会でした。常識や概念を取り外してしまうと面白いことがいっぱいである。事実楽しませてもらった。日用品を手を加えただけのものが多いので、見かけガラクタとも言えるものも無いわけではない。別に不快感を持つこともなく日用品を使った非日常を体験できました。大方の人はこれを芸術とは思わないだろうし、作り手も重々承知でもある。でもその境目って何だろう?僕らは何かを作る時、意識的に無意識的に掛け合わせ、コラージュしてるよね、と。
前衛といってももはやクラシックな輝きを持った人もいたり、エネルギーを発散していてそれを浴びるほど此方も感覚は先鋭化するような覚えすら感じる。
そして常設で置いてある靉光《眼のある風景》はいつ見ても素晴らしい。
タイトルも絵画も鋭かったのが「消費都市」山岡良文これはかなりシュールかつ物語性がある。
ポンピドゥセンター所蔵のシュルレアリズムを集めました。
これらはそのコレクションの一部なのだろうけど、かなりの量を見ることができました。パリの人はいいな、これが常時見ることができるのだからと羨んでしまいました。
ルネ・マグリッドの「赤いモデル」「秘密の分身」の衝撃、イヴ・タンギー「岩の窓がある宮殿」の冷ややかさ、ヴィクトル・ブローネル「傷ついた主体性のトーテムII」「育む女」のプリミティブな表現。。。パリでおこった、このシュルレアリズムが絵画にとどまらず、雑誌の装丁や映画にも影響してその展示もされていた。あのグロいシーンがあるとてもシュールな「アンダルシアの犬」が見れるとは思わなかった。
何故か「リサとガスパール」がマスコットになっていたけど、これは現地パリでもこのポンピドゥセンターのマスコットなのらしい。
このコレクションは何回見ても飽きがこない、そうかパリに住めばいいのか?!
三番町にあったときは小さい美術館だと思っていた。
新装して広尾に再オープンしてそこそこ広くなった。
そしてここのコレクション、日本の宝が数多くあるのでびっくりした。これもあれもあるんだと。
なーんだ、すると前回あたりまでは「出し惜しみ」していたんだなと思ってしまった。
池大雅
歌麿
写楽
広重
宗達
酒井抱一
といった江戸時代のもの
そして
観山
大観
松岡映丘
上松松園
後期展示も凄そうだ、見に行きたく思います。
希少価値のフェルメールの作品、今回は3点。それだけでは展覧会にならないので、同時代の17世紀のオランダの画家の作品も並べてみました(レンブラントは居ない)。
でももうそこは正直すっ飛ばして今回はフェルメールだけ凝視しました。「ウルトラマリンブルー」という青が素晴らしい、光と物語性を凝縮させてしかもそこに正解を出していないというフェルメール特有の作品3点は素晴らしい。この3点だけでも観る価値は十分にあります。フェルメール、百聞は一見にしかず、生で見た方が絶対にいいです。
勿論回顧展ということなのです。初期のころの原画があったりこの赤塚さんの足跡とその当時のマンガがあってその相対的な関係が作り手の悩ましさが感じ取れておもしろかった。本人自らギャグにしてしまう人でしたけどかなり繊細な面をこの回顧展で感じ入ることになる。それでいてあのパワフルな作品を作り続けてナンセンスなところで笑い飛ばそうとする一貫性があります。懐かしいマンガに1時間も2時間も浸っていたいような気がした。あれらのキャラクターはどこかピカソに似ているなぁと思っていたのだけどそんな説明などこにも無かったけどそれは確信にいたりました。そしてシューレアリズムで笑い飛ばそうということも考えていたのですね。
今度は青梅に行ってこよう。