−2011年
音楽 TOP10− by
Sweeperさん 1 New
Blood / Peter Gabriel (1位と2位以外は順位なし) 2011年の新譜は例によってそれほど聞いていない、しかも例によって偏った趣向なので。。。 Best1 New Blood / Peter
Gabriel The Rhythm of the heart 代表曲、シングルカット曲を持ってこないでその次位に位置する曲を選曲したようです。 BEST2 Modern
Music / Patrick Zimmerli 以下順不同、 Biophilia / Bjork WTC 9/11,MALLET QUARTET,DANCE
PATTERNS / Steve Reich JAMES FARM Navidad de los Andes / Dino
Saluzzi, Anja Lechner, Felix Saluzzi Mano a Mano / Michel
Camilo Northern Lights / Pietro
Lussu Hijaz / Chemsi Imprint / Julia Hulsmann
Trio (received
'12.1.18) Sweeperさんのプロフィール...故・ウクレレ前田さんのブログ『裏声喫茶』の常連さん。11年続けて『なんでもTOP10』に参加いただき、こっちのほうでもすっかり常連さん。どうもありがとう!
2 Modern Music / Patrick Zimmerli
Biophilia / Bjork
WTC 9/11,MALLET QUARTET,DANCE PATTERNS / Steve Reich
JAMES FARM
Navidad de los Andes / Dino Saluzzi, Anja Lechner, Felix
Saluzzi
Mano a Mano / Michel Camilo
Northern Lights / Pietro Lussu
Hijaz / Chemsi
Imprint / Julia Hulsmann Trio
そんな中で、一度聴いたら忘れられない音楽は誰が聞いてもあるはず、という趣旨でBEST10を選びました。BEST1は迷ったけど昨年同様、Peter
Gabriel の新譜、New Blood。BEST1を争ったのはPatrick
ZimmerliのModern Music。
「俺の背中を掻け」から1年というやけに早いインターバルが気になるところだけど。またもや、オーケストレーション作品、今回はセルフカバーである。
アルバムの一番最初に持ってきた曲からの選曲が多い気がする、14曲中3曲。
Red Rain
Darkness
そして、今回のオーケストレーション、前作よりシャープで切り込むような鋭さがあり、前作を制作せずにこれを最初に制作すればよかったのにとさえ考えてしまう。女性ヴォーカルで共演しているのは娘とのこと、この娘にはそれほどカリスマ的な感覚が無いけど脇役としては邪魔していないのでそれはそれでいいのでしょうね。
オリジナルのアレンジを知っていてそれをどうオーケストレーションするかというところに腐心したと思うし、そこが最大の聴きどころ、この作品はそれに見事に応えて新たに過去の曲に魅力を与えてさえする。どのアレンジが好きかって言われたとしても選びようが無いくらい完璧な仕上がり!
久し振りに大きなスピーカーで聞いてみたい気がするアルバムです。
ここに音楽がある。
ここに聞きたい音楽がある。1曲目はまったく息をのむ躍動感と繊細さが同居して嬉しくなってくる。
ピアノ2台でこれほど奥深い音楽が見事に表現されている。ブラッド・メルドーとケヴィン・ヘイズが、作曲とアレンジのパトリック・ジンメリの指示で行う音楽。
つまらない瞬間が無い。きらきらした密度の高い音楽のみが記録されている。原文ライナーにも書いてあるけど、書かれたスコアに対してどれだけ即興の要素を取り入れようか何度もディスカッションしたよ、というメルドーの言葉通り、まるで即興のような偶発性がまるで一人の人が4つの手で弾かれているピアノという瞬間が随所に感じられる。オーネットコールマンの「ロンリーウーマン」、ライヒの「18人」グラスの曲も2台のピアノで演奏してそれもまるで期待しなかったような演奏であるの素晴らしいことです。
ややミニマリズム的、反復的な効果を狙って、かといって仰々しい感じもしない音の粒立ち。そしてビョークは変わることなく熱唱系の魂のつぶやきをしている、これはいつもと同じ。
常に歌が変わりサウンドが変わってもこの声がある限り、このビョークが絶対的に支持され続ける、もっとも妥協したようなサウンドというのも聞いたことがないのだけど、いつも期待をいい意味で裏切り続けられる稀有な歌い手でもある。
これはお得だ、MALLET QUARTETがDVDで付いている。
WTC
9/11は、その911の実況ニュースで流れた音声をそのまま音階化してフレーズを作りそのままパッチワーク的にあてはめていく。クロノスカルテットが3つの曲からなる組曲を演奏する。「ディファレントトレーンズ」の手法と同じだけど記録としてまた音楽的にどちらが素晴らしいかという優劣を述べるのはつまらないことである。MALLET
QUARTETはおなじみのフレーズに重なりに重なってフレーズがメロディやポリリズムになってくるような効果を出している。DANCE
PATTERNSはマレットカルテットにピアノが加入してどこかジャズ的なポップスてきなそういう軽さが加わってくる、ピアノって偉大なんですね、マレットってすると打楽器的な要素が大きいのでしょうね、和音も鳴らせる楽器なのに。全編聴きとおすのは相変わらずきついけど組曲単位で聞くと耳と脳の刺激にいい効果が得られます。
J.REDMANのリーダー作かと思いきや、各メンバーがもちよりのアイデアを出す、現代ジャズのあり方を提示するかのようなよく練られた音楽になっています。実質的なリーダーはピアノのAaron
Parksに思える。そう、キースジャレットのアメリカンカルテットのような非ジャズ的なサウンドでありながらジャズから離れることもないそこでジャズでもない音楽をするという強い意思があってアレンジされたところに沿って、所によっては音を重ねてでもこういう音を提示したいという強い音楽が出てきたという事なのでしょう。自分らの名前を取って農場という人を食った名前のようなユニット名は力強く聞き逃すところだったところたまたま聞いてこれは素晴らしいと思える近年まれなほどの感銘を受けたアルバムになりました。
うーん、サルーシ兄弟のキレが少なくなってきている、というのが第一印象。
最近サルーシのアルバムに参加しているAnja
Lechnerの演奏が前の参加アルバムと比べて深い演奏になってきているのに特にDinoの演奏に元気が無い。今回殆どDinoのオリジナルのようだけど、何か静か目の曲が多く、レクイエムを聴いているかの印象すら感じさせる。自らへのレクイエムなのか?そうとも聞こえる何か悟りきった感のある曲だし演奏でした。このまま引退か?いやそれは悲しいなぁ。でもこの人の演奏をいつまで聞けることができるのだろうか?出来れば生演奏を聴いておきたいがもう日本に来ることもないのだろうね、1993年に来てから来ていないし、実際アルゼンチンは遠いしなぁ。
ピアノトリオだけどドラムでなくてパーカッションしかもボンゴ系なので小気味にグルーブする、ラウドなジャズではなくて音楽の粒立ちのいい、より高みのところの音楽ではなくて近く下りてきたような音楽である。でもこのカミロのようなテクニックには遠く及ばないのですけどね。サイドワインダーのピアノトリオ演奏というのもこの人のの技量だからなのでしょうね。以前、パーカッションこそ違うけどこのミッシェル・カミロのピアノとパーカッションのDUOを聞いたことがあるがまさにこういう演奏だったなぁという事を思い出した。Naimaもなかなか奥の深い演奏です。韻を踏んだかのようなタイトルが並ぶ、then
& now, Mano A Mano, rice & beans, you and me
で言葉の無い音楽でありながらコンセプトアルバムというか物語性を感じることも可能でしょうね。2011年の録音
イタリアのピアニスト、生ピアノとローズ系ピアノを弾き分けている、それぞれその楽器特性を熟知して特にローズ系ピアノの弾き方はかなり聞きごたえがある。16ビートや4ビートを自由に往復している、演奏に全く迷いが無くストレートな演奏、そして殆どがオリジナルなのでその独自な曲のセンスもまた楽しめてこういう表現もまだ残されているし、それはまだ無限に近いということを教えてくれる。このピアノトリオはまたドラムの巧い演奏が無ければここまで引き立たなかっただろうとも思わせるリズム重視、かつメロディもコード進行も楽しめるものでした。
本格的なアラビアンジャズである。
ピアニストはマジなジャズピアニストだけどそれ以外の人達がかなりヤバいくらいいい味を出した音を出している。ウードがいいですね。ナイも刺激的です。ところどころ西洋音階てきなところと交わらずにやや普通な局面も出てくるけど基本的には面白くこの音楽はエリントンの「キャラバン」がもっと突っ込んだ世界に行ってしまってしかも楽しめる音楽になっている。
これはヨーロッパのベルギーで制作、出来るべくして出来た音楽ですね。
Mark Sinanのギター、Yelena
KuljicのヴォーカルのFasilでは目立たなかったピアノがここではFasilと同じベースとドラムで全くたたずまいが違う。
ドイツ出身らしい。ECMのカラーにいい意味で沿った音。ジャズ風とかブルージーという感じではない、ピアノでジャズの方法論で曲に沿って演奏しているという演奏であり、いい意味でジャズという概念から解放されている演奏がされている。イギリスのジョン・テイラーのようなクールかつパッションも感じさせる演奏が多く、このピアノトリオはまた聞いてみたいと思わせる。