−2012年
ミステリー TOP10 − by
ヒロくん(師匠) (1)
上田早夕里『ブラック・アゲート』 2012年に出版された新作ミステリーのTOP10です。 (1)
厳密に言うと、ミステリーでは無く、SFにカテゴライズされる作品。アゲート蜂に卵を産み付けられ、このままでは座して死を待つのみ...という娘を救うべく、治療薬を求めて厳重に封鎖されている島を脱出する父親の物語。「返戻」や「治験」といった製薬ギョーカイに馴染みの用語も出て来て、ギョーカイ人としても実に勉強になった(苦笑)。 他に、前川
裕『クリーピー』、深木章子『衣更月家の一族』、相場英雄『震える牛』、伊坂幸太郎『残り全部バケーション』、横山秀夫『64』もTOP10入りの候補でした。 ('14.5.5) ヒロくん(師匠)のプロフィール...突如ジョギングに目覚めてしまい、月間200
km、月1回のレース参加を目標に日々走り続け、周囲を困惑させてる(?)このサイトの管理人。
(2) 西澤保彦『幻想即興曲―響季姉妹探偵 ショパン篇』
(3) 吉田修一『太陽は動かない』
(4) 原田ハマ『楽園のカンヴァス』
(5) 田南 透『翼をください』
(6) 天祢 涼『葬式組曲』
(7) 小島正樹『綺譚の島』
(8) 青崎有吾『体育館の殺人』
(9) 井上荒野『結婚』
(10) 福澤徹三『ジューンブラッド』
(次点) 二階堂黎人『覇王の死
二階堂蘭子の帰還』
上田早夕里の『ブラック・アゲート』と西澤保彦の『幻想即興曲―響季姉妹探偵
ショパン篇』のどちらを1位にするかさんざん迷ったけど、上田早夕里にしたよ。
(2)
長らく謎のままであった事件の真相を安楽椅子探偵ばりに響季姉妹が解いて行く。謎解きの刀乱麻ぶりと美人姉妹という設定に魅惑されました。
(3)
産業スパイモノ。NHKドラマの『外事警察』の住本を思わせる主人公・鷹野のキャラが凄くイカしてる。
(4)
アンリ・ルソーに全く興味が無かった私も読了時にはすっかり興奮してしまった美術ミステリー。
(5)
ネット上での評判は今ひとつ芳しくないのですが、私はこの作品すごく好きだよ(笑)。ただし、最後「監禁」されてるのは余計だったかな。
(6)
葬式が禁止されている世界で、特例的に葬儀が認められている某県(勝手に佐賀県だと脳内変換しました...苦笑)の北条葬儀社をめぐる5つのお話。「葬式が禁止されている世界」という設定じたい、トリックだったとは...(苦笑)。
(7)
綾辻行人の『館シリーズ』をパロったタイトルからしてウケた(笑)。「エラリー・クイーンを彷彿とさせる論理展開」というオビタタキだけど、名探偵(?)裏染天馬や袴田柚乃を中心に風ヶ丘高校を舞台とした青春ミステリーとして楽しく読みました。
(8)
絶対実現不可能なトンデモ・トリックを使ってます。緩衝材をいくら用意しても死んじゃうんじゃない? ま、バカミスとして読めば、これはこれでオモシロい(苦笑)。
(9)
これもミステリーのカテゴリーじゃなく、純文学にカテゴライズされるんだけど、結婚詐欺師に幻惑される女たちの、それぞれの視点から物語が進んで行く。
(10)
殺し屋たちに命を狙われたチンピラが逃亡中にデリヘル嬢と引き籠もりを仲間に加え、西へ、西へとひたすら逃げる。殺し屋・八神のキャラクターがとてもいい味出てるので、是非、彼を主役にした「続編」を期待したいものです。
(次点)
二階堂蘭子ファンの間ではボロクソに言われてるようだけど、私にとっては『地獄の奇術師』以来20年ぶりとなる蘭子モノのため、随分と新鮮に感じました(苦笑)。舞台は能登だしぃ〜(苦笑)。