−2013年
私的音楽 TOP10− by
Toneさん 1位 bloodthirsty
butchers "YOUTH" (1位以外順位無し) 2013年はわりとたくさん新譜を聴くことができました。(自分としては) 1位 bloodthirsty butchers
"YOUTH" ・RED "Release The
Panic" ・Suede "bloodsports" ・Alter Bridge
"Fortress" ・Stryper "No More Hell To
Pay" ・Earthshaker "THE
EARTHSHAKER" ・CODAMA Through "ep
#2" ・The Devil Wears Prada
"8.18" ・August Burns Red "Rescue
& Restore" ・Skillet "Rise" ・TesseracT "Altered
State" (received
'14.1.30) Toneさんのプロフィール...日本初のクリスチャンヘヴィメタルを名乗るImari
Tonesというバンドをやっている人です。http://www.imaritones.net/
・RED "Release The Panic"
・Suede "bloodsports"
・Alter Bridge "Fortress"
・Stryper "No More Hell To Pay"
・Earthshaker "THE EARTHSHAKER"
・CODAMA Through "ep #2"
・The Devil Wears Prada "8.18"
・August Burns Red "Rescue & Restore"
・Skillet "Rise"
・TesseracT "Altered State"
旧譜はもっとたくさん聴いていると思いますが、めぼしいところで気が向いたものだけ列挙します。
順位は適当です。1位以下は順位ありません。
書いた時期の関係で、2014年1月も含めています。
吉村秀樹氏急逝により遺作となってしまったブッチャーズの新作。
そこにあったのは、すべて織り込み済みであったかのような、生と死を超えた永遠のメッセージ。
空前絶後。こんなのに誰も勝てるわけない。
もう地球最強のロッカーは吉村氏でいいんじゃないかと思う。
ストリングを多用したアレンジで、劇的に悲劇的でドラマティックな楽曲が売りだったRED、何かがふっきれたように「明るい」作風で、(今までにくらべて)開放的なロックを鳴らしています。それはまるで新しい世界の幕開けのようなすがすがしさです。ストリングスのアレンジもぐっと控えめに影をひそめています。しかしよりストレートでライヴ向けのサウンドになったのではないでしょうか。筋の通ったメッセージ性とともに、今まで以上に印象的なギターリフが冴え、現代の最新型のハードロックを見事に鳴らしています。クリスチャンロック、というだけでなく、ロックシーン全体からも、REDはまだまだ世界のロックシーンのトップを走り続けるでしょう。
1990年代のグラムロックバンド、Suedeの再結成復活作。
世間では、"Coming
Up"の続きのようだ、とか、あの時代のSuedeが帰ってきた、とか言われていますが、聴いてみるとまったくの大嘘であることがわかります。
それは、その内容が、本質的にまったく明るくなっているからです。
これは、解散前のラストアルバム"A New
Morning"が、表面的にだけ明るい音楽性だったのとは違い、本質的に本当に明るく、前向きな音楽性になっています。
だからそのぶん、聴きやすい、多くの人に受け入れられやすい音楽性のはず。
そして、これは自分にとっては素晴らしい変化でした。
自分が1990年代を共に過ごしたSuedeの音楽。
それが、こんなにも明るく、ハッピーで、満ち足りたものになって帰ってくるなんて、Suedeの最終章(ではないかもしれませんが)としては、これ以上ないくらいの幸福な結末です。
あの"Trash"と同じ音符が、違った進行で鳴らされる"Barriers"で涙し、"It
starts and ends with you"で共に歌い、"For The
Strangers"で過去を振り返り、そして聖なる祈りと変態性が同居した名曲"Hit
Me"で号泣。
アルバム後半は、また新たな戦いの幕開けのようなおどろおどろしく暗いSuedeサウンドが見えてきています。
前身バンドのCreedと比べると、音楽性は高いものの、いまいちフックが足りないように思えていたAlter
Bridge、この新作で化けました。容赦のない、インテンスなヘヴィメタルになっています。
来日公演に期待が持てます。
クリスチャンヘヴィメタルの元祖であり先駆者であるStryperの、世間での再評価の機運が高まる中での、満を持しての新作。
今までにないくらいの、全盛期を上回るくらいの本格的正統派ヘヴィメタルになっており、世間でも多いに評価されています。再結成後の精力的な活動が実り、新たなファン層も拡大する中で、色物のように扱われていた1980年代のイメージを払拭するように、今こそ正統な評価が得られるのではないでしょうか。
しかし、自分としては、無理をして本格的ヘヴィメタルにを鳴らそうとした結果、形だけのメタ情報だらけのアルバムになってしまい、逆に音楽的に中身が感じられず、ちょっと残念なアルバムでした。ちょっと予想はしていましたが。
日本のベテランハードロックバンド、アースシェイカーのデビュー30周年を記念しての新作。
自分は2012年にアースシェイカーの初期のアルバムを聴いて衝撃を受け、2013年はその後のアルバムをたくさん聴いてみましたが、スケールの大きなハードロックを純粋に鳴らしていた初期から、時を経るにつれ、商業的な事情や時代の流れに巻き込まれ、次第にJ-Popぽくなっていくバンドの姿がありました。しかしその中でも彼らは日本のロック、特に歌謡ロックのようなJ-Rockの基礎を築いてきたのです。それは後進のバンドたちのために地平を切り開き、90年代以降の日本のロックバンドは皆その恩恵にあずかっています。
その独自の日本のロックをさらに進化させた彼らの現在の音楽、長い年月を経て、もはやリアルに演歌メタルと呼んでいいくらいの境地に達しています。
決して目新しい音楽ではないかもしれませんが、ロックを愛する人なら、涙なしに聴くことはできないでしょう。
90年代に活躍したシンガーソングライター、熊谷幸子さんのユニット、コダマスルー。
2012年の活動再開以来、熊谷幸子先生、いよいよ本気を出してきたようで、とても素晴らしい楽曲が収められています。
マイペースでの活動のようですが、今後の楽曲の発表が楽しみです。
クリスチャンメタルコアの代表格のひとつであるThe Devil
Wears
Pradaの新作ですが、メタルコアという表現が、行き着くところまで行ってしまったのか、ちょっと前作までと違った方向性に行っている気がします。最先端のイケイケなイメージのバンドだったんですが、なんとなく自分の世代だと、90年代を思い出すようなサウンドがちらほら。これからどうするんでしょうか。
クリスチャンメタルコアの代表格のひとつであるAugust Burns
Redの新作。前作の完成度が非常に高かったこと、また同時期に、The
Devil Wears PradaやAs I Lay
Dyingの作品が、同様に完成度が高く、メタルコアも行き着くところまで行ったな、という印象が強く、あるいは単純にブームが去ったということなのか、このABRの新作もそれまでと方向性が変わっています。よりプログレッシヴな方向を指向する要素と、よりポップでわかりやすい方向を指向する要素がないまぜになっている印象があり、ABRの音楽が本来持っていた凄みのようなものが消え失せている気がします。これからどうなっていくのか気になるところです。
アメリカの現在クリスチャンロックの代表的存在であるSkilletの新作。
押しも押されぬ大人気バンドであると思うが、新作はあまりぴんと来ず。
正直いって、あまり聴き込んでもいない。
この手のアメリカ南部保守派クリスチャン的な表現に若干食傷気味かもしれない。
イギリスの、いわゆるDjentと呼ばれる新世代プログレメタルの代表格のひとつ、TesseracTの新作。ファーストアルバムからシンガーが交代しているが、バンドのサウンドには非常に合っており、むしろより進化している印象。
彼らの「四次元的プログレ」の気持ちいいところはきちんと押さえてより発展させている。
明らかにハイコスト、ローリターンな音楽性であり、自分にとってもあまり毎日聴くような音楽ではないものの、この手の新世代メタルがどこまで行くか、楽しみなところではある。