『成吉思汗の秘密』

 (警告!!!)
 この文章では、高木彬光・著『成吉思汗の秘密』のネタを割ってます。ネタを知りたくないひとは至急立ち去って下さい。
こちらから→

 故・高木彬光さんの小説に『成吉思汗の秘密』というのがあります。「成吉思汗」と漢字で書くと分かりにくいですけど、要は広大なモンゴル帝国を築いた歴史上の偉大な人物、ジンギスカンのことです。この小説のテーマはズバリ、ジンギスカン=源 義経伝説。兄の源 頼朝と対立し、奥州藤原氏の許に逃れたものの、庇いきれなくなった藤原氏によって討たれた源 義経は、実は生き延びて東北地方から北海道を経由し、中国大陸に渡ってジンギスカンになったのだ...という、昔から歴史マニアの間で話題になっている「ジンギスカン=源 義経伝説」を、高木彬光氏の生み出した名探偵・神津恭介を使って検証するストーリィです。
 で、その物語の最後には、「ジンギスカン=源 義経は間違いない!」と読者に思わせるような仕掛けが用意されています。成吉思汗という名前は、源 義経が生涯最も愛した女性である静御前へのメッセージであるという説が、それ。「成吉思汗」という名前を漢文調に読み下すと、「吉成りて、汗を思う」ってなりますよね。これを源 義経と静御前の関係に当てはめると「吉野山の約束成りて、水干(当時の女性の着物の一種...つまり静御前)を思う」という解釈が成り立ちます。つまり、源 義経は「成吉思汗」と名乗ることによって静御前にメッセージを送っていたというのです。何故、ジンギスカンがあれだけの領土拡大に走ったか? それは自分の名前が日本にまで伝わるくらいに有名にならなければならなかったから。静御前に自分の名前が伝わって、自分が生き延びて大陸に居ることを知らせたかったのです。だから、ジンギスカンは自分の勇名が日本にまで轟くようにと、やみくもに領土拡大に走った...と、この小説ではこのような解釈が最終的になされています。
 この説の真偽はともかくとして、私はこの説にもの凄く共鳴を覚えます。遠く離れた愛するひとに自分の健在ぶりを知らせようとやみくもに拡大路線に走る男。ロマンがあっていいじゃないですか!(笑)

 「よくこんなにマメにホームページを更新出来るね。感心するワ」などと言われることが多い私ですが、私がホームページ更新に力を入れる理由(いくつかあるうち)のひとつが「ジンギスカン=源 義経」です。ぎゃはははは〜♪

 源 義経こと「成吉思汗」の勇名が日本にまで届いた頃、静御前はもうこの世のひとではありませんでした。ジンギスカンの拡大路線は結果的にはムダな努力だったワケですが...。

 ...さて?(苦笑)

('03.5.18)

INDEX