リンプ・ビズキット2題
先日、行きつけのCDショップで顔馴染みの店員さんとレジカウンターのところで立ち話をしていると、女子高生2人組がやって来て、店員さんに『リンプ・ビズキットってありますか?』と訊いてきた。それで店員さんは、店内のリンプのコーナーに2人を案内して、「これがデビュー・アルバム、こっちが今もの凄く売れている最新アルバム...」といった感じで親切に説明してあげた。しばらくして、彼女たちはデビュー・アルバムのほうを手にレジに来て、そのまま『お買い上げ』になっていった。これを見て私はちょっと残念に思った。彼女たちのトシからいくと、多分「今、流行しているリンプ・ビズキットってどんな音かナ?」という感じでCD買っていったと思うのよネ。ところがリンプのデビュー作って、聴き易い最新作と違い、そーとーに初心者にはキビしい音。ジョージ・マイケルのヒット曲“Faith”を極悪非道にカヴァーしているのが聴きどころなくらい。私も多分これから先、リンプの1stを聴くことはないだろう...っほど。もし、この女子高校生たちがリンプの1stを聴いて、「リンプ・ビズキットってこんな乱暴な音なんだ」とショックを受け、大傑作の最新作『シグニフィカント・アザー』を聴かないとしたら、せっかくリンプに興味を持ったというのに、実に勿体ないハナシだ。ということで、これからリンプを一度試したい...というかたは、最新作『シグニフィカント・アザー』をから聴いてみるように! 間違っても1stから聴かないように!
というふうに、新作『シグニフィカント・アザー』が売れまくるリンプだが、やはり...というか『出る杭は打たれる』という感じでリンプを叩いたり、目の敵にするものが現われ始めた。特に酷いと思うのは音楽雑誌『SNOOZER』。去年の夏に『シグニフィカント・アザー』が出た時は雑誌を挙げて誉めまくっていたクセに、売れまくってアメリカにラップ・メタル・ブームを巻き起こした途端、『アメリカでのメタル復権に手を貸している』と叩き始めるんだものなあ〜。あれだけ誉めてたのはいったい何だったワケ???
(2000.2.21)