オール・アバウト・イヴの新編ベスト盤を発見!!!

 先日、上京した折、『HMV新宿SOUTH店』で、オール・アバウト・イヴ(以下、AAE)のベスト・アルバム『The Best Of All About Eve』(←そのまんまのタイトル...笑)を発見した。CD番号からするとPolyGram/Universal傘下のレーベルから出ているこのCD、以前'92年に『ウィンター・ワーズ〜ヒッツ&リアリティーズ』というベスト盤が出ていたので、AAEにとっては2枚目のベスト・アルバムということになる。'91~'95年頃までドップリAAEにハマっていた私はこのアルバム(と。現在ほとんど見かけない『スカーレット・アンド・アザー・ストーリーズ』の輸入盤があったので、これと一緒に)即買い!

The Best Of All About Eve


(import : Spectrum 544153-2)
1. Our Summer 2. Lady Moonlight 3. Flowers In Our Hair
4. Paradise 5. Gypsy Dance 6. In The Meadow
7. Every Angel 8. Martha's Harbour
9. What Kind Of Fool 10. Gold And Silver
11. Candy Tree 12. Road To Your Soul
13. Tuesdays Child 14. Different Sky
15. Farewell Mr. Sorrow 16. Wishing The Hours Away
17. Are You Lonely 18. Share It With Me

 以前出てた『ウィンター・ワーズ〜』がシングル曲を几帳面に並べた上にB面曲と未発表曲を加えた、どちらかというと型にはまった選曲だったのに対し、今回は選曲者の趣味がモロに出た脈絡のない選曲。『ウィンター・ワーズ〜』と同じく、3rdアルバムまでの曲が対象となっている。だけど、AAEのファンなら「こういう選曲もあるのか」と認めつつも「オレならもっとマシな選曲が出来ると思うのではないだろうか?
 スージー&ザ・バンシーズからの影響を受け、ミッションの後押しで'87年にデビューしたAAE。ポジパンとゴシックの人脈につながるハズのこのバンドを支持したのはパンク/オルタナ・ファンではなく、意外にもプログレ/メタル・ファンだった。紅一点のジュリアンヌ・リーガンの英国トラッド・フォークを思わせるヴォーカル・スタイルが彼らの興味をひいたようだ。
 私が彼女たちを初めて聴いたのは3rd『タッチ・バイ・ジーザス』。すぐにジュリアンヌの(ホントは下手だけど)どこか味のあるヴォーカルに魅せられた。4th『ウルトラヴァイオレット』で、決定的に彼女たちのファンになり、過去の作品を遡って聴いたところ、3rd〜4thよりももっと味わい深い世界が広がっているのを発見。特に2nd『スカーレット・アンド・アザー・ストーリーズ』は、私が今までの人生で聴いた回数が一番多いアルバムになるほど愛聴している。それなのに4thリリース翌年...すなわち、私が一番ハマってたときに、突如解散!!! あれだけハマっていたAAEも『去り行くものは日に疎し』...『スカーレット〜』は今でも聴くもものの、他のアルバムを聴くことはめっきり減った。そんな時にこのベスト盤を発見したのだ。
 かつて死ぬほど好きだったバンドなだけに、このベスト・アルバムの選曲には言いたいことがある。ただ、ここ数年AAEのCDが入手困難になり、バンドの存在すら歴史の彼方に埋没しそうなところを掘り起こしてくれたことには、ただただ感謝感謝。
 で、こういうアルバムを見つけるのとどうしても考えたくなるのが「オレだったらこんな選曲にする!」ということ。で、これを機会に『ヒロくん版AAEベスト』を考えてみたいと思う。
 その前にAAEのディスコグラフィーをば...。曲名が
青色になっているのは私の好きな曲です。

All About Eve

(import : Mercury 834260-2, 国内盤廃盤)
 記念すべきデビュー盤。この時のメンバーは、ジュリアンヌ・リーガン(vo.)、ティム・ブリッチェノ(g.)、アンディ・クーズィン(b.)、マーク・プライス(ds.)。ジュリアンヌがミッションのバック・ヴォーカルを務めていた関係で、ミッションのウェイン・ハッセイ、ミック・ブラウン他が参加。そのお蔭でゴシック的大袈裟で、笑ってしまうほど芝居がかった世界が展開されており、初心者にはキビしいかも。邦題は『イヴの序曲』。
1. Flowers In Our Hair 2. Gypsy Dance 3. In The Clouds
4.
Martha's Harbour 5. Every Angel 6. Like Emily
7.
Shelter From The Rain 8. She Moves Through The Fair
9.
Wild Hearted Woman
10.
Never Promise (Anyone Forever) 11. Apple Tree Man
12.
What Kind Of Fool 13. In The Meadow
14. Lady Moonlight

Scarlet And Other Stories

(import : Mercury 838965-2, 国内盤廃盤)
 AAEの最高傑作。デビュー作のゴシック風大袈裟さはなくなり、代わりにトラッド・フォーク色が取り入れ、ゴシックから離れて『これぞAAE』という世界の構築に成功。だが、これを最後にギターのティムが脱退。
1. Road To Your Soul 2. Dream Now 3. Gold And Silver
4.
Scarlet 5. December 6. Blind Lemon Sam
7. More Than Blues 8.
Tuesday's Child
9. Pieces Of Our Heart 10. Hard Spaniard
11.
The Empty Dancehall 12. Only One Reason
13.
The Pearl Fisherman

Touched By Jesus

(世界的に廃盤)
 ティムの抜けた穴を、オーストラリアのバンド、ザ・チャーチのマーティン・ウィルソン・パイパーの助けを借りて埋めることにしたAAE、ここで従来の世界観を一部放棄し、もっと一般大衆へアピールするポップなアプローチを試みた。彼女たちの作品のなかで一番聴き易い作品。
1. Strange Ways 2. Farewell Mr. Sorrow
3. Wishing The Hours Away 4. Touched By Jesus
5. The Dreamer 6. Share It With Me 7.
Rhythm Of Life
8.
The Mystery We Are 9. Hide Child 10. Ravens
11.
Are You Lonely

Ultraviolet

(世界的に廃盤)
 AAEのラスト・アルバム。ジュリアンヌのヴォーカルはハッキリ言葉が捉えられないウィスパー・ヴォイスになり、それに従うようにバックの演奏も霞がかかったようなボヤけた音像に変化。最後の曲“Outshine The Sun”の終わりに、ギターが超新星の爆発のような“悲鳴”をあげる。
1. Phased 2. Yesterday Goodbye 3. Mine 4. Freeze
5.
Things He Told Her 6. Infrared 7. I Don't Know
8. Dream Butcher 9.
Some Finer Day
10. Blindfolded Visionary 11.
Outshine The Sun

Winter Words ~ Hits & Rareties

(国内盤 : マーキュリー PHCR-4286)
 現在、国内盤で手に入るAAEのアルバムはこれだけのハズ。3rdアルバムまでのシングル曲を中心に、B面曲、未発表曲をプラスした『お買い得盤』。
1. Our Summer 2. Flowers In Our Hair 3. In The Clouds
4.
Every Angel 5. Martha's Harbour
6.
Wild Hearted Woman 7. What Kind Of Fool
8.
Road To Your Soul 9. Scarlet 10. December
11.
Strange Ways 12. Farewell Mr. Sorrow
13. The Dreamer 14.
Paradise 15. Candy Tree
16. Drawning 17.
Wild Flowers 18. Theft
19. Different Sky

 あれ〜ッ、曲名が青色ばっかりになっちゃったぞ(笑)。この中から、CDは19曲が限度...として選曲を考えることにする。まズ、アルバムごとに曲数の割り当てをすると、1stと2ndが5曲ずつ、3rdと4thが3曲ずつ、B面曲その他が3曲...というふうにするのが妥当だろう。私が選んだ『The Best Of All About Eve』は以下のとおり。

1. Our Summer...アルバム・デビュー前シングル
 AAEのなかでも一般大衆受けする『明るいポップス』。これは外せない。
2. Flowers In Our Hair
...1st収録...出来れば『Eden』レーベル時代ヴァージョン
 マーク・プライス加入以前のドラムマシン時代の無機質さも、貴重な記録。
 ちなみに邦題は“愛の花園”。
3. Every Angel
...1st収録
 ライヴのオープニング曲だったというこの曲も当然外せない。
4. Martha's Harbour
...1st収録
 ギターをバックにジュリアンヌがヴォーカルを聴かせるフォーク色強い名曲。
 ちなみに邦題は“恋人たちの港”。
5. Wild Hearted Woman
...1st収録
 私のフェイヴァリットAAEソング。『この女、狂暴につき』ってか???
6. What Kind Of Fool
...1st収録
 
イントロの芝居がかった感じは初期のAAEをよく表わしていると思う。
7. Dream Now
...2nd収録
 
ゆりかごに揺られているような感じの曲。ジュリアンヌの歌は子守歌???
8. Scarlet
...2nd収録
 2ndのタイトルは『“Scarlet”とその他の話』...そんな大事な曲は外せない。
9. December
...2nd収録
 こんなにクリスマスにピッタリな曲なのに、世間が無視してるのは勿体ない!
10. Tuesday's Child
...2nd収録
 私が火曜日に生まれた『tuesday's child』だから(笑)。
11. Only One Reason
...2nd収録
 もしこの世に生きる理由があるんだとすれば...考えさせられる曲
12. Paradise
...B面曲
 何故、アルバムから外れたのか解らないくらいの名曲。
13. Theft
...2nd~3rd間のレア音源
 アップ・テンポのキャッチーな曲。
14. Strange Ways
...3rd収録
 私にとってのAAEは、この曲がすべての始まりでした。
15. Rhythm Of Life
...3rd収録
 こういう叙情性あふれる曲にジュリアンヌの歌は一番ハマってるのでは?
16. Mystery We Are
...3rd収録
 これもアップ・テンポのキャッチーな曲。勝負賭けたのにどうして売れない?
17. Things He Told Her
...4th収録
 『年老いても彼女は彼の言葉にすがっていた』...身につまされる話です...。
 ちなみに邦題は“彼の言葉”。
18. Some Finer Day
...4th収録
 霞がかかったような4thのなかで唯一ともいえるキャッチーな曲。
19. Outshine The Sun
...4th収録
 バンドの終焉をこんなにもハッキリ予言してた曲も珍しい...(苦笑)。

...というふうになりました。
 「AAEなんか知らない!」というひともこれを読んでAAEに興味持ってもらえればうれしいな。
 AAEフリークのかたで「オレならこんな選曲にする!!!」というのがありましたら、書き込みお願いします(笑)。
→書き込み

(2000.4.21)

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